▲▲ 2007 / 3月 ▲▲

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NO284   二ヶ月ぶりにようやく “2度目の冬” 到来。

 2007/ 3/ 13(火)

    先日までの暖かさとは打って変わって3月7日頃から寒い日が続いています。全国的にもあちこちでまとまった雪が降ったところがあったようですね。長野県内でも小谷村や飯山方面では30センチ程の新雪が降ったようで、春休みを前に雪不足のスキー場にとっては恵みの雪になったようです。大町も昨日12日は、1/13以来じつに2ヶ月ぶりの真冬日になりました。真冬日とは皆さんお分かりかと思いますが、最高気温もマイナスの終日氷点下の日のことです。昨日は最低気温がマイナス4.8度、最高気温もマイナス1.1度の肌寒い日でした。雪も昨日は10センチほど積もり、ここ三日間では累計20センチほど積もりました。10センチ以上のまとまった雪も2/11以来と、一ヶ月ぶりのことでした。今冬はもう見ることも感じることもできないかと思っていた“冬” ですが、久々に実感できて妙に安心した次第です。

   ちなみに気象庁も今回の小寒波は読みきれていなかったということでしょうか。先般の第一回目のサクラの開花予想では、今日3/13は全国のトップを切っての静岡市でのサクラ開花を予想していましたが、みごと大はずれになってしまったようですね。ニュース等でも静岡の開花はまだ一週間近く先になりそうという見込みでした。明日には二回目のサクラの開花予想が気象庁から発表とか。今度はぜひ名誉挽回していただきたいものです。でもある意味はずれてよかったですよね。サクラは卒業式シーズンよりやはり4月の入学シーズンに咲いていてほしいものです。年々早まるサクラの開花ですがもうこれ以上は早まらないでほしいものです。第一回目の際の大町市のサクラ開花予想日は平年よりもやはり10日近く早い4/13でしたが、第二回目の予想ではどうなるでしょうか。そろそろ咲きだすかと思っていた我が家の梅のつぼみも堅くとじたままです。明朝はかなり冷え込みそうな気配です。 


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NO283   続編 ところで富山県氷見市と冷池山荘の共通点ってわかりますか。

 2007/ 3/ 9(金)

    これが即、わかった人がいたならかなりの日本語通、言語学者の 今は亡き金田一京助先生も真っ青ですね。共通点っていったい何なのでしょうか。ちなみに大町市と氷見市は姉妹都市なんですが、それは何も関係ありません。ところで冷池って、皆さんはなんと読まれますか。つめたいけ、つべたいけ、残念ながらまだまだ知名度が低いのか れいいけ、れいち、ひやいけ、ひえいけ 等々いろんな読まれ方をされます。そういえば ひやしいけ なんていうのもありましたが、正しくは “つめたいけ” か “つべたいけ” です。私どもとしてはここ10数年はパンフレット等では標準語的に“つめたいけ” の表記をしています。ただし大町の方言的には つめたい→→つべたい になりますので、それに合わせれば“つべたいけ” のほうが正解なのかもしれません。自分でも“つめたいけ” であったり“つべたいけ” であったりと、どちらでも使います。地方の時代を考えれば“つべたいけ” のほうがいいのかな? でも今の若い人たちはつべたいとかあんまり 言わないようだし・・・・

    こんなふうにバ行音とマ行音が用いられる言葉ってありますよね。例えばケブタイ(煙)とケムタイ、サブイ(寒)とサムイ 、ツベタイ(冷)とツメタイ といったように変化することが見受けられます。これを同段(同韻)通音というらしいんですが、同じようなのが“氷見” なんです。“ひみ” はその昔“ひび” とも“ひみ” とも呼ばれていたらしいんです。古い書物をひもとくと“日比” “比美” “氷見” 等々いろんな漢字があてられていたようです。そして時代を経て今は“氷見” に統一され たようです。こんな云われが2/4の中日新聞(東京新聞) の『地名に生きる』 というコーナーに紹介されていました。

    なんとなく冷池と氷見の共通点がおわかりになられたでしょうか。たまにはこんな話題も面白くありませんか。それともちょっと理屈っぽくって 退屈されてしまったでしょうか。NO282でも紹介した氷見の寒ブリはとても有名な冬の北陸を代表する美味ですが、その昔氷見ブリは塩漬けされて国境を越え飛騨へ運ばれ、そこからは呼び方も飛騨ブリに変わり野麦峠を越えて信州松本へと運ばれました。それはさらに安曇野、大町へ。南は伊那谷へと運ばれました。今でも大町や松本では一年納めの大晦日、松本平で言うところの“お年取り” には“年取り魚” と いってブリを食べます。(以前当H.P178でもそんな話題を書きました。) 海のない松本平の人間にとってはそれはそれは最大の贅沢だったのです。今もそういった歴史が脈脈と伝わり続けていることは本当にうれしいことです。ちなみに越後との交流が強かった長野市方面で食べる魚はサケです。山 が多く山によって隔てられた信州の各地はそれぞれ地域性も強く風俗風習も微妙な違いが今でも多く見受けられます。

