▲▲ 2010 / 10月 ▲▲

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NO 820  天空燃ゆる烏帽子岳 。

2010  10/ 30(土) 

  昨日は道直しを終わって自宅へ帰ってきて道具をしまっていると、見る見るうちに西の空が赤く染まりだす。あっという間の出来事でした。家の中や会社の中に居た人は気が付かないままの方も多かったのでは・・・  今秋は岳の上でもここまで天を焦がすような夕焼けはなかったように思います。 ほんとうは岳の上で見られたらもっとうれしかったでしょうにね・・・・  台風14号の接近の中、台風の置き土産ならぬ事前の贈り物でしょうか? 道直しの疲れをも忘れさせてくれる壮麗な夕焼けでした。

  案の定今日は台風14号の接近で太平洋側は大荒れになってしまいましたね。 ただ大町は影響はまったくなくごく普通の弱い雨降りの一日といった感じでした。夕方雨雲の切れた瞬間鹿島槍ヶ岳以北も見えましたが、岳の上も今日は雨降りだったようで雪にはなっていませんでした。ただ鹿島槍ヶ岳以北は先日の雪が谷筋を中心にまだしっかりと残っているのが見られました。吹き溜まりなんかは結構な積雪になっているかもしれませんね。どちらにしましてももう北アルプス登山には冬の備えが必要な季節です。

NO 819  今年最後の道直し。

2010  10/ 29(金) 

   柏原新道 最下部の道直しへ、冷池山荘支配人のM君と二人で出かけてきました。登山道整備は登山者が歩きやすいように補修することはもちろん、登山道が壊れないように、大雨の際に水道(みずみち)になって掘割になってしまわないようにするのが大事です。今日も一日かけて 『やりゃあ、やっただけのことはある!』 を合言葉に、数ヶ所の路面整備、石段作り等をやってきました。このあと雨が降れば表面の泥や小石は流れ、流れた泥や小石は石段の隙間を埋めていきます。ひと冬も置けば春先の残雪の圧力に押されてしっかりと据わってくれます。

  道直しは力仕事で重労働、危険も伴いますが、ウチの男衆にとっては大好きな外仕事のひとつで、毎年シーズン最盛期をはずした春と秋を中心に作業に当たります。ただ柏原新道、赤岩尾根、鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳〜赤沢岳と守備範囲も広く整備にはこれまた一朝一夕には参りませんが、来季以降もがんばってやっていきたいものです。今年の道直しはこれにて終了、まあまあのお天気の一日でしたが柏原新道を上り下りする登山者も皆無、長く続いた登山口周辺の紅葉も落葉盛んで、シーズンの終わりを告げているかのようです。昨日の雪はかなり消えたものの、もう2、3回も降雪あれば根雪になっていくことでしょう。まもなく柏原新道も冬の眠りにつきます。

下の中段写真の工事中の様子。地石の使い方、並べ方上手くなりました。

道直しの“三種の神器”はツルハシ、バール、大ハンマー。ほかにも色々な道具の力を借ります。

整備前  地石が浮き始め、放って置けば取れて、いずれは水道になって掘れていってしまう。→→→

→→→ 整備後  浮き始めた石を取り、深く掘りなおして階段状に埋めなおす。

先のとがったストック、トレイルラン・・・・  登山道に優しい歩き方をお願いいたします。

60キログラムぐらいの大石を据えると道がしっかりと締まります。

NO 818  鹿島槍ヶ岳 初冠雪。

2010  10/ 27(水) 

 昨日からの雪は標高900mぐらいまで白くしました。大町市内や郊外は昨夜一時的に風花が舞っての初雪といったところで、積雪にはなりませんでした。大町は朝から晴れたものの、中間に雲が入ったりで初冠雪の北アルプス稜線はほとんど見ることができません。そんな中 、中間雲が少し切れた瞬間に見えた鹿島槍ヶ岳は全山白銀におおわれて真っ白でした。朝方の鹿島槍ヶ岳主稜線の降雪は15センチぐらいはあるように見えました。その後も日中は厚い中間雲のため、のぞむことができなかった北アルプスですが、夕方近くにはほぼ全山が姿を見せ、山麓の紅葉との見事な対比を見せてくれました。ただしこのお天気も今日一日だけとか、このあとは雨の日が多そうですが、岳は雨の日より雪の日になる確立がどんどん高くなっていくことでしょうね。

