▲▲ 2007 / 7月 ▲▲

(ホーム) (山荘案内) (コース) (花地図) (最新情報) (今までの情報)

NO342  爽やかな大気に一日おおわれました。 

  2007/ 7/ 31(火)

   あっという間の7月でした。とにかく梅雨らしい梅雨の7月でしたが、“終わりよければすべて良し”、7月最終日の快晴をもって明日からの8月を迎えたいと思います。ようやく 、上空にすっきりと横たわる天の川を安心して仰ぎ見ることができます。


コマクサと人気を二分するチングルマ。種池平は来週にかけ見頃に。

よく見るととても可愛いヨツバシオガマ。下から咲き出す。

どのお客様も爽やかな表情で到着です。冷池山荘より爺ヶ岳。7/31

剱立山上空にも秋のような爽やかな青空が広がりました。7/31

ハクサンフウロと新越岳。中央にははるか鹿島槍ヶ岳。7/31

NO341  勝手に鹿島槍周辺の“梅雨明け宣言” させていただきます。(P.M1:00) 

  2007/ 7/ 31(火)

   昨日まで連日、日本海から流れ込んだ寒気も抜け去り、今日は早朝より最高の青空が広がっています。寒気が残したひんやりとした大気が肌寒いくらいの涼しい朝でした。長野地方気象台からの発表もない(お昼現在) ようなので、勝手に鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺の“梅雨明け宣言” をさせていただきます。この後は台風5号の北上が少々心配されますが、太平洋高気圧も東海上から張り出してくるようですので、台風も西寄りのコースを歩むのではないでしょうか。実際のところはもう少し様子を見なければなりませんが、今週末はいよいよ本格的な待ちに待った本物の夏が鹿島槍ヶ岳周辺にもやって来そうな感じです。期待を込めての予想です。  さあいよいよ明日からは8月入り!! 台風を押しやるぐらいの気合を入れて “登山力” 全開で頑張っていきたいものです。    写真は遅ればせながらも、ようやく本当の夏山へ突入? の新越山荘の今日午前中のものです。


新越山荘周辺のお花畑は遅れ気味でこれからが本番です。お客様の入り込みもこれからが本番。

コバイケイソウは盛りを過ぎようとしています。穂が枯れ穂になる頃には秋風が吹き出します。

山荘の今年のキーワードは“登山力”。雲海に浮かぶ針ノ木岳を見ているだけでも“登山力”を感じます。

緑のキャンバスに色々な色の花が咲き、青空に白いガスが流れさる。夏山の醍醐味の一つですね。

NO340   申し訳ございません。ご協力をお願いいたします。 

  2007/ 7/ 30(月)

   ようやくここへきてお客様の入り込みにも動きがでてきた感があります。先週末もいまひとつすっきりしない天気でしたが、ようやく定員に迫るようなお客様が三つの山荘にお越しくださいました。日曜日は朝の内や午後のいっときは晴れ間ものぞいたりしてそれなりに納得していただける時間もあったりして私どもとしましてもホッとしたところです。梅雨明けも間近に迫り、これからお盆明けまでようやくたくさんのお客様をお迎えできそうです。

   ところで私どもでは、今週末の8/4(土)が7月から8月のシーズン前半の、入り込みのピークになりそうな気配です。既に8/4(土)の冷池山荘のご予約数は定員を超えており、新たなご予約はお断りしております。これからご計画の方は他の時期へのご変更をお願いいたします。また8/1、8/3、8/5の種池山荘もかなり混み合いそうですので、冷池山荘利用 へご変更等ご配慮いただければ幸いです。今夏は富士山の山小屋での完全予約が新聞紙上等で話題になりましたが、お客様にもできるかぎり予約を入れていただいて、宿泊の分散化にご協力いただきますようお願いを申し上げます。


新越山荘にもようやく賑わいがやってくる。

雨の中、お花をもとめて、展望を期待して・・

ちょっと寂しげなコバイケイソウに見送られて。

7/29にはこんな瞬間も。元気がでてきますね。

みなさんまた遇いにきてくださいね。

NO339   うまくいけばようやく明日には梅雨明け宣言も!? 