    NO.282でも書きましたように今年は3月になっても時ならぬブリの豊漁が続いているそうですが、型は小ぶりで12月から1月にかけて獲れるいわゆる“寒ブリ” とは区別して“寒ブリ” の名称は使わないでいるそうです。この時ならぬ豊漁も今年の大暖冬と関係があるようならこれまた心配になってきます。富山湾はこのブリの大回遊やホタルイカ、埋没林、そして黒部川の冷たい水が流れ込むことによって起こる蜃気楼とか、いろいろと不思議なことや神秘的なことがたくさんあります。高岡市から氷見市にかけての海岸線から海越しに3000m級の立山や剱岳が眼前に聳え立つ秀景。こういった光景が日本で見られるのもここだけです。富山県いいところですよ。今日は長野県でなく富山県のセールスマン(どこかで最近よく聞くフレーズ・・・ 東国原・・・ ) になってしまいました。でも本当は私も一年の半分は富山県人なんです。長野富山県境に建つ私どもの3軒の山小屋のうち冷池山荘と新越山荘は行政的には富山県中新川郡立山町芦峅寺 (あしくらじ) なんですよ。これからも富山県のみなさんよろしくお願いいたします。


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NO282   北アルプス山小屋協会総会が富山県氷見市で開催されました。

 2007/ 3/ 8(木)

   恒例の北アルプス山小屋協会総会が、富山県氷見市にて3月5日に開かれました。事業報告や決算報告といったものの他に関係官庁からの連絡や山小屋からの要望、各山域の情勢報告、また数十年前から山小屋にとってはたいへん不満かつ納得のいかなかった、山小屋で発電に用いる軽油にかかる軽油引取税の免税化への取り組み等も報告されました。最近も、道路整備に用いるために つくられた軽油引取税等の道路特定財源を、一般予算にも流用すべきということで話題になりましたが、この軽油引取税は漁船やスキー場の圧雪車、ゴルフ場や広い農場内で使用する作業車等々一般道路を走らない作業車や機械に用いる軽油については免税化されているんです。当然のことながら山小屋で使う発電機も同様のものと思われるんですが、最初に認められなかったということだけでその後も門前払いになってきたものです。今後は何とか良い方向に改善され、軽油引取税で納めている金銭を太陽光発電や風力発電の整備といったものに振り替えていけたらなと思っております。総会のあとには専門家をお招きしての登山道整備の実例や 工法の勉強会も行われました。

   毎年いろいろな意見が飛び出し時間を忘れての議論白熱の総会ですが、当日の低気圧通過に伴う秒速31mの強風が吹き荒れ、富山県内各所で大型トラックが10台近く横転するといった大荒れの天候とは打って変わって今回はたいへん静かな総会でした。3月になっても時ならぬ大豊漁がつづき、氷見港でも連日2000〜3000匹もの水揚げが続く富山湾のブリ漁ですが、どうやら皆さん今回は総会での白熱より、懇親会での脂ののったブリのお刺身との遭遇のほうが待ち遠しかったのでしょうか?  懇親会は顔馴染の山小屋のオーナーばかりですので楽しい時間を過ごすことができました。同じような悩みや心配事を抱えている者同士ですので、おたがいに愚痴をこぼし合いながらも元気も出てくるといったものです。いつもこの時期、この総会が終わると4月下旬の入山へ向けて待機モード にオン、そして小屋開けへ臨戦態勢突入です。今年度事務局の立山山荘協同組合の皆さんにはたいへんお世話になりました。  


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NO281   前代未聞の2月中の農作業。冬来ぬまま“弥生” 三月へ。

 2007/ 3/  1(日)

  12月もあたたか、1月も温か、そして2月も暖か、いつ来るかいつ来るかと待ち続けた本格的な冬はついぞ来ぬまま、もう3月です。先日2月27日には、やれるなら早めにやってしまえとばかりに、田んぼをトラクターで起こしてしまいました。いつもなら4月に入ってから入山する前に慌しく行っていることです。例年ならまだ30センチ近い雪があったり、たとえ雪がなくても堅く凍っていて田起こしなんて考えられない時期です。最高気温が12度に上がった昼下がり、何の問題も無く終わらせてしまいました。ついでによく乾いていたので“畦焼き” もしてしまいました。“畦焼き” は田や畑の畦の枯れ草を焼いて中にいる害虫を駆除したり、畦の強度を増すためにも雑草の新芽が元気よくでてくるような環境にしてやる作業です。これも例年なら3月末頃の作業です。

  昨日も雪が降る予想でしたが、ほんとうにうっすらと白くしただけです。白馬方面でも2センチほどの積雪だけだったようです。今日は快復して北アルプスも新雪におおわれて姿を見せましたが、岳の上の降雪量も推して知るべしです。全体の積雪量も例年に比して相当に少ないように見てとれます。3月だって毎年かなりの降雪があるんですが、今年はどうなることでしょうか。また例年なら3月末から4月の10日ごろに開花する我が家の梅もかなりつぼみがふくらんできています。このまま行くとかなり早い開花になりそうです。ちなみに寒かった昨年は4月19日の開花でした。

   ふた月綴りのカレンダーには早くも4月末からのゴールデンウィークも登場してきました。小屋開け入山までも2ヶ月を切っており、これからは日日気ぜわしさも増しそうです。雪が多ければ、当然心配。一方雪が少なくても、何かと心配なことが多多思い浮かんでくる昨今です。


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