▲▲ 2007 / 8月 ▲▲

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NO358  秋山スタッフも加わり頑張ります。

  2007/ 8/ 31(金)

   先週末8/25(土)はさほど混み合わないでしょうとここで書いたら、猛残暑 とも相俟って直前予約がたくさん入って、三つの山荘とも予想以上に込み合い、申しわけないやらうれしいやら複雑な気持ちでした。でもこれで夏山のトップシーズンも終了。このあとのピークは秋の3回の3連休になります。昨年は秋の3連休は台風等でパッとしない天気で お客様も少なめでしたが、今年は移動性高気圧におおわれる、どこまでも空の高い最高の秋晴れの3連休になってほしいものです。   

   小屋の夏山スタッフも週明けとともにアルバイト期間が満了して、お盆以後は毎週明けの都度に一人二人と下山開始です。長期のスタッフは順番に秋休みを取って、残りの2ヶ月弱、そして小屋閉めへ向けてリフレッシュです。スタッフもいちばん疲れのでる頃、しっかりとからだを休めて秋山に備えてほしいものです。とにもかくにもシーズン中いちばん忙しい7月、8月の2ヶ月間もなんとか無事に終了。いろいろとアクシデントや機械系のトラブル、また遭難等等も何件かありましたが大事故には至らず幸いでした。やや 人手不足気味だった秋山スタッフも新たに数名決まり、心強くして9月を迎えられそうです。私は来週は北アルプス山小屋協会の研修登山があり、参加予定です。30年ぶりの K岳登山です。信じられないくらいにあっという間の30年、心待ちにしている K岳との再会です。私も大いにリフレッシュしてさらにあっという間に過ぎ行くであろう残り2ヶ月間の秋山シーズンに備えたいものです。


穂は枯れ、コバイケイソウの黄化が日に日に進む(種池山荘)

鹿島槍、五竜、白馬みんな秋雲の下。(新越山荘)

朝焼けの中新越山荘を出発するお客様も秋の装い。

ミヤマシシウドと染まる針ノ木岳上空夕焼け雲。(種池山荘)

頑張ってくれた三山荘のスタッフも序々に下山へ。寂しくなります

最盛期も過ぎ、一息つく時期。秋もお越し下さい。(種池山荘)

NO357  さあ明日から9月。また楽しみもいろいろですね。

  2007/ 8/ 31(金)

   “秋の日はつるべ落とし” にはまだ早い時期なのかもしれませんが、お盆を過ぎるとどんどんと日が短くなってきますね。もう夕方5時には薄暗さを覚えます。とても暑かった今年の8月、お客様で賑わった8月、忙しかった8月、そして例年にないみごとな晴天が連日のように続いた8月も今日でお仕舞いと思うと尚更に日の短さを感じ、去り行く夏に一抹の寂しさを感じる今日八月の晦日です。先日までの連日の夏空、猛暑がうそのようなここ数日の涼しさ、そして雨模様です。いよいよ明日からは涼風増す9月ですね。初霜、初氷の便り、中秋の名月、そして紅葉・・・・ 楽しみもいろいろです。 8月の好天が再び続きますように。


クロトウヒレン咲く。

誰もが知っているオヤマリンドウ。

種池山荘前のチングルマは稚児車のごとく

花のように一面彩るチングルマの果穂

ウラシマツツジが赤い絨毯を敷きつめ始める。

まだまだ頑張るニッコウキスゲ。(新越山荘)

NO356  まさに一服の清涼剤。今季最高の朝をむかえました。

  2007/ 8/ 24(金)

   8/22の午後から23日未明にかけての雨は約3週間ぶりの本格的な雨降りになりました。冷池山荘での雨量は80ミリを超えるまとまった雨量になり、乾ききっていた大地はもちろんのこと、生きとし生けるものすべてに潤いをもたらしてくれた恵みの雨になりました。日照り続きで水量がすっかり少なくなっていた冷池も満水になり、サンショウウオもきっと大喜びのことと思います。