朝方中間に横たわる雲が切れた一瞬。鹿島槍ヶ岳初冠雪。(10/27)

岳は冠雪、里の秋も駆け足で深まります。

今回の初雪は標高900mぐらいが雪線です。

夕方近くには日中の厚い雲もとれて、後立山連峰がようやく姿を見せてくれました。(10/27)

早い年は10月中の雪が、根雪になるような年もありますが・・・・  とにかく一歩冬が近づきました。

NO 817  大町も夜には雪がチラチラ。

2010  10/ 26(火) 

   柏原新道登山口にある駐車スペースの転落防止のための車留め石や枕木の撤去作業をしました。来春の除雪作業に支障のないよう、除雪した雪といっしょに下へ落とされないようにするためです。山小屋の開設同様に、6月に設置して、もう撤収かという感じです。

  今日は北海道や青森では平地でも各地で初雪が観測されましたが、北アルプスも雪模様です。扇沢バスターミナルでは、午後遅くには駐車車輌の屋根がうっすらと白くなりだし、周辺の山肌も白くなりだしました。夜には大町の我が家でも初雪がチラチラしています。

人気の高瀬渓谷の紅葉。大町郊外の大町ダム周辺がまもなく絶頂期を迎えそうです。(10/26)

後方の柏原新道“ケルン”辺りも白くなる。

針ノ木岳方面も雪雲の中。

NO 816  シーズン終了間近の涸沢にも静けさが漂う 。

2010  10/ 25(月) 

   昨日は涸沢へ行ってきました。小屋の設備上参考にしたいことがあり横尾山荘、涸沢小屋、涸沢ヒュッテと立ち寄らせていただき、いろいろと拝見してきました。山小屋ゆえなかなか設備改善も一朝一夕には参りませんが、いろいろと参考にさせていただき来年以降当たっていきたいものです。各山荘の皆さんには11月初旬の小屋閉めを間近にした、あわただしい中をいろいろとありがとうございました。もうしばらくですが頑張ってください。

  今秋はとても壮麗な鮮やかな紅葉シーンが長く続いた涸沢も、すでに紅葉シーズンの幕を下ろし名残のもみじを所々に垣間見るだけになっていました。また上高地の谷もカラマツの黄金紅葉が盛りを迎え、名残のカツラの黄葉を見るにつけても、冬の到来の近さを覚えざるをえませんでした。おりしも今週は寒波到来の予報、白銀の穂高連山が大正池にその姿を映すのも近いことでしょうね。

NO 815  気持ちの良い秋の一日。

2010  10/ 23(土) 

    久しぶりに北アルプス全山が終日に渡って姿を見せてくれた、とってもおだやかな週末の一日になりました。ただこのお天気も明日までで、月曜日の前線通過後はいよいよ西高東低の冬型気圧配置になりそうです。やや遅めの雪の便りですが、北アルプス各地からは初冠雪等のニュースも届けられるかもしれませんね。

   今日は大町登山案内人組合で整備を進めている白沢天狗山(2036m) 登山道の道造り作業に参加してきました。夏の間はなかなか参加できませんので、こんな時期こそいくらかでも協力しないと・・・・   今日は天気にも恵まれ、絶好の道造り日和? 登山口から資材等をボッカして頂上付近のハシゴ等を造ったり、ササの刈払い等をしてきました。3年に渡って進めてきた整備作業も当初の予定分については今年度中にほぼ完了の予定で、来年にはみなさんにも供用できそうです。そしてその後も少しずつ整備作業にあたり、みなさんに安心して登っていただけるような白沢天狗山にしていきたいと組合では熱望しております。

蓮華岳と降下進める紅葉前線。(10/23) 久しぶりに北アルプスも終日にっこり!(10/23)

白沢天狗山と右奥に鹿島槍の双耳峰(10/23)

白沢天狗頂上からの浅間山、四阿山遠望(10/23)

