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NO212  期待の“梅雨明け十日”  夕方北陸にも長野にも梅雨明け宣言が出ました。

 2006/07/30

 気象庁からも梅雨明け宣言がようやく出ましたね。今夏はいい意味でも悪い意味でもひじょうにメリハリのきいた天候ですのでこのあと8月入りは大いに期待がもてるのではないでしょうか。今日はまさに“梅雨明け十日”の晴天がほぼ一日続きました。夕焼けも久々にまあまあでしたし、夜も天の川がきれいです。ようやくやってきた夏山シーンの到来に心の中で万歳を叫ぶとともに、安堵したところです。あさってからはあっという間の八月入り、それでなくとも短い北アルプスの夏です。皆さんも登りそびれないようになさって下さいね。


雲海と豊富な残雪が最高の鹿島槍ヶ岳。(7/30)

剱岳に夕陽が落ちる瞬間。

赤味を増す剱落日。(7/30)

赤味もおさまり漆黒の世界へ。

NO211 梅雨明け発表もすぐそこに。今朝は待ちに待った“アルプス晴れ”が広がりました。

 2006/07/30

   誰もが待ち望んだ朝がやってきました。実に清々しい爽やかな形容の仕様がないような今朝の鹿島槍ヶ岳周辺です。お客様も朝食もそこそこに写真撮影に、頂上へ縦走へと発たれました。早ければ明日にも梅雨明け宣言も出されるのではないでしょうか。余りにも激しかった今年の梅雨も終わりを迎えようとしています。平年よりも1週間から10日間ぐらいの遅れかもしれませんが、それ以上に長く感じた時間でした。これから始まる本当の意味での夏山シーズン入り、お天気にとにかく恵まれた8月になってほしいものです。場所によっては秋の花のトウヤクリンドウのつぼみもふくらんできたりしていますが、いっぽうでは残雪の下でいつ見頃を迎えるかわからないようなお花畑もあります。今年の8月はいつも以上に百花繚乱の舞台が繰り広げられそうです。次週はようやくお客様のお越しも増えてきそうな状況です。お客様の入り込みを心配してくれたスタッフの顔にも笑顔がひろがる今日の“アルプス晴れ”でした。

   長かった梅雨も終わりを迎えると、今度は暑い夏空の下での日焼け対策や熱中症対策が大切になってきます。帽子、サングラス、日焼け止めオイル、水分補給、適度の休憩等がとても大事になります。また忘れてならないのが雷対策です。でも雷対策なんて確かなものはありません。とにかく早く出発して早く小屋へ到着することがなによりです。これからしばらくは午後にはいつ雷があっても不思議ではありません。前夜や朝の天気予報で本州中部や北陸地方では午後には大気の状態が不安定とかにわか雨に注意といった説明があるときは注意が必要ですし、周囲にもくもくと積乱雲が沸き立ったり、遠くに雷の音が聞こえていたり、にわかに上空に黒い雲が広がってきたりした時はとにかくいち早く小屋へ駆け込むのがいちばんでしょう。北アルプスでは事故の発生も増えてきていますので、時間にゆとりを持って体調を整えて、無理のない山行をお願いいたします。また長雨や遅くまでの残雪等の影響で落石や浮石等にも注意が必要です。


快晴の朝です。爺ヶ岳。(冷池山荘より)

全開の窓からはひんやりとした空気と秀麗なる双耳峰。(7/30)

まだまだ残雪がすごい立山連峰もくっきりと。(冷池山荘から)