  2007/ 7/ 30(月)

   そういえば長雨に苦しんだ昨年も本日7/30になってようやく北陸信越は梅雨明けしたんですね。2年続きの長梅雨の今年ですが、梅雨前線そのものはここへ来て雲散霧消しようとしています。ただ次から次へと日本海から寒気が入り込み大気が不安定な状態が先週末から続いているため梅雨明け宣言も出ない状況が続いています。鹿島槍ヶ岳周辺も7/28(土)から今日まではっきりしない、ぐずついた天気が続いています。海の日連休から始まってこの週末まで、なんと三週続けての雨模様の週末になってしまい、本当にがっかりの二年続きの“悪夢の7月”になってしまいました。今夜のNHKニュースの7時26分からの気象情報でもナカライさんはもう一言も梅雨のことも言ってくれません。でも別の民放の気象予報士はうまくいけば長野県も明日に は梅雨明け宣言が出るかもといったうれしいことを言ってくれました。どちらにしてもここ数日中には梅雨明けにもなりそうです。ただそのあとにはすぐ台風5号の北上も予想されるようでちょっと心配ですが、こんどの台風 5号は足がはやそうですので次の8/4の週末からは、いよいよ遅ればせながらも真夏の青空が広がってくれることでしょう。大いに期待したいものです。皆さんがいちばん楽しみにされている高山植物の開花も長梅雨、日照不足、低温傾向で遅れ気味になっていますので、これからがまさに本番になります。お盆過ぎまで十分に楽しめますので、そんなにあせることはありません。ご安心を。


茶色い箇所はこれから芽を出すところ。まだまだ開花は先。新越乗越

盛夏の代表ともいえるクルマユリもちらほら咲き出す。

こちらも盛夏のお花。けな気で可憐なハクサンフウロは人気。

ミヤマキンポウゲの群落が広がる棒小屋乗越。

登山道の両脇のチングルマはすっかり緑に。開花はこれから。

NO338   早くしないと8月に! 梅雨明けを思わせる再びの夏空到来。 

  2007/ 7/ 27(金)

   一昨日の午後から昨日にかけては、西からのびてきた梅雨前線が本州中部を南下したため鹿島槍ヶ岳周辺もあいにくの雨模様になってしまいましたが、本日は朝からぬけるような真っ青な夏空が広がっています。梅雨前線は関東沖合いにもう少し停滞するようですが活動はかなり弱まってきているようですので、梅雨明けもまもなくと思われます。今週末もそんなに大きな天候の崩れはないのではないでしょうか。待ちに待った入道雲沸き立つ、暑い夏ももうすぐそこまでやって来ているようです。これからは日焼け、脱水症、雷雨等々に対する夏特有の対策が必要になってきますので、日除け、飲料水の摂取、早出早着等には十分過ぎるくらいの配慮をお願いいたします。 今朝の最低気温は8℃、日中の最高気温は22℃ぐらいまで上がるでしょう。下界とはやはり温度上では隔絶の感がありますが、太陽の日差しは相当に強いですのでお気をつけください。写真は今朝7/27(金)の冷池山荘と新越山荘からのものです。


青々とした木々、蒼い山、青い空、夏到来。

冷池山荘からの信越県境の山々。雲海も夏。

夏空に黄色い道標が映える朝。待ってました。

新越山荘前のコバイケイソウと針ノ木岳。

立山が大きい。いよいよ夏本番へ。新越山荘。7/27

NO337   やっぱりまだですかね?

  2007/ 7/ 24(火)

   昨日の九州北部、中国、四国地方 に続いて今日は近畿地方が梅雨明けになりました。絶好の夏山日和に恵まれた今日の北アルプスでしたが、北陸地方も長野県もまだ梅雨明け宣言は出ませんでした。しかし、まあ一歩前進というところでしょうか。明日以降また西から梅雨前線が伸びてくるようですが、その勢いも一時の威力はないようで、少しパラパラすることはあっても大きな崩れはないのではないでしょうか。どちらにしても梅雨明けもまもなくでしょう。産みの苦しみといったところでしょうか。