   昨日はまだ湿った空気が残り、まだガスや雲の多い一日でしたが、今日24日は大陸育ちの乾いた爽やかな高気圧が日本上空にやってきて朝から最高のお天気です。爽やかさ、そして瑞瑞しさをとりもどした木々や高山植物、ハイマツの海を見るにつけても、今夏最高の朝といっても過言でないでしょう。この後も来週初めにかけて好天が続きそうです。東京は今回の寒冷前線南下に伴う雨もほとんど降らなかったとか・・・ まだまだ猛暑そして残暑が続きそうですね。電力不足もあっていろいろと大変なようですが、エアコンに頼るよりぜひ天然クーラーがしっかりと利いている北アルプスへぜひお越しいただければと思います。今朝の冷池山荘最低気温は5度、昨日の最高気温は16度ほどでした。早い年だと、もう今頃には標高の高い白馬山荘や槍ヶ岳山荘、北穂小屋などからは初氷のニュースなども届く頃です。昨日の雨、そして今朝の冷え込みで高山植物の体内時計も大きく針を秋へ向けて進め 始めたようです。日中はまだまだ日差しの強い日が続きますが、みなさんもTシャツ1枚だけでなく薄手のジャンパーとか必ずお持ちになっていただきたいと思います。


針ノ木岳とまもなく終わりを告げるトウヤクリンドウ。

道標に朝陽が差し黒部の谷も夜が明ける。剱立山も最高の朝。

冷池山荘前のミヤマシシウドが咲き誇る頃には初秋のおとずれ。

種池と蓮華、槍穂高。標高の高い槍穂高はもう少し冷えたかな。

NO355  見事なまでの“梅雨明け二十日”も一段落へ。(P.M1:00)

  2007/ 8/ 22(水)

   梅雨明け後長く続いた絶好の登山日和も一息のようです。日本海からの寒冷前線の南下に伴い昼前から小雨がぱらつくちょっと肌寒い 、やや風の強い天気へと変わりました。台風5号が通過した際の8/4の まとまった雨以降は夕立も大した夕立がなく、昨日、一昨日とあった夕立も焼け石に水の状況でした。さしずめ今日の前線南下に伴う雨が この後まとまった雨量になれば高山植物にとっても埃っぽい登山道にとっても本当に久しぶりの慈雨になってくれるんですが・・・・

   前線通過後には再び残暑がぶり返しそうですが、山ではこの雨が季節を一歩先へと進めてくれる雨にもなりそうです。週末には天候も安定して再び夏空が広がるものと思われますが、空は今までの夏の空とは微妙に違う秋色系の青空に変わることでしょう。


これからはチングルマの綿毛が見頃に。

ミヤマコウゾリナは息の長い秋の花。

ミヤマトリカブトも秋を代表するお花です。

ミヤマコゴメグサとイブキジャコウソウの競演。

マルバダケブキは大作りな感じだが、実は繊細。

 

NO354  このあともお天気はまあまあのようですね。

  2007/ 8/ 19(日)

   昨日 は前線の南下とともにオホーツク方面からのひんやりとした空気が流れ込み、それまでの日中の暑さも一段落。最高気温も18度ほどで、前日までの22度から23度ぐらいの最高気温と比べればとても涼しさを感じる一日でした。東京などでも最高気温が27度ぐらいまで一気に下がり、過ごしやすかったようですね。ただその涼しい天気も一日だけで、前線が北上した今日は再び暑い一日になりました。そして今日はまたまた夏空が気持ちよく広がる一日にもなりました。久しぶりに午後遅くには雷雨もあり、埃っぽい登山道にも少しだけおしめりになりました。明日からの週も夕立等は予想されるものの、大きな天候の崩れもなさそうですので、8月の絶好の登山日和はまだまだ続きそうです。7月の出足の悪さを挽回してくれるこのお天気には感謝感謝です。

   夏山シーズンの一番忙しいところも過ぎ、このあとは9月の3連休までは大きな入り込みの日もなさそうです。例年、意外に混みあう8月最終土曜日も今年はご予約も少なめの情況です。昨今はご宿泊の平日への分散化にもご協力いただき、8月下旬の平日もある程度ご予約をいただいており、スタッフもトップシーズンのモチベーションを保って行けますのでありがたいことです。次にシーズンの大きな山がやってくる9月中旬からの紅葉シーズン、今年はどんな紅葉シーンをわれわれに見せてくれるでしょうか。みなさんもきっと秋の計画をもう立案中のことでしょう。   


昨日のガス模様は一掃されご覧の快晴。最高のご来光。(冷池山荘8/19)

ご来光のあとは、朝日を浴びながらの準備体操。大事なことです(8/19冷池山荘)

新越周辺もシシウドやミヤマトリカブトなど秋の花が勢力を伸張中。(8/19)