爺ガ岳スキー場から白沢天狗山

頂上直下の梯子の整備。 休みを利用して整備頑張ってます

NO 814  今シーズンの全山荘の営業終了いたしました。

2010  10/ 19(火) 

    比較的あたたかな雪の降らない小屋閉めです。作業上はたいへん助かりましたが、なにか物足りなさも残る今年の小屋閉めになりました。岳は長い冬の眠りにつきますが、来春もまた鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳はあたたかく迎えてくれることと思います。またとても厳しい北アルプスの冬の嵐に小屋も無事乗りきってほしいものです。

   今季は久しぶりにシーズン通して好天に恵まれたのですが、お客さまの入り込みはいまひとつでちょっと残念なシーズンに終わってしまいましたが、来季こそいろんな意味でいい年になってほしいものです。お越しくださいましたお客様には厚く御礼申し上げますとともに、ぜひまたお越しいただける日をお待ちしております。また冬のあいだもときどき他愛もないことや、冬の北アルプスの表情等をこのページでお伝えしていきますのでたまには当H.Pものぞいてみてください。4月末からの半年間にわたる長いシーズン中まことにありがとうございました。

種池山荘の周りではナナカマドの赤い実も、日々その数を減らす頃。

柏原新道の “黄金岬” 辺りは紅葉シーズンのとりをつとめるカラマツの黄金紅葉を残すのみ。

今季最後のお客様をお見送りして。(種池山荘)

種池名物“千の鐘”もお役御免。

風雨に耐えた看板も取り外されて 冷え込み弱く仕事はかどりました

NO 813  小屋閉め間近も、暖かな日が続く 。

2010  10/ 14(木) 

    体育の日3連休の初日と2日目のお天気を返して! と言いたくなるような、このところの好天です。しかも連休前もお天気が続きましたので、なんでよりによって体育の日連休だけが・・・  なんていうボヤキ節もでるこの頃です。それにしましても岳の上もここへきてまたまた温度高めの感じです。連日日中は10度超えで、小春日和もどき。おかげで外部での各種小屋閉め作業については大いに助かっていますが・・・  今になって思えば9月下旬に多少なりとも冷え込みが続いて、ほんとに良かった思えるくらいです。あのとき冷え込まなければ今年の素敵な紅葉との出逢いはなかったかもしれません。

   そしてその主役をになった主稜線の木々はすでに葉を落とし、紅葉前線も先端は登山口近くまで大下降、絶頂帯も1600m〜1800mぐらいまで高度を下げています。 また種池山荘、冷池山荘の最終営業日(10/16)までも2日間となり、いよいよ長かったシーズンも押し迫った感です。   写真は今日昼前の種池山荘周辺です。

種池山荘 “小屋裏もみじ”もほぼ落葉です(10/14 )

信州側に沸き立つ雲もどこか夏のよう。(種池山荘から 10/14)

空を見ていても晩秋の空というより、初秋の空という感じのこの頃です。(種池山荘から 10/14)

おだやかな秋の一日です。

小屋前のナナカマドも赤い実を残すのみです。

NO 812  ようやくの秋うらら、アルプス晴れです 。

2010  10/ 11(日) 

    連休3日目にして待望の秋晴れが広がりました。どこまでもどこまでも澄みきった高く広い最高の秋空です。昨夜は予想されたような寒気の流入もまったくなく、当然雪が降ることもありませんでした。早朝までのガスや強風もやみ、 雨上がりの周辺の山々はさらにその凛々しさを増しています。

  体育の日3連休は、いまひとつのお天気でお客さまの入り込みも少なかったですが、最後に素晴らしい秋空と紅葉を目に焼きつけて、お帰りになっていただくことができて良かったです。このあとは16日(土)の営業最終日へ向けて、スタッフも冬への備えや片付け作業等に当たる時間が増えます。種池山荘と冷池山荘はともに10/16(土)のご宿泊までとなります。主稜線では名残の紅葉になりますが、中間帯を中心にまだまだ紅葉も楽しめます。残り少なくなってしまった今シーズンですが、お心残り無きようご予約の上ぜひお出かけ下さい。

名残の種池山荘 “小屋裏もみじ”。秋空と剱岳に映えます。(10/11 A.M )