   今日はひと夏のあいだにもそうそうに無いような、終日まったくガスも沸き立たない、無風快晴の一日でした。ようやく動き出した感のあるお客様の入り込みにあわせてスタッフも連日のようにひとり二人と入山を果たし、ようやく陣容も整って来て、気合も入ってきました。今週末は27日(金)の種池山荘と28日(土)の冷池山荘はすでに定員近いご予約をいただいております。また来週末の8月4日(土)の冷池山荘も同様です。かなり込み合うと思われますので、これからご計画の方は他の日への振り替えにご協力お願いいたします。


梅雨明けを思わせる朝ですが・・・ まだのようです。

緑も夏の緑に変わってきました。鹿島槍ヶ岳。

梅雨明け十日はまだとのこと。梅雨明けを信じたかった一日。

冷池山荘7月スタッフ。久しぶりの最高の朝に全員集合。

新越山荘スタッフは最高のおやつタイム。

百名山完登の小川様を新越山荘スタッフでお祝い。

ミヤマダイコンソウと剱立山。最高の青空でした。

まだまだハクサンイチゲ咲き誇る新越岳にて。正面針ノ木雪渓。

NO336   久しぶりの夕焼けの向こうに見えたもの。

  2007/ 7/ 23(月)

   九州北部、中国、四国地方で梅雨明け宣言がようやく出された今日も、鹿島槍ヶ岳周辺は終日濃いガスにおおわれ、霧雨模様でした。何とか明日こそは・・・・ と思っていた夕方遅くに、見る見るうちにガスが消え去り周囲の山々が姿をあらわしました。梅雨明け間近を期待して、霧雨の中を登ってこられたお客様も全員展望台へ飛び出して、思わぬ展開に拍手喝采です。剱立山方面は久しぶりにうっすらと赤く染まり、夕焼けの向こうには梅雨明けの四文字を見てとることができました。関東、中部地方の梅雨明けはもうしばらくかかりそうですが、そう遠くはないことを期待しましょう。さしずめ明日はお花に囲まれての絶好の縦走日和になりそうです。写真は本日夕方の新越山荘と冷池山荘のものです。


新越山荘の食堂から。雲海に浮かぶ剱岳。皆さん食事もそこそこに外へ飛び出す。

新越山荘今季初の30人超のお客様も大感激。針ノ木頂上の残雪もわずかに。

冷池山荘からの立山連峰も波静かなる雲海に横たわる。

ガスの中から突然現れた種池山荘と針ノ木岳。

爺ヶ岳もすっきり。お客様も明日のお天気を期待しつつ安心して眠りにつく。

NO335  梅雨明けを期待しつつ、さらにもう一回仕切り直しへ。

  2007/ 7/ 22(日)

   残念ながらこの週末も期待通りの天候にはなれませんでした。土曜日曜ともに雨が降ったりやんだりのあいにくのお天気でした。ただし適当に視界の利く時間もあったりで、雨の中頑張って登ってこられた皆さんもそれなりには納得されたのではないでしょうか。何といっても梅雨真っ最中ですから。次回は是非好天に恵まれますように。   皆さんおつかれさまでした。

   その梅雨もうまくいけば明日にも近畿以西では梅雨明けになるかもしれないという、うれしいニュースが今夜の気象情報の中でも流れていました。さらにさらにうまくいけば本州中部でも週の中ほどには梅雨明けになるかもという情報も昨日のラジオで気象予報士が解説されていました。大いに期待したいものです。私の感覚では北アルプスの平年の梅雨明けは7月23日、24日あたりと思っていますので、今のところ今年が特に遅いと言う訳ではないのですが、今年の梅雨どきがあまりに梅雨らしかったのと、お客様の出足がたいへん少ないので、ものすごく長い梅雨に感じてしまっています。きっと私だけでなくどなたも同じかと思います。お客様も同様でしょうね。とにかく今週は天気予報から目が離せません。

   梅雨空続きで温度も低め、お花の咲き具合もちょっと遅めになっている感じがします。大きなお花畑の見頃はまだまだ先になり、8月へ入ってからピークを迎えることでしょう。2年ぶりに開花のコバイケイソウは今季はまあまあそれなりにお花をつけています。大開花は来年乞うご期待です。でも今は来年のことよりも明日の天気、今週の天気、次週末の天気ですね。もう次週末は7月最後の週末、信じられないスピードです。


