▲▲ 2005  / 11・12 月 ▲▲

(ホーム) (山荘案内) (コース) (花地図) (最新情報) (今までの情報)

NO178 『愛』の年の次にやってくるものは?  一年間ありがとうございました。

2005/12/31

昭和55年の暮れ以来の大雪に見舞われた大町市の大晦日です。昭和55年12月30日は一日で135センチほどの大雪が降ってそれこそ大騒ぎでしたが、それに比べたら先日の大雪はまだ87センチの積雪でしたからまだ余裕? です。でも10キロも南の松川村へ行けば数センチの積雪、さらに豊科や松本まで行けば東京と同じで車道にはほこりが舞い田んぼは黒々としているのですからずいぶんと違うものです。大町・白馬・小谷には『転ぶなら一歩でも南へ転べ』という格言? がありますがその気持ちも十分にわかるというものです。とはいえここで生きていく以上遊雪、親雪、利雪といった考えで行くしかないですね。雪のない年末年始なんて実に味気のないものです。気象庁の今冬の予想も暖冬から一転、寒い冬へと修正されましたが年明けからの1月2月3月とどんな冬になるか楽しみです。今年は周辺での災害や、天候不順、さらには予想以上の大入りだった『愛』地球博の影響等でお客様の入り込みもいまひとつだった感もありますが、つつがなく新年を迎えることができそうでなによりです。このあとは大町・安曇・松本地方ではほとんどの家庭で食べる“お年取り”の魚“ブリ”をいただいて紅白歌合戦を見るという正統派? スタイルで除夜の鐘を迎えます。みなさんも良き平成18年をお迎えくださいませ。一年間お付き合いいただきありがとうございました。


大晦日。餓鬼岳から南の山は朝からすっきりと姿をあらわしました。

昼前には鳴沢岳や赤沢岳も登場。遭難のない越年登山でありますように。

久しぶりに雲の合間からようやく鹿島槍も。今年の納めの双耳峰です。

大町市街地は雪捨て場もなく正月を前に大除雪作戦を実行。

片付けは大変だけど、美しい日本の光景ですね。

どこのお宅も屋根の雪下ろしで大忙し。当然我が家も済ませました。

NO177  世相の反映でしょうか。山でも明るいニュースが少ない感じの年でした。

2005/12/30

   いつものことながらなかなか更新ができなくて訪ねてくださった方には申し訳ございません。“師”なんてものには程遠いわたしのような者でもばたばたと走り回る師走もついに明日で終わり。要領の悪さばかりが目立つ毎年のことと言えばそれまでですが・・・     それにしても早い12月、そして平成17年です。

  暮れになると恒例ですが新聞紙上等では国内外の10大ニュース等をを連日振り返っていますが明るいニュースは少ないですね。最後の最後へ来ても東北地方で大きな列車事故や山の中の温泉地での硫化水素ガスによるガス中毒事故など痛ましい事故が相次いでいます。何年か前にも福島県か栃木県かの火山でも火山性ガスによって登山者が何人か死亡した事故があったことを思い出しました。登山者にとっても教訓を残した今回の事故でした。しかしそれにしても付近になんの注意書きもなかったというのは大きな問題でした。危険が常についてまわる登山と違って、厳寒の秘湯とはいえどマイカーで行ける観光地なんだから。自己責任というものとは全く違う残念な 悲惨な事故でした。一家4人のご冥福を祈るばかりです。

  毎年暮れにご紹介する私共の5大ニュースですが、こちらも明るいニュースがちょっと少なかったようです。本当は大きなアドバルーンでも上げて来たる平成18年につなげたかったところですが・・・

 

                   2005年5大ニュース

     1.北アルプスで相次いだ大きな災害

            7/1に上高地の手前の沢渡地籍で大崩落、国道158号線が1ヵ月余り不通に、またお盆には白馬大雪渓上部で大崩落、2人死傷の惨事。鹿島槍周辺でも6/下から7/上にかけての集中豪雨で大谷原から西股出合にかけて崩落や車道の流失災害。これは昨年に続いて2年続きの災害でした。

     2.鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳周辺で遭難や急病が多発。

             シーズン入り直前の海の日連休の前に滑落事故と急病による死亡事故が2日連続発生。その後も事故や急病によるヘリ救助が相次ぐ。長野県警ヘリ、長野県防災ヘリ、東邦ヘリが過去最多の8回出動。ほかにも歩きでの同伴下山も。関係者の皆さんにはたいへんありがとうございました。