トリカブトに似た、これも秋の花。オオレイジンソウ咲く新越街道。

盛夏から晩夏、そして初秋へと。新越岳と奥に爺ヶ岳。季節の変わり目(8/19)

夕立のあとのしっとりと染まる白馬方面。(8/19新越山荘)

NO353  終日の夏空も、雲は秋の気配。

  2007/ 8/ 16(木)

   昨日、一昨日は朝夕は最高の青空が広がりましたが、日中は濃いガスに覆われるというある意味では典型的な夏型の日でした。そして今日は今年の夏に結構多い、秋のような一日中晴天が続くという最高のお天気でした。そして広がる雲もうろこ雲や絹雲っぽい雲になり、明らかに夏のものとは違うものでした。下界では史上最高温度も記録というおまけもついた猛暑が続いていますが、山の上は最高温度23度ぐらいです。明日以降は北から前線が下がってきてそこへオホーツクからのひんやりとした空気も流れこむとか。下界も山の上も今までのお天気とは少し雰囲気も変わりそうですね。


爺ヶ岳上空にうろこ雲広がる。(8/16)

鹿島槍上空は絹雲が刻々姿を変える(8/16)

人気の種池平の朝は連日ご覧の撮影日和

ウソが案内してくれました。ホントの話し。

NO352  全開! “新越花街道”。

  2007/ 8/ 16(木)

   岳の上では初秋の気配もちらほらということを当情報でも書くようになって参りましたが、その気配も朝の温度や稜線を渡る風の爽やかさ度といった肌で初秋の到来を推し量るものと、秋の花の開花や頭上に広がるうろこ雲、お客様のいでたちといった目で見て感じるものに大きく分けられるのではないでしょうか。これからはそんな季節の移ろいに、下界に居る人より早く接するのもまた楽しです。そのうちに缶ビールより日本酒のワンカップのほうがいいといった声が多く聞こえてくるようになれば、もう季節は完全に秋ですね。やっぱり早く缶ビールをたくさん飲んで頂かなければ・・・・

   暑かったお盆休みも今日で終わり、8月も後半戦へ突入です。早くも夏山シーズンも半分終了ですね。9/24の宿泊までが営業期間の新越山荘はもう今季も5週間余りだけになってしまいました。柏原新道を登りつめた“種池山荘前交差点” を右へルートをとると爺ヶ岳そして鹿島槍ヶ岳への人気ルートで人の流れのきれることもありませんが、一方“種池山荘前交差点” を左へルートをとり新越山荘方面へ一歩足を踏みだすとそこはもう静寂そのものの世界です。針ノ木岳まで今ひとつメジャーな山がないため、お客様も少なめな山域ですが、常に眼前に聳え立つ剱立山の展望は北アルプス一です。また北アルプスのほぼ中央部の赤沢岳やスバリ岳、針ノ木岳からの360度の大展望は言わずもがなです。そして何より忘れてならないのが沿道のお花の多さ。さしずめ今は夏のお花と秋のお花が混在して咲き乱れる“高山植物の宝石箱”(う〜ん どこかで聞いたフレーズ) の様相といったところでしょうか。新越山荘にお泊りのどのお客様もお花に大満足のようです。稜線は樹林帯あり、草原帯あり、そしてちょっとした岩稜帯もあったりで飽きることもありません。赤沢岳の南方がやや険しいくらいで危険なところも余りありません。

   新越山荘は今週末の土曜日も10名様のご予約のみでゆっくりしていただけそうです。気のいいスタッフが心よりお待ち申し上げます。あなたにとっての高山植物の宝石はなんでしょうか?やっぱりスバリ岳に咲き乱れるコマクサでしょうか。


種池からハクサンフウロに見送られ新越山荘へ出発。

鹿島槍と遠く白馬岳方面。連日の好天です。(岩小屋沢岳から)

新越山荘と鳴沢赤沢、スバリ、針ノ木岳。遠くに薬師、赤牛岳

常に眼前に聳え立つ黒部越しの剱立山の勇姿は圧巻。

アットホームな山荘を目指して。I さんもHくん?も皆元気です。

布団干し中のスタッフに見送られて。明るい草地に建つ新越山荘

NO351  下界の40度超えの猛暑も、岳の上では・・・・

  2007/ 8/ 15(水)