種池山荘前の雪も消えました。これからチングルマがどんどん咲き出します。

棒小屋乗越の雪ももう少し。立山連峰の残雪はまだたっぷりですね。(7/20)

なかなか種池山荘前庭も、にぎわうようなお天気になりません。(7/20)

中ほど上の茶色っぽい所は雪が消えて数日の所。チングルマはまだ先。

幸い雨も上がり、新越山荘を針ノ木岳へと向かう。(7/22)

コバイケイソウと元気なスタッフがお迎えする新越山荘。残雪もわずか(7/22)

NO334  梅雨の合い間の稜線好日。

  2007/ 7/ 19(木)

   昨日の朝のうちと今日の日中は久しぶりに青空が広がり、本当の夏も近しを思わせました。昨日はまったく何も見えない濃いガスの中を登ってきた地元の松川中学校と美麻中学校の生徒さんたちも今朝のほんとうに 素晴らしい光景には大感激でした。中学生の感嘆、感激、感動の歓声を聞いていると私たちスタッフも元気が湧いてくるようです。アウトドアの活動を今ひとつ敬遠気味の昨今の中学生にとっても、思わぬ好天に恵まれ北アルプスの山麓に住んでいてもなかなか味わうことのできない感動を得られた今日のことは一生忘れることはないでしょう。長い時間準備を重ね、昨日は何も見えない中をもくもくと上がってきた甲斐があったからこそ、今日の歓びがあったことを皆さん理解されたことと思います。中学生に限らず一般の登山者の皆さんもお気持ちは一緒ですね。自分の力で登った人だけが、得られる登山の歓び、楽しみ、やっぱり山はいいですね。

   写真は今日休暇で鹿島槍ヶ岳まで往復してきた新越山荘スタッフが撮ったものです。私たちスタッフにとっても天候に恵まれた大展望、そして沿道のどんどん咲き出す花々には勇気づけられます。お客様のキャンセルも相次ぎ、どっぷりの梅雨空続きに天気同様、少々湿っぽかった感じの小屋の中も、スタッフも活気づけられました。ここへ来てお客様もようやく動き出した感じがあります。今週末の天気予報もどうも今ひとつの感じになってし まったのはたいへん残念ですが、梅雨明けまでは絶対にあとわずかのはず。もう、すぐそこまで夏の大気がやってきているはずです。 ガンバレ、太平洋高気圧!


夏近しを思わせる“ブロッケンの妖怪”。右後方に立山。

中央に残雪たっぷりの針ノ木大雪渓。雪渓歩きを満喫できます。(7/19)

眼下に雲のじゅうたんがどこまでも続く。鹿島槍ヶ岳頂上にて。(7/19)

チングルマとコイワカガミ。白色とピンクの組み合わせっていいですよね。

岩小屋沢岳南峰(新越岳と呼びましょう)のミヤマダイコンソウとコイワカガミ。

岩小屋沢岳付近はなだらかな稜線歩きが続く。剱立山の展望が最高。

何杯おかわりしましたか。頑張って登って、皆で食べるとおいしいね。

展望に花に雪に・・・・思い出を胸に下山。家族の皆さんにも思い出を伝えたかな。

NO333  夏の青空が恋しい。そしてもう一つ。

  2007/ 7/ 18(水)

   今年の梅雨はほんとうに梅雨らしい梅雨というイメージです。青空が、真夏のさんさんと輝く太陽が心底待たれる最近の空模様です。太陽に向かって咲くヒマワリにどこか少し似ているウサギギクにはこれ以上の雨は似合いません。お客様の受け入れ態勢も整った今、欲しいのは残雪の輝きがさらに増すような降りそそぐ太陽とそしてもう一つ、やはりお客様の出足でしょうか。いろいろな準備も万端、スタッフにとっては少々手持ち無沙汰の今、たくさんのお客様の来訪と夏の賑わいが心から待たれる今日この頃です。