爺ヶ岳主稜線はほぼ落葉。素敵な今年の紅葉に感謝です。(種池山荘 10/11 A.M )

ちょっとだけにぎわいも戻りました。(10/11) 今週一杯の営業です。お待ちしております。

鹿島槍ヶ岳も久々にスッキリ。秋の装いをすて冬の衣装をまとうのもまもなくでしょう。(冷池10/11 )

鹿島槍ヶ岳登頂で最高の時間を過ごした皆さん、冷池山荘をあとに爺ヶ岳へ。(冷池山荘 10/11)

NO 811  お天気はゆっくりと回復傾向へ 。

2010  10/ 10(土) A.M 8:00

   体育の日3連休2日 目、種池山荘ではさいわいにして明け方までにほぼ雨も上がりました。なんとなく視界もきいてきています。低気圧も通過してこの後は大きな雨降りはないようですが、まだキリション状態(霧雨のこと) の時間帯も多そうな感じです。今夜には弱い寒気も流れ込んでくるとのこと、もしかしたら初積雪になるかもしれません。(10/5の夜には初雪が少し舞いました)  そして明日以降は移動性高気圧もやってきそうで、なんとか3連休最終日 にはうっすらと白くなった鹿島槍ヶ岳とご対面できればうれしいですね。

柏原新道の紅葉前線絶頂帯は石畳付近まで下りていってます。ご宿泊のお客様は期待以上の思わぬお天気に、そして足下の紅葉に大喜びです。 遠く有明山も見えます。(種池山荘 10/10 A.M 6:30)

みなさん昨日雨の中頑張った甲斐がありましたね。この後も冷池山荘まで、鹿島槍ヶ岳まで小康状態が続いてくれるといいですね。(種池山荘 10/10 A.M 6:30)

NO 810  残念な雨のスタート 。

2010  10/  9(金) 

   今年最後の3連休、期待の体育の日連休初日は終日の冷たい雨降りです。とにかく残念の一言です。それでも雨が小康状態になってガスが切れた瞬間には、周囲の紅葉も眺められる時間帯もあったりで、あきらめモードのお客様にも納得の笑顔がのぞきます。

  キャンセル続出の今連休、せっかく登っていただいたお客様のためにも明日は低気圧が1時間でも早く東へ去って、なんとか早くに雨が上がって秋空がのぞいてほしいものです。

お客さまもまばらな連休入りですが、爺ヶ岳が歓迎に姿を見せてくれました。 (種池山荘10/9)

種池山荘周りはナナカマドもまだまだ元気です。(10/9)

鹿島槍ヶ岳も顔を見せてくれました。紅葉は2200mから2300mぐらいがいい感じ。(種池山荘10/9)
お天気良ければ紅葉も最高なんですが・・・

ベンチも開店休業。明日こそ!

NO 809  柏原新道 “包優の紅葉” 。

2010  10/  8(金) A.M

   一昨日柏原新道の紅葉の中にどっぷりと身を置きながら、この素敵な紅葉を皆さんに広く知っていただくにはどうすればいいのかな? なんて心の中でつぶやきながら歩いていました。このH.P上で写真を紹介するのもいいでしょう。今 流行のツイッターといったもので盛んにつぶやくのも一案でしょうか。(ちなみに私は参加したこともありませんが・・・ )  そういったこともいいんですが、もう少し簡単明瞭に、そしてよりインパクトがあって、この素敵な優しい、包み込まれるような紅葉をみなさんに知っていただける方法。そんなことを考えながら歩いているとき、ふと思いついたのが表題の“包優の紅葉”という言葉です。包優という言葉は広辞苑にも出ていない造語です。優しい紅葉に包まれるのか、それとも紅葉に包まれて優しい気持ちになれるのか、どちらであるかは人それぞれでしょう。この“包優の紅葉”という言葉が定着できればうれしいかぎりです。あわせて水平道の先の岬(ざき)を新たに“包優岬”と名づけることにもしました。“包優岬”のあたりは紅葉のシーズンだけでなく、新緑の頃もとてもさわやかな場所でもあります。“包優のもみじ”と“包優の新緑”がもっと皆さんに愛され、訪れていただけるように、これからも このフレーズを末永く用いていきたいものです。