     3.終日ガスの最盛期、秋はほぼ毎週末の大雨、遅れた冬の到来等の天候不順。

             今夏は朝7時前にはガスが上がり夜まで視界ゼロといった感じの天気が多かったです。秋は天気のよかったのは敬老の日3連休だけでした。とにかくお天気に恵まれた方はほんとうにラッキーだったと思います。そしてだれが予想したでしょうか、今冬のこの大雪とこの早さ。山の上では紅葉シーズンは10日以上遅れ、初雪初氷は3週間以上平年より遅れました。

     4.珍しいコバイケイソウの2年連続の大開花。

            栄養分を蓄えるために数年に一度しか咲かないといわれるコバイケイソウですが、まあまあ咲いた昨年に続いて今年は久しぶりの大当たりの年になりました。他にも春先の麓でのコブシの大開花や山でのタムシバやシャクナゲ類の大当たり、ナナカマドの実やブナの実の付きがよかったことなど植物にとっては子孫を増やすのに絶好の気候だったのでしょうか。

     5.7月に鳴沢岳の崩落箇所を避ける新道を開削。

              地盤が軟弱で雪庇の雪どけ時や大雨で崩壊いちじるしい鳴沢岳から新越山荘間の登山道を約100mにわたってバイパス化して新しい登山道を開削しました。最盛期直前の限られた時間の中でスタッフが頑張ってくれました。大いに安全が確保されました。


杓子岳から白馬大雪渓への崩落現場。迂回する登山道が付けられ復旧しました。

西股出合付近の工事用車道の流失現場。こちらも秋までには復旧。

県警ヘリ『しんしゅう』と柄沢隊員。高山病で最高血圧60以下に下がった女性の救出。

ようやくの、待ちに待った初雪は小屋閉め直前の10月22日。当日は浅間山等も一気に初冠雪。

種池山荘のコバイケイソウ。平成7年以来の大開花はみごとでした。次はいつでしょうか。

安全と可能な限り自然が残るように開削。10年後にはコケもむして自然に同化してくれます。

NO176   明日は長野県北部では里でも積雪になりそうとか。

2005/11/21

   大相撲の九州場所が終盤を迎える頃は毎年日が暮れるのがいちばん短い頃で冬を迎えるワクワク感よりもなんかものさびしさが漂います。これが12月に入ったとたんに 気忙しさと慌しさとクリスマスやら正月やら年越しを迎える準備で華やぐのは毎年のことながら不思議なものです。忘年会というにはちょっと早いですが 私にとっては毎年この時季は山に関したいろいろな催し物が結構あったりしてお酒の量も増える頃です。また明日は以前私どもの山小屋で3年ほど働いてくれていた TくんとSさんのスタッフどうしの結婚式があり祝福に 馳せ参じます。今は山から離れて都会で生活するお二人ですが、鹿島槍ヶ岳で初めて会った時のときめきを忘れずに末長くお幸せであられることを願い若い前途洋洋たる二人の門出をご祝福申し上げたいと思います。みなさんの中にも山が縁でご一緒になられた方は多いのではないでしょうか。最近は中高年層の夫婦登山が目に見えて増えていますが、山がいつまでもご夫婦の共通の話題であればいいですね。最近よく云われる熟年離婚は山好きのご夫婦にはまったく関係のない世界の話ですね。きっと・・・・・・。そうありたいものです。

  今年の北アルプスは初雪以来すでに十数回の降雪を見ています。この一週間も連日のように爺ヶ岳から北は雪が舞っていました。なかなか里までは白くできない今季の雪模様ですが2100mから上はかなりの積雪になってきました。 主稜線では確実に1メートルを超えているものと思われます。今年の年末年始はかなり雪が多くなるのではないでしょうか。大町でも先日初雪が降りました。というよりは風花になって舞ってきたというところでしょうか。風花という言葉も素敵なことばですね。でも明日はようやく本格的な降雪が里へもやってくるとか、スキー場ではそろそろ一降りほしい頃になってきました。今夜も冷え込んできました。