うっすらと夏の朝特有の霧が流れ行く新越山荘周辺。

新越山荘からの立山連峰も冷池山荘からの光景と同じですね。

備えあれば憂いなし、常駐隊員からレスキューの指導をうける。

NO210  まさに梅雨明け前夜。まもなく待ちに待った瞬間の到来です。

 2006/07/29

   ここへ来ても一進一退を繰り返した空模様ですが、いよいよ満開の夏空へ向けて大前進しそうです。今日7/29も鹿島槍ヶ岳周辺は朝から雨が降ったり止んだりのあいにくの梅雨空が続いていますがどの天気予報やニュースを見ても、明日以降梅雨前線は一気に活動をゆるめ消滅しそうな気配です。今日の山荘上空には青空も時おり広がり梅雨前線の雨雲と太平洋高気圧の夏空が最後のせめぎあいをしているかのようです。明日 かあさって以降には一気に夏空がその領空を拡大し決着をつけそうです。大いに期待したいものです。と同時に夏山のにぎわいもなんとかやってきてほしいものです。

   一両日中の梅雨明けそして真の夏山シーズン入りを期待して今日は久々にお客様もおおぜい登ってこられましたが例年の出足と比べればやはり半分以下の感じです。来週からは徐々にお客様も平年並みに回復してくれるようにねがっております。雪消えの遅かった今夏、どんどんとお花も咲き出していますがピークはまだまだ先になりそうです。お盆過ぎまで十分に楽しめます。また何度もお知らせしていますが先日の大雨や長雨による鹿島槍ヶ岳周辺の登山道の被害はありませんのでご安心を。残雪の心配もありませんのでみなさんも相当に待ちくたびれたかもしれませんが、ぜひご計画の上お越しくださいませ。ようやくお客様もスタッフも待ちに待った梅雨明けになりそうで山小屋の中にも活気がやってきそうです。


冷池テント場先の登山道の残雪もあとわずか。カットしてあるから大丈夫です。(7/28)

この雪が消えて一週間もすれば登山道の両側はお花畑へと大変身します。

針の木雪渓はまだ雪たっぷり。小屋の直下は夏道も出てきています。(7/29)

長かった今年の梅雨の終焉を教えてくれるような今日の爺ヶ岳上空。(7/29)

剱立山を隠す梅雨雲もまもなくまさに雲散霧消へと向かいそうです。(7/29)

NO209  ようやく“梅雨明け”の四文字が踊るようになった今夜のニュースと天気予報。

 2006/07/25

   うれしいですね。ほっとしました。やっと梅雨明けの話しがニュースの中にもでてきました。早ければ明日にも九州南部は梅雨明けになるかもしれないといったとてもうれしい話題です。しかしそれにしましても昨日一昨日の九州の大豪雨が一転して早ければ明日にも梅雨明けとは・・・・  あまりの気象の変化の激しさに驚嘆するばかりです。本州も来週にかけて徐々に梅雨明けモードのようで大いに期待をするのみです。

   ところで今年ほど梅雨明けを待ち望んだ年は今までにありませんでした。過去にも北陸地方の梅雨明けがお盆ごろまでずれこんだり、梅雨明けが確定できないでぐずぐずと秋になってしまったり、平成7年の7月11日の梅雨末期の大集中豪雨で北アルプス山麓の道路や大糸線がずたずたに寸断されたりといろいろと梅雨には悩まされてきました。でも今年はさらに今までにない大きな悩み、難問が重なってしまいました。とにかく7月入りしてからもお客様がたいへん少ないんです。ご予約そのものも例年になく少ない感じです。最初はWカップサッカーのせいもあるのかなと、変な期待もしていましたがどうもそうではなさそうです。昨冬の大雪のせいで遅くまで残った大量の残雪、春先に毎週続いた大きな遭難事故、大雪のため何ヶ所もの山小屋に被害が発生したこと、さらにここへきての地元長野県をはじめとする全国各地での梅雨末期の豪雨被害等々が複合的に重なって夏山への出足を遠のかせているのではと自分なりには考えています。はたしてそれが当たっているかどうかはわかりませんが、当座の大きな足かせになっていた梅雨がもうじき明けるかもしれないというニュースは朗報です。