   柏原新道の紅葉は、今年はダケカンバやミネカエデ、ミネザクラなどの黄色系が特にみごとです。ナナカマドやオオカメノキなどの赤色系もはこの後さらに色乗せしそうです。柏原新道は水平道から富士見坂あたりかけて、今がまさに絶頂期、見頃を迎えています。 本日8日も昨日まで3日間のお天気といっしょで朝のうちは好天も、その後はガスがかかるといったお天気になっています。ただこの後は、ここ4日間のお天気をもたらしてくれた高気圧も東へ去り、代わって秋雨前線も北上する模様で、3連休 前半はどうしても雨の時間帯が多少ありそうです。10月10日は旧 体育の日、日本を代表する “晴れの特異日” です。なんとか晴れ間がでることを期待するばかりです。温かい格好でお越し下さい。  写真は10月6日です。

  岬(ざき)とは柏原新道が爺ヶ岳から派生する小尾根と交差する地点のことを云います。爺ヶ岳   南西斜面を種池山荘へ向かってトラバースして斜上していく柏原新道にはいくつもの岬があります。

富士見坂から黄金岬、大廻りを見る。今年は黄色がとてもあざやか。(10/6)

“包優のもみじ”に浸りながら、大廻り、黄金岬、富士見坂と進み主稜線の種池山荘へ(10/6)

日中ずうっとおおっていたガスがようやく切れて西日が当たる。“包優岬”から。(10/6)

富士見坂を上る。種池山荘まであと20〜30分。 黄金岬はこの後カラマツの黄金紅葉が見事になる

NO 808  秋色深まる鹿島槍ヶ岳。

2010  10/  7(木) P.M

   スタッフが休暇で鹿島槍ヶ岳頂上行って来ました。 日中のガス模様も朝の内はご覧の晴天です。足下に俯瞰する鹿島槍南西斜面の小屋裏沢の紅葉は今がピークですが、標高2683mの布引山より上はもう晩秋の山、初冬近しを思わせる表情です。

  体育の日3連休も近づきましたが、週初めのころより予報もちょっと下り気味でどうなることでしょうか。今年最後の3連休はぜひとも秋空の下で雄大な鹿島槍に登っていただきたいものです。

霜が降りて真っ白な布引山からは、早くも冬待ち顔の表情の鹿島槍ヶ岳。(10/7)

鹿島槍から、剱岳から、爺ヶ岳から黒部峡谷の十字峡をめざして紅葉前線も日々大降下中。(10/7)

NO 807  日に日に秋が深まります。

2010  10/  7(木) A.M

   10/4のまとまった雨の後は、5,6,7日とお天気が続いています。ただ日中はガスの上がりが早く、視界のきかない時間帯がおおいです。小屋の建つ主稜線の紅葉はピークを過ぎようとしていますが、朝な夕なにナナカマド、ダケカンバ、ミネザクラ、クロウスゴ、ミネカエデなどの木々が織りなす錦秋の斜面には寒さも時間も忘れて見とれてしまいます。

  このところは連日のように氷や霜が降りる冷え込みで、遅れ気味だった秋の訪れもほぼ平年並みのスピードに追いついた感じです。一昨日5日の夜7時ごろには、みぞれと雪の中間ぐらいのものが小屋周りでも舞い初雪を観測しました。ただ頂上方面を含めてまったく積雪にはなりませんでした。でも確実に季節は晩秋へ向かっているようですね。冬の足音もまた少し近づきました。

北側で、一段低い種池山荘の“小屋裏もみじ”もピークに近づきました。大霜にも負けずいい感じ10/6

冷池山荘も連日の降霜。鹿島槍ヶ岳は晩秋の独特の風格です。(10/6)

NO 806   前線去って。

2010  10/ 4(月) 

  明け方からの雨は昼前からは雷も伴い、猛烈な雨になりました。ただし回復は早く夕方にはそれこそあっという間に雨も上がり青空ものぞきました。明日も北陸地方には湿った大気が残り、一雨来る時間帯もあるようですが、確実に回復へと向かうことでしょう。写真は寒冷前線を見送った夕刻の冷池山荘からです。