     残雪は鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺はもう心配の必要はありません。新越山荘から針ノ木岳方面縦走の際はまだ針ノ木岳から針ノ木小屋の間に50mほどの雪渓の通過があります。また針ノ木大雪渓については最上部では夏道も現れてきていますが、夏の醍醐味とも言うべき雪渓歩きが長く続きます。いずれも気をつけて通過すれば大丈夫ですが、心配な方は軽アイゼン等ご持参いただければと思います。

    また予約状況ですが、7/28(土)の週末がかなり込み合いそうです。今度の7/21(土)の週末は今のところはどの小屋も定員の半分以下の予約状況です。とにもかくにもお天気次第ですね。それと先般の海の日3連休はほぼ全員の方がキャンセルされたのですが、その皆さんがこれからどこへ日程を入れられるかによっても変わってきそうです。 早く梅雨明けして夏の空が広がるように期待も込めて当ページの外枠の色も今日から青色に変えてみました. 


大工さんに上がってもらいあちこち修理して頂きました。

ロフトへの階段に手すりを付けました。

6月に落雷でこわれた道標を仮復旧しました。

ヘリレスキューの訓練をする時間もたっぷり。

遭対協の常駐隊の方々は心強い存在です。

 

山荘の本棚にマンガ“三丁目の夕日”シリーズを入れました。

NO332  台風地震ともに影響はありません。

  2007/ 7/ 17(火)

   台風4号の影響で大荒れだった海の日3連休、台風も去ってひと安心と思った矢先の中越沖地震の発生と“災害列島” 日本と言えども驚きです。被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。幸い鹿島槍ヶ岳周辺は大雨による被害等はありませんでした。また地震の被害が長野県にもまたがったので、ご心配いただいた方もおられるようですが、こちらもまったく影響はありません。NO.331でも少し書きましたが昨年の同時期にも長野県岡谷市で梅雨末期の大雨で土石流が発生して大きな被害が出ました。このときも長野県全体が大雨で大きな被害が出ているように思われ、その後も7月いっぱい客足が戻らなかったということがありましたが、今回も皆さんには勘違いや誤認等なきようお願いを申し上げます。鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は雪融けも順調に進み、残雪への心配はほとんどありません。高山植物の開花も日に日に進んでいます。台風4号をはさんでどっぷりと梅雨空が1週間以上続きましたが、そろそろ天気も変わり目でしょうか。今週末にかけては週間予報でもお日様マークが多くなり梅雨前線の活動も弱まるようですので大いに期待したいものです。 そしてそろそろ梅雨明け近しの話題も聞こえてきてほしいものです。


鹿島槍周辺もコバイケイソウが咲き出しています。

雪消えの早い所から、お花畑が作られていく。

布引平の雪が消えるとアオノツガザクラが咲き出す

新越山荘の雪もあとわずか。お客様お待ちしています

新越山荘周辺のコイワカガミは見納めの頃に

NO331  嵐の前の静けさでしょうか。

  2007/ 7/ 13(金)

   台風4号の日本上陸の可能性も高まり、3連休前夜とは思えないお客様の入り込みです。というよりも、まったく動きのない一日といったほうが正解でしょうか。お天気は以外によく、雨もあたらない静かな今日一日だっただけに、明日以降の天候が本当に心配です。とにかく大きな被害をもたらすことなく、一時間も早く台風には立ち去ってほしいものです。昨シーズンの悪天候続 きだった7月が未だに頭の片隅にこびりついているので、出鼻をくじかれた感じの今シーズンも少々心配になってきます。3連休のご予約もすっかり少なくなってしまいましたが、皆さん決して無理な行動はなさらないでいただきたいものです。私どもも来週以降仕切りなおしになりそうです。