  下界では記録的な猛暑が続いていますが、岳の上では暦どおりに確実に秋も訪れ始めています。快晴の今日15日早朝には鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳の間の棒小屋沢(冷池山荘と種池山荘の間) は雲海に埋まりました。雲海の下に入った小屋を出発して少し高いところまで上がれば、下の写真のような機上の人にでもなったような光景です。黒部側に雲海が現れるようになれば、いよいよ秋近しを思わせる秋独特の光景でもあります。夕方の稜線を吹き抜ける風も、1週間前のそれとは間違いなく変わってきています。お花も初秋の花が次第に勢力を増してきています。お盆を過ぎればさらに初秋の気配も増えてくることでしょう。

   お天気も好調、人出にもようやく活気が戻り、生ビールの需要も増す一方です。冷池山荘の談話室や種池山荘前庭では登頂を祝っての乾杯がつづきます。8月さらには9月の好天、登山日和を期待して生ビールもたくさん荷上げしたつもりですが、次回のヘリ荷上げまでもたなければ売り切れ御免ということでご容赦願います。なお缶ビールはたくさん荷上げしてありますのでたくさんおかわりしていただけたらと願っています。なにしろ夏山のシーズンなんて、ほんとうに短いものですし、お天気でも変われば売り上げもさっぱりですから。水不足等も心配ですが、正直なところこの絶好の登山日和がまだまだもうしばらく続いてほしいところです。なお今週末は8/18(土)の冷池山荘のご予約がほぼ定員数になってまいりました。他の日への変更や、同日の種池山荘宿泊にしていただいての鹿島槍ヶ岳登山にしていただきますようお願い申し上げます。


雲海の中に立つ。鹿島槍モルゲンロート。(8/15)

早くも気の早いコケモモが赤い実をつける。

初秋を告げるトウヤクリンドウに朝日があたる。

にぎわいを見せる冷池山荘談話室“ブロッケン”

生ビールを注ぐマスターは大阪弁の人気者。

NO350   お盆休み中はゆったりと・・・・ そして絶好の夏山日和が続きそうです。

  2007/ 8/ 12(日)

  昨日は全国で35度を超える猛暑日が各地で続発したようですね。山の上も暑いことはもちろんですが、そこは3000メートル級の北アルプスです。実にさわやかな適度な暑さです。昨夕は久しぶりに夕立がありました。夕方6時頃に一時間ほど結構な降りになりましたが、夜はまた満天の星空です。何でもここ数日はペルセウス流星群がよく見えるとかで、それを楽しみに空気の澄んだ山へ登ってこられたお客様もいらっしゃるようです。昨日の夕立は高山植物たちにとってもきっと恵みの雨だったことでしょう。今朝のお花はさらにかがやきを増しています。

  お客様からのお問い合わせでもお盆休み中の混雑は? とよくお問い合わせがありますが、今日までは少し混みあいますが明日からのお盆中のご予約はほんとうに少ないです。冷池山荘で申しますと13日が80名様、14日から17日にかけては連日50名様ほどのご予約ですので、とても定員の250名に達することはございません。相当にゆっくり、ゆったりして頂けると思いますので、お盆のお墓参りをすませた方はぜひお出かけください。かがやきを増したお花の数々と上空には満天の天の川とペルセウス流星群が待っていてくれるはずです。今朝も下の写真のように快晴のお天気が午前中続いています。なお “雷三日” のことわざのとおり雷は数日間同じ地域で起こりやすいですので、午後はできるだけ早くに小屋へ到着するようにいたしましょう。また水分補給だけはしっかりとお願いいたします。小屋へ着いても美味しい生ビールの前にお水もしっかりと飲んでくださいね。 


鹿島槍ヶ岳吊り尾根の残雪は今年は多い。

新越山荘に泊って針ノ木岳縦走はいかがですか。

鹿島槍ヶ岳周辺ではタカネツメクサの可憐な姿。

鹿島槍からの展望は最高。思わず北アルプスに万歳。

赤沢岳と遠くに薬師岳、赤牛岳。やっぱり北アルプスは最高。

黒部峡谷をはさんで剱立山連峰と対峙する。

NO349   連日の “大天気” が続きます。

  2007/ 8/ 11(土)