   なんとか1日も早い梅雨明けと夏山らしいにぎわいがやってきてほしいものです。さいわい先日の豪雨の際も鹿島槍ヶ岳および爺ヶ岳周辺では大きな被害は発生しておりません。7/23夕方から今朝(7/25)までのまとまった雨でも被害等の報告はありませんのでご安心を。高山植物は前にも書きましたが、今夏は全体的にお花の付きぐあいがかなりいい感じです。お花の見頃も2週間ぐらいは遅れ気味ですのでこれからがまさに本番です。今年はお盆過ぎてもそこかしこでいろいろな夏のお花が楽しめるのではないでしょうか。まだまだご計画も立てられてない方も多い今シーズンかと思いますが近づいてきた梅雨明けとともに北アルプスへぜひお越し下さいますようお待ち申し上げます。本日は朝までの土砂降りが午後にはからっと上がり梅雨明けを思わせるような晴天になりました。空の色も沸き立つガスの形も夏本番近しを思わせるもので心安らぐ瞬間でした。


冷池の昨夜のお客様はお一人様だけ。午後からの晴天は賑わいを運んでくれるか。

朝方のどしゃ降りも上がり午後はまさに夏山の光景。種池山荘にも梅雨明け近しの予感。

冷池山荘からも午後には剱岳がガスの向こうに垣間見られた。(7/25)

風雨に耐えた可憐なタカネバラもお天気の回復を喜んでいるよう。(7/25)

新越山荘から鳴沢岳、赤沢岳、針の木岳へと続く稜線。(7/25)

そろいのTシャツでちょっとかしこまり気味の種池山荘スタッフ。たのしいメンバーです。

種池山荘前の雪田の消えた端っこから待望のチングルマがどんどんと咲き出す(7/25)

夏の午後の雰囲気もようやく漂う。梅雨明けまでもう少しの我慢。(7/25)

雨の針の木雪渓をもくもくと登った昨日の頑張りが今日の好天を呼んだんですね(7/25)

新越山荘近辺も夏山の気配、夏山のにおいがようやく漂うように。(7/25)

NO208  これぞ、まさに梅雨の中晴れ。わくわくの一日でした。

 2006/07/21

   雨雲の向こうには、雨雲のさらに上にはこんなにさわやかな夏の空があったんですね。昨日7/20は写真のようなとても素晴らしい晴天が朝から広がりました。どの小屋も久しぶりに窓を全開にしたりぬれたお布団を干したり、自らも甲羅干しをしたり休み時間には付近の咲き出した花々に会いにいったりと短い束の間の晴天を有効的に使いました。ただし予想のとおり夜には梅雨前線の再度の北上に伴いまた雨が降り出しました。本日7/21も朝から雨模様で昨日のあの青空はまぼろしのようです。雨の中を上がって来られた数少ないお客様も昨日の晴天を堪能され、本日は雨の中ある意味では納得の下山になられたようです。

   今回の大雨では地元の長野県をはじめ全国各地で大きな災害が発生してしまい被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。お客様からも山の状況の問い合わせを数多くいただいておりますが、幸い当山域では今のところ大きな被害も報告されておらずほっとしているところです。登山口の扇沢までのアルペンラインも正常に通行できます。ただこんなお天気ですので今週末もお客様の入り込みは相当に少なくなりそうです。とにかく梅雨明けの目途が一日も早く立ってほしいものです。山好きの皆さんの共通の願いですね。


今夏初めて。浅間山の燃えるような朝焼け。夏山の醍醐味ですね。(7/20 冷池山荘より)

冷池山荘スタッフ全員集合。久しぶりの鹿島槍に感動。早くお客様どんどん来て下さいね。

皆さんが待っているこの光景。定番ともいえる種池平からの剱立山(7/20)

夏山特有のひんやりとした早朝。ひさしぶりの爽快の朝です。針の木岳と蓮華岳。(種池山荘より)

こちらは新越山荘からの針の木岳と残雪たっぷりで最高の針の木大雪渓です。(7/20)