   NO.330でも書きましたが、昨年はまったく一輪も花をつけなかったコバイケイソウがいよいよ咲き出しました。種池山荘の前でもあっという間に白い穂に似た花が開花しました。結構楽しめそうな気配です。7月末ごろまで十分に堪能できそうです。また今年はハクサンイチゲが大開花しており、当たり年になっています。過去にないような花のつけ方をしており、布引岳から鹿島槍ヶ岳にかけての西斜面では白い清楚な花が一面に広がり、時間の経つのも忘れて立ちつくすほどです。来週中は楽しめそうです。この後もいろいろなお花、あちこちのお花畑で、夏の花、そして秋の花と短いシーズンを謳歌せんとばかりに咲き誇ってくれるものと思います。 変わったところではギンリョウソウというムーミンの世界に出てきそうな、全身真っ白な花がやはり当たり年なのかな? 今までの感覚で行けば数年に一度ぐらいしか見たことがないんですが、今年は今までに見た総トータル数以上に出合った感があります。といってもそんなにたくさんの数、咲く花ではありません。よほど気をつけて足元を見ていなければ見つけることはないようなお花です。高山植物は8月上旬にかけてが見頃になりますので、まだまだ時間はありますのでご安心くださいませ。


種池山荘西方の残雪消えれば大きなお花畑に変身。

岩小屋沢岳北方の残雪も残りわずか。スタッフがカット作業。

これは珍しい白花のショウジョウバカマ。

サンカヨウは地味な花だが、透きとおるような可憐さ。

種池山荘西方のお花畑では、お花畑の顔ともいえるシナノキンバイ。

布引岳から鹿島槍ヶ岳間のハクサンイチゲの大群落は見事の一言。

ハクサンイチゲに時間を忘れ夢中に。恋をする瞬間。

鹿島槍ヶ岳の布引平でも咲き出したコバイケイソウ。

スバリ岳、針ノ木岳方面。低い所が針ノ木峠。雪融け順調に推移する。

2年ぶりのご対面。台風にも負けずどんどん咲き出すコバイケイソウ。

NO330  お花の見所は7月下旬にかけて“お花畑”へと移ります。

  2007/ 7/ 11(水)

   柏原新道や赤岩尾根などの登山道の沿道は林床のお花を中心にどんどんと咲き出しています。また主稜線でも風衝 帯のイワウメやコケモモ、ウラシマツツジなどの小低木やミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ等が先を争うかのように咲き誇っています。この後は残雪が遅くまで残るような場所が雪融けとともに次第次第に大きなお花畑をつくって行き、シナノキンバイやミヤマキンポウゲ、ハクサンフウロ、ウサギギク、クルマユリ、チングルマ等々の典型的なお花畑になります。また昨年は見事なまでにまったく、一輪たりとも花をつけなかったコバイケイソウでしたが、今年はどうやら開花しそうです。スタッフが休暇の際に咲き出した白い穂を見つけています。どのぐらいの当たり年になるかは想像もつきませんが、二年前、三年前と連続した大開花の再現を期待したいところです。


種池はまだ厚い雪氷の下。

冷池山荘の残雪もこれが最後。ナナカマドの新緑。

冷池の周りはミヤマキンバイが満開。

稜線ではミネザクラとナナカマドの新緑が競演。

小屋の軒下に咲くミヤマキンポウゲ。

種池山荘前のコバイケイソウの開花も間近か。

イワハゼは赤い実をつけ、別名アカモノとも。

ミヤマダイコンソウも早く咲き出す花。

ツガザクラなどの小低木は盛りです。

オオカメノキは落花盛ん。秋の紅葉が楽しみ。

ウラジロヨウラクでしょうか。

うっかり見過ごしてしまいそうなヨツバシオガマ。

NO329  柏原新道の残雪も2ヶ所の横断だけになりました。

  2007/ 7/ 11(水)

   長野県警情報では、北アルプスの主稜線では例年以上に残雪が多いところもあるようですが、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳周辺は順調に消えています。周辺の登山道では赤岩尾根は最上部の雪渓も消えて、残雪はありません。柏原新道については、例年最後まで残る“ガラ場” の雪渓と、水平道とガラ場の真ん中あたりの“アザミ沢”(今まで名前がありませんでしたので、今度からこう呼んでいきます。)に少し残るだけになりました。主稜線では 鹿島槍ヶ岳までの間には冷池山荘テント場北方にわずかと種池平にあるだけです。いずれも平らなところですので軽アイゼン等も必要ありません。また種池山荘から岩小屋沢岳にかけて数ヶ所、新越山荘の前後に数ヶ所残っていますが、これも注意して通行すれば問題はありません。ただ針ノ木岳から針ノ木小屋の間 にもう少しと、針ノ木大雪渓にはまだ残雪多いので、新越山荘から針ノ木方面へ縦走する際は雪のある場所が下りコースになりますから、心配な方は今しばらく軽アイゼン等があったほうが心強いでしょう。いずれにしましてもほぼ平年並の残雪量と思われます。写真は柏原新道の現況です。