連日真っ白な霜が降ります。今朝の大町はマイナス5,4℃でした。

野沢菜洗いが最盛期を迎えました。暖かいと美味しく漬かりません。

鹿島槍スキー場でも人工雪作りが始まりました。(11/21)

鹿島槍北峰。手前の右下に一の沢の頭。(11/21)

アップにすると爺ヶ岳の北峰もかっこいいですよね。(11/21)

赤岩尾根と奥に冷池山荘の建つ主稜線。(11/21)

冬を待つ鹿島集落の馬頭観音。今では農耕馬を見ることもないです。

大谷原よりの鹿島槍ヶ岳。積雪もかなり増え雪山らしく。(11/21)

青空にかがやく爺ヶ岳中峰と左へ東尾根が下りる。(11/21)

扇沢よりの爺ヶ岳南峰と左端の種池山荘への稜線。(11/21)

NO175   日一日と冬が下りてくるころ。

2005/11/11

  北アルプスは3日周期ぐらいで雪が降るようになってきました。ただ降雪量は今のところ降っても主稜線で20センチぐらいまででしょうか。晴天が続くと南側斜面の雪はかなり消えて黒い斜面も目立つようになりますが、大町からは見えない鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳の北側斜面は場所によっては50〜60センチぐらいの積雪になってることでしょう。

  山麓の大町も11月1日に初氷が張ったもののその後も冷え込みは今ひとつの感じです。美味しい野沢菜の漬け込みや収穫期を迎えるフジにとっても適度な冷え込みがほしいところです。最後に11月10日の新雪の北アルプスをごらんください。


信州の秋の味覚の王様はやはりフジでしょうか。まもなく出荷の時期ですね。

山麓の紅葉もラストステージへ。大町もいつ初雪が降ってもおかしくない時季です。

たわわと実った柿の実が新雪の鳴沢岳に映える朝。

11月9日は扇沢駅周辺もようやく初雪になりました。2センチほどの降雪。

扇沢駅付近からの爺ヶ岳南峰。柏原新道も6月の通行再開まで深い雪の下です

大町温泉郷付近からの野口五郎岳、三ッ岳方面。新雪の稜線がまぶしい。

NO174   暖かな立冬でしたね。このあとには寒気団がやってくるとか。

2005/11/07  

 まだ本格的な降雪にならないので、3つの山小屋の見廻りに登ってきました。10月22日の初雪からすでに5回ほど降雪もありましたが、なかなか積雪は増しません。主稜線の日影の部分で25センチぐらいの積雪です。11月6日も午後下山する時には猛吹雪になりましたが、夜は雨だったのか今朝見えた鹿島槍ヶ岳は中間帯から上がうっすらと白くなっただけでした。今週は明晩から寒気団が南下してくるとのことですので、ようやく本格的な降雪になるでしょうか。山の上では今秋の紅葉の遅れは1週間ぐらいでしたが、大町周辺ではさらにペースダウンしてようやく今が紅葉のピークを迎えたところです。まだ登山口でも落葉してない紅葉がちらほら見られるような状況です。暖かい地方では暮れまでに紅葉してちゃんと落葉してくれるかちょっと心配ですね。暦どおりの本格的な冬の到来が待たれます。  


先週の新雪のあとで。大町の文化公園より。大町もようやく紅葉が見頃です。

日があたれば南斜面の新雪は消えてしまうが北側斜面はもう根雪です。

大町周辺の前山は紅葉のピーク。平年より10日から2週間近く遅い感じ。

新雪におおわれた白馬鑓ヶ岳と杓子岳。(白馬村にて)

新越山荘への途中で。赤沢岳と鳴沢岳。ハイマツの緑があざやかに見えます。

針の木小屋と遠く奥には槍ヶ岳の鋭峰。すっかり冬の世界です。(新越山荘より)

岩小屋沢岳の稜線より、剱立山。周辺の積雪は20から30センチ。剱もまだ雪少なし。

雪は少なめですがライチョウはしっかりと冬支度になってくれていました。

爺ヶ岳中峰から南峰にかけての稜線。11月6日。

雪に追われるかのように渡り鳥の群れが爺ヶ岳を越え南へと向かう。

11月6日の午後は今季6回目と思われる降雪になりましたが。

11月7日朝の鹿島槍。新雪が少しつきました。裏側の北斜面には30センチ以上の積雪あり。