新越山荘はいつも“おもてなしのこころで”お待ち申し上げます。皆仲良く頑張っています。

NO207 梅雨末期の豪雨の向こうには絶対に入道雲沸き立つ夏空が待っているはず。

 2006/07/19    

   今朝のNO 206の更新の際にお知らせしましたアルペンラインの事前規制による通行止めは午後には解除されました。ということは雨が上がったということです。夕方近くには久々に剱立山も覗いたりもして、わずかながらのお客様も大喜びでした。いったん南下した梅雨前線は明日の夕方からは再び北上を開始するということで、いましばらく不安定な天候続くかもしれませんがそのあとには信じられないような素晴らしい夏色の空が広がるはずです。

   7月15日の朝から降り出した今回の雨は冷池山荘でも400ミリを超える雨量になりましたが割合と平均的に降ったのがよかったたということでしょうか。長野県の中南部での大被害のようなことはなかったようで幸いでした。雨で雪融けもさらに進み針の木岳から針の木小屋の間も所々に残雪が残るだけになってきたようですし、針の木大雪渓の最上部も夏道が300mぐらいにわたって出てきたそうです。鹿島槍、爺ヶ岳周辺の登山道上の残雪もほぼ心配ありません。あとはほんとうに梅雨明けをじっと待つだけです。雨がらみの話題の多い三連休の写真ですが、早く青空が目立つようにしたいものです。


憧れの鹿島槍をめざして種池山荘を出発。梅雨なんか吹っ飛ばせ。

テントのみなさん本当にお疲れさまでした。

テーブルも席の取り合いになるような夏空が早く来てほしいものです。

開店休業状態の生ビールコーナー。暑い季節の到来を待ってます。

“登魂” Tシャツで今年も山荘スタッフは元気いっぱい。

“アクテイブシニア”の皆さんも今夏もパワフルそのものです。

冷池にも容赦なく豪雨がたたきつける。

梅雨明けまでもう一息、もう少し、もうひと踏ん張りのはずです。

冷池山荘の台所脇に咲くハクサンフウロ。元気が出てきます。

皆さんまたの来山を誓ってくださって、扇沢への下山開始です。

NO206 残念無念。どっぷりと梅雨空に浸かった海の日三連休。

 2006/07/19

   みごとなまでの梅雨空の下での三連休になってしまいました。鹿島槍ヶ岳周辺は海の日連休もはさんで7/11夕方から今日の7/1 9までもう9日間も雨が降り続いています。もう20年以上も前に連日の雨でヘリの荷上げが10日間近くできないで、ほとほとまいった年がありましたがそんな昔のことも思い起こしてしまう今年の梅雨後半であります。

   こんな雨模様の中を登って来て下さったお客様には申し訳ないような、心苦しいような思いでいっぱいです。ほとんど雨のやむ間もない三連休中は剱立山をはじめ周辺の山々もまったくその頂の姿を現わすことはありませんでした。そんな中でもガスが瞬間抜けて鹿島槍ヶ岳が見えた、爺ヶ岳が見えたと喜んでくださった方々や、遅い雪融けの中ようやく咲き出した数々の花々に感動してくださった皆さんには なかなか申し上げる言葉もでてきませんが、きっと次回お越しになられるときはどこまでも澄みきった青空、そして満天の星空が待ってますと心の中でつぶやくだけです。ありがとうございました。

   今年の海の日連休は例年にない残雪が残る中、しかも連日の雨模様ということで事故や遭難がたいへん心配されましたが、鹿島槍ヶ岳周辺だけでなく北アルプス全体でも報道されるような大きな事故がなかったようで、これだけはうれしいことでした。昨年の日記を見れば 昨日7/18は前日までの九州、四国の梅雨明けに続き一気に中国、近畿、東海、関東、甲信まで梅雨明けした日でしたが今年はもう少し時間がかかりそうな気配です。ちなみに私が北アルプス北部の梅雨明けの目安にしている北陸、新潟の昨年の梅雨明けはだいたい平年 並みのの7/23でした。今年はもう少しどこも遅れそうですが、なんとかその頃には梅雨明けの目鼻だけでもついてくれればありがたいんですが・・・・ 今夏は稜線のお花の付きかたがかなり多いように見受け られますので、お花の当たり年も期待しつつ一日も早い梅雨明けを願いたいものです。もう全国的にも相当な7月の総雨量になっているので、これ以上は被害もでませんように 願うばかりです。