石畳の上部ではまだミネザクラが咲いていますが、もはや夏の領域です。

“石ベンチ”付近も雪が消え夏の花が咲き出す。

“ガラ場”の全景。雪渓はあと二週間ぐらいで消えるしょう。

ガラ場下部。落石と滑落に気をつけ、下りは特に足元滑らぬよう注意して通過。

残雪のカット作業に苦労した富士見坂も、雪は既になく夏の様相。

種池山荘直下も雪が消え、コバイケイソウやチングルマがどんどん芽を出す。

NO328  先週末の貴重な晴れ間も、再びの梅雨空へ。

  2007/ 7/ 11(水)

   先週後半から週明けの7/9(月)までは比較的安定した天候が続いた鹿島槍ヶ岳周辺でしたが、7/10(火)からはいよいよ梅雨も真打登場とばかりに、どっぷりの梅雨空へと変わりました。梅雨前線が停滞する九州地方では大雨になり梅雨末期の集中豪雨の様相を呈しておりますが、北アルプスも今後の梅雨終盤の雨の降り方が心配になってくる時期です。おりしも今週末は海の日3連休になりますが、梅雨前線の活発化と、さらには台風4号の北上も相まって、好天を期待するのはなかなかきびしいのが現状でしょうか。今後の気象情報や台風情報からは目が離せません ね。各人で的確なご判断をお願い申し上げます。

   それにしましても、7月第三週の月曜日が“海の日”という、ハッピーマンデーという決まりはどうもいただけません。梅雨の真っ最中になる確率が多いような気がしてなりません。成人の日も体育の日もどうしても未だになじめません。以前にも書きましたが、普段より一週間早い感じの今年の海の日連休ですので、だいたいがご予約は少なめの感じでしたが、このところの梅雨前線の活発化と台風4号の北上の影響で、ご予約はまったく増えていません。今は天候の安定を期待し、願うばかりです。

   なお来週は種池山荘で地元の中学校の集団登山があります。17日、18日、19日と3日間、連日 元気な中学生150人前後の宿泊で込み合います。一般の皆さんで種池山荘へのご宿泊を予定されている方は、ご了承いただくとともに、可能でしたら冷池山荘まで足をのばしていただけたなら幸いであります。冷池山荘のほうには中学校登山はありませんし、一般予約もほとんど入っておりませんのでゆっくりと休んでいただけます。また柏原新道を往復する日程ですので、17,18,19,20日と柏原新道上で生徒さんたちとすれ違う場面もあるかと思いますがご配慮いただければ幸いです。また再来週にも23、24、25日に種池山荘(柏原新道を往復するコース。約100人。)、24、25日には冷池山荘(赤岩尾根を登って柏原新道を下山。約150人。) に同様の学校登山があります。

   先週後半の好天の中、夏山シーズン入り直前の本格的なヘリ荷上げを行うことができました。今回は天気に恵まれず、6月26日から始まった25トンほどの物資の輸送がすべて完了するのに11日間もかかってしまい、天候等に大きく左右されるヘリ輸送の難しさを痛感いたしました。ヘリ会社の皆さんには辛抱強く対応をしていただきありがとうございました。無事に上がった生ビールがおいしく飲める本当の夏空が早く広がってほしいものです。


こんな晴天がいつも続いてくれたら最高なんですが・・・

いよいよ夏特有の信州側のガスが沸き立ち始めました。

岩小屋沢岳から鳴沢岳稜線は少し残雪があり。

NO327  隠れた“花街道”にも日増しに夏の気配が・・・・

  2007/ 7/ 4(水)