光陰矢のごとく雷雲もはるか東へ立ち去りました。(10/4 夕刻)

猛烈な雨もあっという間に上がり、鹿島槍登場。

剱岳立山もうっすらと焼けて、おだやかに登場。

天気 (10/ 4)

◎9月中旬以降お天気は周期的に変わっています。このあとも秋雨前線の上がり下がりや移動性高気圧の東進、気圧の谷の通過等によって変わりそうです。10/4も前線の通過に伴って強雨でしたが、夕方までに雨は上がりました。

◎9/25に初霜、9/26にはマイナス3度で初氷を観測しました。その後も2回氷が張りました。 また最高気温で5度程度の日もでてきました。ただ日中はお天気さえよくて日差しがあれば10度ぐらいでも温かく感じる季節になってきました。

◎9/22に大雪山、9/25には富士山で初雪が降りました。 また9/27未明には西隣の立山では初雪が降っていたようです。(この日は黒部川をはさんですぐ東隣の新越山荘にいたんですが、朝方までの霧雨とガスで気が付きませんでした。残念・・・ ) 寒気が入れば 鹿島槍ヶ岳でもいつ初雪が降ってもおかしくありません。天気予報の冒頭で気象予報士が寒気が南下するとか、北海道や本州の高い山では雪が降るかもしれませんといった 内容を口にしたときは気をつけてください。

◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

紅葉

◎小屋の建つ主稜線の紅葉はほぼ最盛期を迎えたと思われますが、もう一段の色乗せのある場所もあるかもしれません。

◎柏原新道中間帯や赤岩尾根の高千穂平上部などの紅葉はなかなかの色合いになっており、体育の日連休まではしっかりと楽しめるものと思われます。とにかく体育の日3連休まではどこかで素敵な紅葉にきっと出逢えるはずです。

登山ルート等の状況(10/ 4現在)

◎鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は支障はありません。まだ今秋は初雪も降っていません。

◎五竜岳方面も皆さん支障なく縦走されています。 ただし雪が降ったり、冷えて雨が凍結したりすると、通行が困難になる場所があります。鹿島槍ヶ岳〜五竜岳縦走などはそういった場合は自重して引き返してください。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

◎柏原新道上部の“ガラバ”では落石や滑落に注意してサッと通過しましょう。

◎赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転滑落に注意。また落石にもご注意下さい。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りて 下さい。

◎種池山荘〜新越山荘〜針ノ木岳方面も登山道に支障はありません。

◎針の木大雪渓は中間帯に残雪がまだ少しありますが、案内に従って巻き道(秋道)を通るようにしてください。 情報は針ノ木小屋や大沢小屋でお尋ね下さい。

◎これからは台風シーズンにもなりますが、雨が降るとすぐに、登山道は大丈夫かと聞かれる方がおられますが、大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

アドバイスや注意

◎体育の日3連休は天気良ければマイカー登山の駐車で、登山口の扇沢および大谷原は混み合います。できるだけ公共交通を利用くださるようお願い申し上げます。なお 車道上での路肩駐車やはみ出し駐車は絶対におやめ下さい。扇沢では黒部ダム入山車輌や観光バスに多大な迷惑がかかり周辺で大渋滞を引きおこします。また大谷原では工事の大型ダンプの通行妨害になり作業ができなくなります。登山口付近に駐車できないときは扇沢の場合は扇沢バスターミナルの一番下の市営駐車場に入れてください。また大谷原の場合は550mほど手前の鹿島槍スキー場への三差路の駐車場に停めてください。

◎日没が早くなり、真夏のような感覚で歩いていると、あっという間に暗くなります。とくに下山の場合は下へ行くにつれて木々が高くなりますので、余計に暗さが増します。下りだからと安心して いたら、たいへんです。

◎寒さ対策はしっかりお願いします。強風でも吹けば一気に体感温度は10度ぐらい下がってしまいます。手袋は必携の季節です。 天気予報もしっかり確認して、無理な行程、日程はおやめください。

◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。

 ◎またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録です。誇張されたものもありますので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的 かつ常識的な無理のないものを参考にしてください。 そして自分はそれらの参考タイムの1.5倍の時間でだいたい歩くとか、3割り増しの1.3倍で歩くとか、ご自分なりの係数というものをお持ちいただきたいと思います。

◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

◎北アルプスをはじめ中部山岳ではこのところ、重大事故が多数発生しています。しっかりとした計画のもとで、休憩をしっかりとりながらゆっくり慎重に下山いたしましょう。

混雑状況(10/ 4現在)

◎体育の日連休は今のところ、ご予約は大変少ないです。週間予報が出てからお決めになられる方が多いようですが、最盛期のような込み方はなさそうです。

新越山荘の本年の営業は9/25(土) で終了いたしました。本年のご利用まことにありがとうございました。また周辺ではキレット小屋は9/30、針ノ木小屋は10/11までで終了の予定です。当方の冷池山荘と種池山荘は10/16(土)のお泊りまでになります。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。

NO 805  この雨のあとには・・・・

2010  10/  4(月) A.M

   今日は朝から前線通過で、少し雷も鳴る雨降りになってしまいました。でもこの後には移動性高気圧がやってきそうですので、大いに期待です。そして体育の日3連休に向けての週間予報も出はじめましたが、秋雨前線が本州南岸に停滞するにもかかわらず、日本気象協会の10/9、10の東京や名古屋の予報を見ると 雨マークのない意外にいい予報がでています。ということは秋雨前線の活動は弱いということでしょうか?  また明日以降やってくる移動性高気圧はけっこう東西に長い高気圧で、10/6(水)から10/9(土)までの新潟の予報も晴れが予想されています。そして3連休の中日10/10のお天気もくもりの予報です。このあと11日の予報もでてきますが、今は体育の日3連休に夏山秋山シーズンの掉尾を飾るどこまでもどこまでも高い秋の空が広がることを願うばかりです。

  昨日3日はさいわい雨になることはなく、冷池山荘スタッフは赤岩尾根の道直しに出かけてきましたが、赤岩尾根の上部2200m近辺 “白樺平” 付近はなかなか素敵な紅葉になってきていました。紅葉につつまれて誰ひとり通らない静かな尾根道に、作業で使うツルハシの音も妙に心地いいものです。冷池山荘(2410m)の周囲も先般9/26の大霜でナナカマド等の葉っぱが “霜焼け” してしまったものが目立ちますが、主稜線よりも一段下がれば、大霜の影響もほとんどなく、鮮やかな紅葉が広がっているということです。同様のことは柏原新道でもいえますので、体育の日3連休にかけては標高2000mから2300m近辺の素敵な紅葉が、皆さんを優しく迎えてくれるはずです。今日の雨はさらに紅葉の色合いを増してくれるはずです。

冷池山荘周りは少し霜で焼けてしまいましたが、それでも気持ちがおちつきます。(快晴の10/2)

オオカメノキ、ナナカマド、ミネカエデ等々元気に色づいてくれました。赤岩尾根2250m地点(10/3)

優しさにつつまれて・・・ 赤岩尾根を下山。 来季へ向けて道直しにも力が入ります。(2200m地点10/3)

NO 804  木々は精一杯色づいてくれています。

2010  10/  3(日) 

   10月入りは、1日、2日と日中はガスに包まれた時間もあったものの、好天に恵まれていいスタートをきれました。そして雨が心配された今日 もなんとか昼過ぎまでお天気ももっていてくれてラッキーでした。ただこの後は明日にかけて一雨きそうな感じです。紅葉は9/26の初氷の際の霜で、霜焼け してしまったのが影響して昨年のような鮮やかさには欠けますが、このあともう一段の色乗せを期待したいものです。霜の影響がなかった柏原新道の中間帯の紅葉はこのあと体育の日連休にかけて大いに期待されます。 山荘の営業もあと2週間! 期待の体育の日3連休までも一週間! なんとかお天気に恵まれた体育の日3連休、そして小屋閉め週間になってほしいものです。

種池平からの鹿島槍ヶ岳。(10/2)

種池山荘裏側の“小屋裏もみじ”。(10/2)

種池平からの爺ヶ岳南西斜面。(10/2)

お天気も変わり目でしょうか。(10/3朝 冷池山荘)

でも午前中はまあまあの空模様。(10/3冷池山荘)