   大雨が続いたりまとまった雨が一気に降ったりすると事前規制で通行止めになる国道県道は全国各地あちこちにありますが扇沢登山口へ入る大町アルペンラインもそのひとつです。雨が降り続いた連休中もなんとか通行止めにならずにいましたが、昨夜からのさらなる大雨で今朝は事前規制に入り通行止めになりました。いったん雨が上がって安全確認されるまでは通行止解除にはなりませんのでご注意ください。


新越山荘にも雨の中を初日30人ほどのお客様が来荘。スタッフも気合が入ります。

連休初日の針の木大雪渓。針の木岳の頂上もついに見えずじまいの3日間でした。

まだ雪多い岩小屋岳北西尾根。天気良ければ剱立山も眼前に聳え立つんですが。

種池の水面をおおっていた昨冬の名残の雪氷もあとわずか。連休最後には消滅。

全部消えるのは8月に入ってからでしょうか。早くチングルマの大群落に会いたいですね。

ハイマツやシャクナゲの新芽もあざやかな種池平からの爺ヶ岳。

雨の中冷池山荘を出発。鹿島槍ヶ岳はずっと待っていますよ。また来てください。

冷池山荘からの雨にかすむ爺ヶ岳。まさに梅雨の真っ只中です。(7/17)

種池山荘前からの爺ヶ岳。連休中の数少ないシャッターチャンス。(7/16)

雪の消えたところからようやくチングルマとコバイケイソウの新芽が出始めました。

NO205  三連休は雨のスタートになりました

 2006/07/15

      連休初日は朝から雨降りになってしまいました。このあと、梅雨前線は東北南部から南下するので、明日にかけてもおおくは期待できない感じです。少しでも雨が上がって晴れ間がでてくれればうれしいんですが・・・・・・。

    今日の上の光景です。新越山荘周辺の雪もかなり少なくなってきました。注意して通行して下さい。


新越山荘と前庭

新越山荘の北側

雨に煙る種池山荘

今朝の新道「ガラバ」

NO204  柏原新道の雪も急ピッチで消えています。稜線の花ごよみも本格スタート。

 2006/07/12

    柏原新道に残る雪渓も例年8月初旬まで残る“ガラバ”の雪渓(小屋まであと30〜40分ぐらいの地点)とあと2箇所ほどになりました。ここへきての温度上昇や雨にも助けられ、また種池山荘スタッフがこまめにステップのカットおよび除雪作業に精を出してくれたおかげで予想より早くに雪渓の数が少なくなりました。今シーズンは例年と比較にならないぐらいに残雪多く、各地で滑落事故が発生しましたので、ようやく雪融けの先も見えてきた感じで少しほっとしてきているところです。残雪が多くお客様の出足もまことに鈍い感じの7月入りでしたが、海の日連休を前にしてこれでお客様の出足も好転していってほしいものです。

    爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳の頂上に近い稜線地帯では雪どけの早い地点からハクサンイチゲやミヤマダイコンソウ、気を付けなければ見過ごしてしまうコケモモやミネズオウといった背の低い花々がどんどんと咲き出しています。今週末の海の日3連休はご予約もふえてきましたのでなんとか梅雨の晴れ間がのぞいてほしいものです。雨降ればまだ肌寒いですのでカッパと着替えはしっかりとご用意の程お願いいたします。天気でも良ければ20度近くまで上がりますが寒い雨だと10度以下のときもまだあります。 最新の天気情報、特に北陸地方や新潟県の予報を参考に北アルプス北部の天気を予想して下さい。