   大町辺りではすごくいいお天気の日は『こりゃえらい大天気 (おおてんき) だわ』 などと言います。そんな大天気が鹿島槍ヶ岳周辺でも続いています。山の上も日中は最高気温23度ぐらいまで上がるようになり暑くなってきました。それでも下界の35度を超える猛暑日とは隔絶の感がありますし、稜線を吹きぬける風は明らかに違います。朝は10度を下回り肌寒いくらいです。都会の喧騒、灼熱地獄から脱してぜひ北アルプスへとお盆 休みはお越しください。来られる時はいつも申し上げておりますように、日焼け、日除け、飲料水の摂取等には十分にご注意をください。また梅雨明け後もいわゆる夏の午後の夕立は1回あっただけですが、これもいつ起きるかわかりませんので十分に注意して早出早着に心がけてください。昨年も8月の好天続きは、9月には週末の度に悪天候というパターンになってしまい残念でしたが、今年もこの最高の登山シーンを演出してくれるこの8月の “大天気”  をどこかに取って置きたいくらい、そんな気持ちです。

   写真はここ3日間ほどの鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、スバリ岳周辺です。スタッフの休暇の際のものです。


富士山遠望。右に南ア、左に八ッ

爺ヶ岳夏姿。

暮れ行く剱岳。

種池平チングルマ満開。

明け立つ鹿島槍ヶ岳。

鹿島槍頂上にたつ歓び。

鹿島槍の北峰を眼下に見る。

吊り尾根の涼風は心地いい。

黒部湖と立山、五色ヶ原稜線。

霧立つ鹿島南峰とブロッケン。

左に蓮華岳。中央に針ノ木小屋

スバリのコマクサが迎えてくれる。

NO348   思い出に残す登山の基本は足元の気配りから。

  2007/ 8/ 11(土)

   夏山もいよいよお盆を迎え、シーズンも折り返しを迎えます。何百人もの登山者が稜線を行き交い、山小屋にもお泊りになられるわけですので、いろいろなトラブルも起こります。最大のトラブルといえば遭難や事故になるわけですが、鹿島槍ヶ岳周辺では昨年夏も今年の夏山も今のところ重大事故の発生がないのは幸いです。このあとも皆さんには体調を整えてゆっくり登山を心がけていただきたいと思います。小さなトラブルといえばお忘れ物からはじまって枚挙に暇がありません。今季の変わったお忘れ物といえば入れ歯でしょうか。みなさん何で? と思われるかもしれませんが、これが2年に1回ぐらいはあるんです。私やスタッフが下山する時には必ずお忘れ物の2つや3つは背負って下ります。多いときには1回に10個ほど持って下りる時もあります。お忘れ物の確認作業から、下山、発送まで結構たいへんな作業で、時間もかかってしまいますので、皆様にも一つでもお忘れ物がなくなりますよう、ゆっくり登山の延長で小屋の中へ入ってからもゆとりを持ってお過ごし頂きたいと思います。

   さいきん富みに多いのがトレッキングブーツのソール(靴底)がはげてしまうトラブル。これが本当に突然やって来るんですね。今までもお客さんに靴底が少しははげ始めていなかったのか? とか、もう少しチェックをしっかりしなければ! とか申し上げていたんですが、これがわが身にも起きたんです。なんか足元がおかしいと見ると靴底がすでにペラペラの状態。これまた不思議なことに両方の靴が一緒に同時にはげてしまうんですよね。なんで多少の時間差がないのか不思議でなりません。登山口まで1キロメートル位だったので、思い切って両足とも靴底を剥いでしまったんですが、これまた両足が宙を舞うようで足元がおぼつかない、たいへんバランスが取りにくい状態なんです。事故にも繋がりかねませんので何年か履いた靴の場合はリュックサックにテーピングテープをしのばせておくのが一番ベターな方法かもしれません。

    ほかにも登山靴や雨天時の乾燥室でのカッパの取り違えも毎年あります。用意周到な方は靴専用の名札をご用意されてる方もいらっしゃいますが、ごく少数派です。小屋では缶ビールの空き箱を切って名札を作ってありますので、それにマジックで各自名前を記入していただいております。下駄箱を設置して名札を記入していただくようになってからは取り違えも少なくなりました。

  また昨年も紹介いたしましたが、登山中の突然の心臓発作に対応すべく、各山荘に北アルプスの山小屋では初のAEDも昨年設置導入をいたしましたが、それにしましても登山者の普段からの節制や、十分な睡眠、十分な水分の摂取等々が大切なのは言うまでもありません。この優れた素晴らしい医療機器が使われることなく “備えあれば憂いなし” でこのままいけばそれが一番いいんですが。

