NO280 全国の“キコラ” の皆さんは、何のお届け物がいいですか?
2007/ 2/ 25(日)
昨日の寒さは相当のものと思っていましたが、今朝の新聞によると大町のアメダス観測所の最低気温はマイナス3.9度、そして最高気温はもっと低いと思っていましたが0.6度とマイナスにはならなかったようです。当然真冬日と思われるような寒さでしたが、それほどの寒さではなかったようです。今冬はとにかく暖かな日が多いので、この程度の寒さでも普段の年の厳寒期の猛烈に凍み込んだ日と同じぐらいに寒く感じてしまうようです。このままいくと信州人の耐寒度も年々弱まってしまいそうです。
ところで大町では昨年より、この時期に大町へスキーや温泉等にお越しくださった皆さんへ、2月から3月にかけて大町温泉郷で週末の土曜日に打ち上げ花火のプレゼントをして好評を博していますが、皆さんならどんな贈り物、お届け物がいいですか。また、山の上からならどんなお届け物があればうれしいですか? 実は最近こんな“山の上からのお届け物”
をお話しにした絵本が出版されました。
1月に関西在住のペンネーム 里
ささ菜さんから、ご自分が文章を書かれた絵本を贈っていただきました。ささ菜さんは鹿島槍ヶ岳が好きで毎年のように足を運ばれて私どもの山小屋にもお泊り頂いているそうです。私ももしかしたら小屋でお話ししたこともあるのかも知れませんが、残念ながら存じ上げておりませんでした。そんな
ささ菜さんが送って下さった絵本が『キコラ 〜秘密の手紙〜』
という、絵本といっても幼児向けのものではなく、もう少し年長の小学生以上、また大人でもたいへん楽しく読める絵本です。どちらかといったら大人の女性に読んでもらいたい本に思えます。簡単に内容を紹介すると、街で暮らしているキコラという名前の少女に知らない山小屋の三代目あるじから手紙が届きます。手紙には『山小屋で預かっている物があるので、ぜひ山小屋へお越し下さい。』
といった内容です。キコラは初めて山へ登ります。山小屋へついても預かり物が何なのか主人は教えてくれません。ただし手紙をキコラへ出すのを依頼したのは知り合いのレラであることだけは教えてくれました。レラからのプレゼントが何なのかわからぬまま眠りについたキコラは翌朝を迎えます。キコラが受け取ったプレゼントとは・・・・ キコラも下山の際にはレラと同じように三代目主人に手紙を託します。そしてキコラが預けた物は? 手紙の送り先は?
もしかしたら皆さんかもしれませんよ。
おおまかなお話しはこんな感じです。鹿島槍ヶ岳が好きな
ささ菜さんですので、キコラが登る道は柏原新道なのか、山小屋は種池山荘とか冷池山荘なのかと、勝手に私も想像してしまいます。とても山や登山に夢がふくらむ、いつも手元に置いておきたくなるような可愛らしい絵本です。あくまで絵本ですので登山シーンを描く絵のタッチも山の雰囲気も本格的な登山や山岳とはまったく違います。一般的な登山入門書とは違った意味での、登山への扉を開けてくれる本かなと思いました。
一昨年の最盛期の話ですが、冷池山荘で予想以上にお客様が来られて夕方に大慌てで、サンテラスという展望や日向ぼっこを楽しむ廊下部分にも布団を敷いていると、こちらを見てニコニコされている女性がいます。大慌ての光景がちょっとこっけいかなと思っていたら、敷き終った後に『いつもホームページ拝見しています。』
『主人は今年の5月にご自宅から撮った写真がすごく気に入って、今年は絶対に鹿島槍ヶ岳へ行こうって言ってたんですよ。』
『それはどうもありがとうございます。今日は窮屈で申し訳ありませんでした。』
そんな会話のなかで大慌てでひきつったような私の顔もすっかりゆるんでしまったことを今でも覚えています。たしか東海地方から来られたご夫婦だったと思います。
『キコラ』
に登場する主人と同じく私も山小屋3代目、北アルプスや登山の魅力、醍醐味をこれからも当ホームページ上等で皆さんにお届けしてしていきたいものです。 ところで皆さんの“預かり物”
はなにが一番いいですか? 女性は満開のコマクサやチングルマでしょうか。また男性はさしずめよく冷えた生ビールでしょうか。今年の夏もしっかりとご用意してお待ち申し上げます。
P.S 『キコラ 〜秘密の手紙〜』 里 ささ菜・著
は東京港区 新風舎発行 定価・1155円
お近くの書店か新風舎へ直接お申し込み下さればいいと思います。
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すっかり雪も消えた水田と今日の北アルプス
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一昨年山で話題に上がった我が家からの光景。 |
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女性に一番人気はコマクサでしょうか。 |
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装丁からも山を連想させるものはありません。
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『キコラ 〜秘密の手紙〜』
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新風舎はこちらです。
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