種池山荘前の雪が消えればそこは一面のチングルマです。コバイケイソウは今年は咲かないと思うんですが・・・(7/11)

柏原新道の上部、“ガラバ”。だいぶ雪も減少。カットしていますので滑落に注意して通行。通常も落石、転落に注意。(7/11)

“ガラバ”を登ったところの雪渓ももう終わりです。6/22の通行オープンの際の長く続く雪の急斜面がうそのようです。

その上の雪渓もおしまい。これを越えて最後の“ジグザグ”を登れば種池山荘が待っています。あと一息。(7/11)

毎年周辺のチングルマのトップで咲く爺ヶ岳南峰直下の登山道脇のチングルマも咲き出しました(7/11)

ミネズオウ

ツガザクラ

ミヤマダイコンソウ

コケモモ

ハクサンイチゲ

NO203 種池山荘〜新越山荘〜針の木岳及び蓮華岳は“かくれた花街道”です。

 2006/07/11

    雪が早くに消えたところからどんどんといろいろな高山植物が咲き出してきています。ただし大きなお花畑になるようなところはまだ残雪に覆われており、見頃を迎えるのは平年より少し遅れて7月末頃になるのではないでしょうか。今夏はとにかく雪消えが遅いですのでその分お花のシーズンは相当に長くなるものと思われます。8月へ入ってからでもお盆過ぎまで十分に楽しめることでしょう。

    今回の題にも書きましたように種池山荘〜新越山荘〜針の木岳及び蓮華岳のコースは高山植物の種類がたいへん多くまた多様性に富んでいます。残雪が遅くまで残りちょっと湿っぽい地帯、ななかまどの樹林帯、信州側の雪庇の跡にできるお花畑、風の強い岩稜帯および砂礫地帯など地形も多様ですし、歩けば気がつきますが岩石の色や質も相当に違います。これらの要因によってお花も種類に富み長い期間にわたって楽しむことができます。

    時期や年によって当たり外れもありましょうが期待は裏切らないと思います。時間に余裕のある方はぜひとも蓮華岳まで足を延ばしてください。そこはコマクサ咲き乱れる別天地のはずです。また針の木大雪渓も遅くまで雪がありますので、8月下旬まで順次雪の消えたところでいろいろなお花が楽しめます。わたしも針の木方面は年に2回ぐらいしか行けませんが行く度に新たな高山植物との出合いのあるコースです。あと剱立山、黒部ダムの蒼い水面、深い黒部の峡谷も常に眼前、そして眼下に広がり、雄大なパノラマも魅力のひとつです。どんなお花が咲くかは来てのお楽しみです。今夏は新越山荘にお泊りになってぜひ歩かれてはいかがでしょうか。種池山荘の西側の棒小屋乗越(旧テント場付近)付近もまだまだ残雪多いですが雪の消えた端から下のようなお花がどんどんと咲き出しています。


シラネアオイ

ミヤマキンポウゲ

サンカヨウ

シナノキンバイ

キヌガサソウ

NO202  海の日連休もまもなく、皆さんの山行先はどちらでしょうか。

 2006/07/10

   台風3号に続いて4号も発生してしまい、毎週末台風や雨に見舞われてさんざんだった昨年の秋を思い出してしまいます。九州などの大雨に比べると北アルプスはこのところも比較的おだやかな感じで、梅雨も後半戦を迎えたんですが・・・・  前回の更新後も予想に反して割にお天気がよく先週末に鹿島槍ヶ岳へ登られた皆さんは最終日の日曜日こそ小雨模様になってしまいましたが十分に満足されて下山されて行きました。豊富な残雪におおわれた周囲の山々や、早く雪の消えたところから咲き出したいろいろな花々にみなさん心を奪われたことでしょう。次の週末はいよいよいきなりピークを迎えてしまう海の日3連休。梅雨明けはむずかしいにしても何とか台風4号の影響だけは出ないでほしいものです。梅雨の真っ最中、残雪も例年になく多いと言うことでご予約の入り方も今ひとつ少ない感じでしたが、そこはシーズン最初の3連休ということでここへ来てご予約も増えてきました。