   私どもも山荘内の部屋割りや乾燥室の順番等でもお客様からいろいろとお叱りもいただきます。AEDの導入だけでなく、山小屋もいろいろなことに気を配り、小さいことから大きなことまで、いろいろと難しいことも多多あると思いますが、一つずつ問題点を解決すべく努力していき、ひいては安全登山へとつなげていきたいと思います。


NO347  “梅雨明け十日” はまだまだ続きそうですよ。

  2007/ 8/ 10(金)

   8月1日の気象庁の北陸信越の梅雨明け宣言から今日 でちょうど10日目。梅雨明けから10日間ぐらいは安定した良いお天気が続くということで、よく “梅雨明け十日” という言葉が用いられます。今年はこの間に台風5号という無粋な奴の襲来もありましたが、それをのぞけば凡そ格言どおりの “梅雨明け十日” の好天が続いているようです。昨年も梅雨明けが大きく遅れたものの8月はまれに見るような好天が続きました。今年も昨年同様の好天がこのあともしばらく続きそうな気配ですので、“梅雨明け十日” はおろか “梅雨明け二十日” ぐらいになってくれればありがたいと思っています。でもものごとは中庸が一番。あまり欲張っては今度は水不足が心配になってきますね。できることなら昼間はこの好天が続き、夜間に夕立があれば一番いいんですが・・・・

   今日も夏の晴天が続いた鹿島槍ヶ岳周辺です。沸き立つ雲も夏そのものです。入道雲を見ていると、元気が出てきます。足元のお花はもちろん最高ですが、山ではさらに頭の上の雲の変化もお見逃しなく、秋になればさらに楽しい雲がいっぱいやってきます。快晴の一日は最高ですが、写真にはさらに山を引き立ててくれる雲やガスがやっぱりほしいものです。それに雲は雨 つぶ達の産みの親でもある訳で、やっぱりなくてはならないものですね。

   天気の安定とともにお客様の出足もようやく好調になってきました。今週末は11日、12日にやや込み合いそうですが、それにしましても三山荘ともに定員よりは少なく さほどの混雑ではなさそうです。またその後のお盆シリーズ(8/13〜8/16)は以前にもここでも書きましたが、あまり混み合いません。今日現在のご予約状況では、相当に?ごゆっくりして頂けそうです。なお8/18の土曜日はかなり混み合いそうですので、できましたならお盆シリーズが 絶対におすすめです。


NO346  昨日は立秋、今日はそれは爽やかな一日でした。

  2007/ 8/ 9(木)

   昨日は立秋。今日は暦どおりの秋立ちぬを思わせるようなすがすがしい一日になりました。終日ほとんどガスも湧いてこない天気を見ていると夏の天気というよりは初秋を思わせるような一日でした。今日はヘリコプターの荷上げ作業もありましたが、最初から最後までまったくガスにまかれる心配がなく、終始安心して作業に従事することができました。いつも夏の最盛期の荷上げの時はガスが沸き立ち、ガスが晴れるのを待ちながらの、まさに時間との勝負ですが、こんなにゆとりを持って当れたのは久しぶりのことでした。

   立秋の名のとおり、短い夏山はこれから次第に秋を思わせる光景も見せていってくれるでしょうが、まだまだもうしばらくは夏の光景が支配することでしょう。夏のお花は今が盛り、そんな中にまだまだとても小さな小さな初秋の訪れを見つけるのもまた楽しいですね。お足元に広がるいろんな“夏山”もしっかりと見ていっていただきたいものです。コマクサやチングルマ、ライチョウだけではありませんよ。


無風快晴の新越山荘。不足品や差し入れ品は届きましたか。

妙高山、火打山方面もすっきり快晴。鹿島槍も最高のお天気だよ。

種池山荘からの立山、こちらも最高ですね。お客様も増えてきました

初秋の代表花。トウヤクリンドウもつぼみを日に日に膨らませています。

盛夏から秋に咲く、その名もミヤマアキノキリンソウ。

NO345  ようやく天気も安定、お客様の出足も安定。

  2007/ 8/ 7(火)