   けっこう雨の多い梅雨らしい梅雨になってきたというのが実感のこの頃です。今日も朝のうちは稜線はまあまあのお天気でしたが、お昼前からは雨降りになり夕方にかけてはどしゃ降りです。雨の力も借りて、雪融けが進むのと同時に、高山植物の数々も短い夏山シーズンに乗り遅れまいと花暦を一枚一枚めくり始めています。数日間歩かないと登山道の沿線もまったく表情が違ってしまいます。先日新越山荘の小屋開けで種池山荘から移動した時にはまだ残雪も多く、お花もほとんど咲いていませんでしたが、今朝の同コースはもうまったく違う雰囲気をかもしだしています。新越山荘から種池山荘間ではハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、コイワカガミ、シラネアオイ、サンカヨウ、キヌガサソウ、キバナシャクナゲなどがどんどん咲き出し、すでに見頃の感の場所さえあります。きっとスバリ岳のコマクサも早咲きのものはもう開花していることでしょう。種池山荘〜新越山荘〜針ノ木小屋の主稜線はお花の種類も多い隠れた“花街道”です。今年も9月初めまで楽しませてもらえるはずです。

   昨日は新越山荘にも今季初のお客様がお見えになりました。お客様のお話では針ノ木小屋から針ノ木岳頂上間の残雪上には針ノ木小屋のスタッフがカットしてくれたトレースがついていて助かったそうです。でも雨が降ったりするとカットした道もだれてしまいますので、もうしばらくは軽アイゼン等は持参したほうが安心なようです。初のお客様もお見えになって、新越山荘スタッフも小屋開け作業とは違う新たな緊張感を持って、本当の意味で今季のスタートをきることができました。天候不順でキャンセル続きの昨年でしたが今年こそ千客万来の良いシーズンになりますように。    写真は今朝の新越山荘から種池山荘間です。


今朝の新越山荘と鳴沢岳から針ノ木岳稜線の表情。(7/4)

ハクサンイチゲにコイワカガミ。ミヤマキンバイも。

岩小屋沢岳からの鹿島槍ヶ岳。(7/4)

爺ヶ岳の中間帯に柏原新道が見える。雪もほぼなくなりました。

衣笠台ではキヌガサソウやサンカヨウが咲きほこります。

シラネアオイは今年もたくさんの花をつけてくれました。(7/4)

NO326  梅雨本番に雪消え加速。シーズンインへ準備も加速。

  2007/ 7/ 2(月)

   海の日三連休まで12日余り。私どもの三つの小屋でも雪融けを待って、水場からのポンプアップの設備の設置作業。登山道の補修や各種点検、小屋の内外の補修や新しい取り組みへの対応やらで大あらわです。ヘリの荷上げもようやく再開されましたが、荷上げ日が天候に恵まれずなかなかたいへんです。また7月 、8月の女性の夏山スタッフが思うように集まらずこちらも苦闘中です。冒頭に書いたように海の日三連休まで12日余りになり、気ばかり焦ってしまいますが、スタッフは経験者が多いのが救いです。皆がんばってくれています。そんなスタッフの息抜きはやはり山を見ること、お花を見ること、休みに山を歩くことでしょうか。先日新越山荘スタッフの I さんが楽しい発見をしました。昔からウチでは白馬連峰の天狗の大下りあたりに、“山” という漢字に似た雪形が現れることは知られているんですが、今年はさらにななめ左上に “三” という漢字が現れていることに I さんが気づいたのです。白馬連峰に現れる “三山” 、文字通り “白馬三山” ですね。下の写真でみなさんもご確認ください。どなた様もおわかりになっていただけたものと確信しております。天気のいい日には外でお茶を飲みながら、こんな会話で盛り上がっています。海の日連休まではほとんどお客様もいらっしゃいませんが、海の日連休とともにいきなりのトップシーズン入り、いきなりのアクセル全開に今年もなりそうです。からだに気をつけて全スタッフ楽しく張り切って、長いシーズンを乗り切 って参ります。


毛筆のような立派な書体でしょ。“三山”の雪形。まん中のとがったピークが白馬岳頂上。

新越山荘前は夏道がどんどんと姿を現わしてきています。開花もまもなくです。(7/1)

針ノ木大雪渓の残雪量は平年よりも気持ち少なめでしょうか。(7/1)