   本当の意味でのシーズン最初の本格的入り込みを事故のないよう、無事迎えたいものです。昨年は海の日連休の最初に残念な事故が連続発生してしまいましたが、今季はぜひとも事故や遭難等がないように皆さんも体調管理等には十分に気を配っていただき山行に臨んでいただきたいものです。おりしも今日は富山県の防災ヘリコプターの救助訓練が新越山荘で行われました。長野県と富山県の防災および県警ヘリは私共にとってたいへん心強い味方ですが、ぜひとも出動回数が一回でも少なくなりますよう皆さん無理のない行動、安全な登山をお願いいたします。

   残雪につきましては柏原新道は最上部の毎年最後まで残る“ガラバ”雪渓を含め前後に6箇所ほどありますが、ここへきて雪融けのスピードは上がってきています。赤岩尾根は最上部に一箇所のトラバースがまだ残っています。いずれも山荘でスタッフがカットとしていますので注意してバランスよく通過すれば大丈夫です。新越山荘周辺の稜線上にもところどころに残雪がありますが注意すれば大丈夫です。針の木岳から針の木峠への下りのトラバースはまだ相当に雪が多いので心配な方は軽アイゼン等をぜひお持ちになって下さい。針の木雪渓については針の木小屋と大沢小屋で軽アイゼンをレンタルしていますのでお持ちにならない方はご利用ください。いずれにしましても小さな雪渓や残雪の上でも油断や不注意が大事故を招きます。事故のないいいシーズンにしたいものです。 

   今日も急激にお天気が回復して見事な梅雨の中晴れになりました。夏山トップシーズンを迎えんとするばかりの鹿島槍ヶ岳周辺の今日のカットをお楽しみください。


咲き出したシラネアオイと鹿島槍ヶ岳。(7/10)

冷池山荘テント場の先の登山道は雪の下。雪の山側を行く。(7/10)

冷池山荘よりの、緑したたる鹿島槍ヶ岳(7/10)

冷池テント場の先から見た左に蓮華岳と右に針の木岳。(7/10)

布引岳直下の布引平からの爺ヶ岳。(7/10)

スバリ岳ではコマクサが咲き出す、これから8月まで楽しめます。

新越山荘へ富山県防災ヘリが救助訓練で飛来。頼りにしています。(7/10)

先週末の黒部湖と五色ヶ原から薬師岳にかけて。残雪多くお花も遅れそうですね。

先週末の針の木岳。大雪渓の雪多し。こんな青空が連日ならいいですね(新越山荘より)

新越山荘の前もまだ雪の上を歩きます。山側を歩けば大丈夫。(7/10)

NO201  中休みも一日だけ、梅雨空にどっぷりとつかります。

 2006/07/05

   昨日の晴天がまぼろしだったかのように、今日は朝から再び雨降りです。 今度晴れ間が広がった時には山はどんな表情を見せてくれるか楽しみでなりません。とにかく今年は残雪が多いので例年以上に残雪と新緑のコントラストがひきたちます。景色を見ていても写真を撮っていても飽きるということがありません。鹿島槍ヶ岳、剱岳、立山・・・雄大でかっこいい山々にますます引き付けられてしまいます。

   もうひとつの魅力の高山植物は主稜線ではキジムシロやミヤマダイコンソウ、コケモモ、ミツバオウレン、イワカガミ早咲きのハクサンイチゲやキンポウゲ等も咲き出してきていますが、メインの大きなお花畑になる箇所はいずれもまだ厚い残雪の下で一番の見頃は8月に入ってからかも知れません。一方ウグイスの谷渡りも新鮮な柏原新道では林床にゴゼンタチバナ、マイズルソウ、イワカガミ、イワウチワ、ミツバオウレン、ヒメイチゲ等がどんどんと咲き出しています。皆さん楽しみにされている種池山荘前のチングルマのお花畑もまだ厚いところで3m近い残雪です。じきに雪の消えた端っこからちらほらと咲き出すと思われますが中心部が満開を迎えるのは相当先になりそうです。一昨年そして昨年と異例の2年連続の開花になったコバイケイソウですが、さすがに3年連続ってないですよね・・・  あったらかなりびっくりなことです。今週末は台風3号の北上によって天気も大きく変動しそうです。台風から流れこむ湿った空気が梅雨前線をあまり刺激しないでほしいものです。