   先週末の台風5号は金曜日の深夜から土曜日の朝にかけては猛烈な土砂降りになりましたが、そのあとは土曜日の午後遅くにカッパを着なければならなかったくらいで、お客様の行動時間にはそんなに大きな崩れにならず幸いでした。そんな天気の流れをお客様も読んでくださったのか? キャンセルも出たものの、予想より多めのお客様にご来荘いただき各山荘ともに、土曜日日曜日とにぎわうことができました。展望は今ひとつでしたが、ようやく満開を迎えようとしている種池山荘のチングルマや爺ヶ岳のコマクサ、周辺では盛夏を代表する鹿島槍ヶ岳から布引岳間のタカネツメクサなども咲き出しており、そこかしこのお花畑には皆さん喝采されたことでしょう。

   その後週明けの昨日、本日と朝は最高のお天気、そして日中はガスが沸き立ち夕方は再び晴れるといった典型的な夏型の天気になってきました。昨日は午後遅くに軽い雷雨もありいよいよ本格的な夏の到来といった感じです。7月中は天気に恵まれずいじいじされていたと思われるお客様方々もようやくの梅雨明けそして夏型の天候の到来となり、いじいじ感いらいら感をを払拭されての8月の入山開始かと思われますが、私どももまったくの同様の感であります。7月中は少々気合も空回り気味でしたが、お客様の増加とともにスタッフも気合十分、8月スタッフの入山とも相まって仕事の連係もうまく取れてきました。 このあともスタッフのみんな体調に気をつけて、お盆そして8月を乗りきっていってほしいものです。  

   ところでそのお盆ですが、毎年のように申し上げておりますが、意外に混みません。お盆がシーズン中のピークになったのは、はるか25年以上も昔のことです。今年も例外でなく8/13から8/16にかけては、現在のところ冷池山荘で毎日30人から40人ぐらいのご予約です。どうも昔混みあったお盆シリーズのわるいイメージ? はなかなかぬぐいされないようです。天気も安定してきて、お花もお盆過ぎまで夏の花がまだまだ見頃でしょうから、どこの山へ行くかまだ未定のお客様はぜひとも鹿島槍ヶ岳周辺への登山計画をご一考くださいませ。なおこの後は8/17(金)の種池山荘と8/18(土)の冷池山荘が少々込みあいそうです。


ようやく台風5号も去り、期待の夕闇に包まれん鹿島槍ヶ岳。(8/5)

8月6日のご来光は幻想的。

種池平稜線とその先に横たわる蓮華岳(8/6)

満開のチングルマと鹿島槍ヶ岳(8/6)

冷池テント場からの剱立山連峰。(8/6)

NO344  現在の台風の影響は・・・

  2007/ 8/ 3(金)

   昨日、今日と台風から湿った空気が流れ込み稜線はガスに終日覆われるような天候です。ただし基本的には今のところは大きな崩れもなく、やや風が強いくらいで、穏やかな天候です。雨は今日の朝方パラパラしたくらいです。今夜から明日午前中にかけては台風5号の影響がもっとも出る可能性がありますが、明日午後以降は急速に天候も回復するものと思われます。台風5号の影響で今週末のご予約も少なくなってしまいました。

      下の写真は本日午後3時の冷池山荘前庭のものです。


NO343  “梅雨明け十日” の天気が続いています。 

  2007/ 8/ 2(木)

   遅ればせながら気象庁からも昨日には梅雨明け宣言が出ました。鹿島槍ヶ岳周辺は今朝も夏空が広がり3日連続の晴天。いわゆる“梅雨明け十日” の最高のお天気が続いています。ようやく増えてきたお客様はもちろんのことスタッフにしてもウキウキの8月入りです。ただしこの晴天にまさに水を差すかのように北上する台風5号 の進路がこのあと週末にかけて心配になってきました。期待も込めてもっとも西よりのコースを進んで、大きなくずれもなければいいんですが・・・ 週末はたくさんのご予約を頂いていますが、みなさん台風情報を逐次ご確認していただき山行に備えてください。


ナナカマドの緑と鹿島槍ヶ岳。8/1

信越県境の山々もすっきり梅雨明け。

残雪の白が緑と青空に映える。

雲海に浮かぶ浅間山も梅雨明けを祝福。

岩小屋沢岳方面から。左に鹿島槍の勇姿。

新越山荘にもクルマユリが届きました。

最高の一日。そして明日への期待。(新越山荘8/1)

何もかもが最高の稜線歩き。新越山荘はそのオアシス。(8/1)