   海の日連休まで10日余り、登山道整備や水場の設置など残雪の影響で遅れていた作業もようやく軌道に乗ったところです。夏山スタッフも連日のように上山するようになり、まさにシーズン本番もすぐそこにやってきた感じです。みなさんもぜひお越しくださるようお待ち申し上げます。


残雪模様も美しい爺ヶ岳。中央に種池山荘。(7/4)

岩小屋沢岳方面からの鹿島槍ヶ岳。(7/4)

7月とは思えない残雪たっぷりの立山東面。(7/4)

再び梅雨空へ。種池が水面を出すのもまだ先です。

山荘前のチングルマ畑もまだご覧の厚い雪の下です。

 

NO200  梅雨らしくなって、今日のような爽やかな中晴れがあるともう最高です。

 2006/07/04

     6月末日からいよいよ梅雨も本格化してきました。今日4日は5日ぶりの晴れ間が朝から広がりました。四日間続いた雨模様の天気で雪融けもだいぶ進んだんですが、まだまだ残雪の多い7月入りです。場所によっては赤岩尾根のように平年並みの雪融け状態までスピードが追いついたところもあります。赤岩尾根はいつも最後まで残る最上部の雪渓のトラバースが30mほど残るだけになりました。しかし全般的には沢筋や北側斜面を中心に例年にない残雪の量です。柏原新道も水平道から種池山荘までの間にはまだ大小10箇所ほどの雪渓があり2〜3日おきくらいで種池山荘スタッフが出て残雪をスコップでカットして少しでも安全に通行できるようにステップを切っています。まだまだ下山時を中心に要注意ですが、7/15からの海の日連休までには例年遅くまで残る“ガラバ”の雪渓ぐらいを残してかなり消えてくれるものと思っています。

   種池山荘〜爺ヶ岳〜冷池山荘〜鹿島槍ヶ岳の間の主稜線は種池平と冷池テント場先の布引平にまだ残雪が大きくありますが、残雪のてっぺんの平らな部分を歩行するので心配はありません。新越山荘方面も同様の残り方をしている箇所がありますので注意してください。針の木小屋から針の木岳の間の登山道もほとんど残雪の下です。もちろん針の木大雪渓の雪の量も近年になく多いです。今しばらくはアイゼン、ピッケル、ストック等を用意されて行くのが無難と思われます。

   いずれにしましても雪融けのスピードは平年より2〜4週間は遅れている感じですので7月前半の北アルプス登山は雪渓 および残雪上での滑落、転落等に十分にお気をつけてください。当然お花畑の見頃もかなり遅れていくものと思われます。


黒部をおおう雲海と残雪たっぷりの剱岳の夕暮れ。(新越山荘より)

残雪の山よりを気をつけて登行。新越山荘付近。

種池山荘の周りもまだご覧の雪の多さです。(7/4)

残雪が消えると大きなお花畑になる。奥に種池山荘と爺ヶ岳。

午後には黒部には珍しい雲海が横たわる。(7/4)

雪が消えればそこはチングルマの大お花畑。楽しみです。(7/4)

柏原新道の中間から見る種池平と柏原新道の最上部。(7/4)

夏の雰囲気をかもしだす沸き立つガスと岩小屋沢岳。

残雪と新緑と青空。とにかく白が目立つ今年の7月入りです。(7/4)

正面の針の木雪渓は残雪豊富で歩き応えがありそう。(7/4)