▲▲ 2008 / 6月 ▲▲

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NO402   長かった“中晴れ”もおしまいのようで、どっぷりの梅雨空です。

2008/  6/ 21(土)

   長野県北部地方は6/2に梅雨入り宣言が出されたものの、その後は空梅雨気味の天候が続き今週も前半は絶好の好天が続きました。そんな中まだ梅雨入り宣言が出ていなかった北陸地方も6/19には梅雨入り宣言が出て、それを境に長野と富山の県境に聳える鹿島槍ヶ岳周辺もようやく梅雨らしくなってきました。長野県北部地方の6/2の梅雨入り宣言は後日訂正される可能性もあるかもしれませんね。

   6月に入ってからスピードダウン気味だった融雪も今週前半の高温傾向、そしてここ数日の梅雨空、降雨によってそのスピードを再び加速していってくれそうです。今週はスタッフの第2陣、第3陣の入山もあったり、荷上げ作業もあったりして種池山荘そして冷池山荘ともに小屋の中も活気づいてきました。来週には新越山荘の小屋開け作業も進め7/1のオープンにこぎつける予定です。今日は雨がパラつくあいにくの空模様でしたが、 冷池山荘では今夏シーズン最初のお客様もお迎えいたしました。7月のシーズン本番へ向けて三つの小屋で一歩一歩準備をすすめて参ります。

6/18 快晴の朝。

種池山荘と重量感あふれる剱岳

冷池の残雪もずいぶんと少なくなりました。6/19

NO401   明日より柏原新道の通行が可能になります。

2008/  6/ 17(火)

   先週初めから柏原新道にそってステップの カット作業を 行ってまいりましたが、ほぼ終了して明日より通行が一応可能になります。あくまで一応ですので、勘違いなさらぬようにお願いいたします。夏山登山道とはまったく違って、中間帯から種池山荘にかけては延々と残雪上のトレースが続いています。夏道は所々に出ているだけです。今までも何度となく申し上げておりますが、下山時は特に滑落の危険性がありますし、朝夕はトレースも凍結します。ここ数日は山荘は連日氷が張る冷え込みです。アイゼン、ピッケル等の必携はもちろんのこと、技術、ルートファインディング等も確実な方のみの入山をお願いしたいと思います。例年になく残雪量も多く、柏原新道の上部の残雪上を下る際にもいつも以上に高度感を感じるくらいです。慣れてない方の入山はもう少し雪消えが進む7月に入ってからをおすすめしたいと思います。   長く続いた梅雨の中晴れも明日までとか、その後雨が続くようになればどんどんと雪消えもスピードアップしてくれることでしょう。赤岩尾根の方が雪は少ないですが、やはり上部には残雪が残っていますので同様の注意が必要です。とにかくスタッフが例年にない大量の残雪に奮闘してくれてカット作業も一段落、種池山荘と冷池山荘の2008夏山営業も明日からスタートになります。また爺ヶ岳の主稜線の登山道沿いではウラシマツツジ、ミネズオウ、コメバツガザクラ、コケモモといった小低木のなかなか気づかない小さな小さな花が咲き出しました。ヒメイチゲやキバナシャクナゲ、キジムシロなどもちらほら咲き出しています。主稜線の高山植物ロードもスタートです。

柏原新道“水平道”から“ガラバ”にかけて。

種池、冷池山荘連合軍でスコップ片手に残雪に奮闘。

NO400   今週末の柏原新道の通行はできません。

2008/  6/ 12(木)

   今週初めより柏原新道上部の カット作業をスタッフで始めていますが、当初の判断以上に残雪量が多く作業もきびしい状況です。現地は温度も低めの傾向が続き雪融けのスピードもなかなか上がらない状態です。スタッフ全員頑張って作業にあたってくれていますが今週末の開通 は難しい状況です。また残雪の厚みも想像以上で、例年になく滑落の危険性もつきまといます。よって今週末の6/14(土)および6/15(日)の開通はできませんので、もうしばらく先送りさせていただきます。“ケルン”の先からは残雪に埋まり道迷いや滑落の危険性もたいへん高いですので今しばらく入山は絶対にやめて頂きたいと思います。また開通と同時オープン予定の種池山荘と冷池山荘の営業再開も今しばらく延期させていただきます。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

種池山荘の周囲も雪融け遅い。

カット作業進める柏原新道上部“富士見坂”。

NO399   柏原新道の現況について。

  2008/  6/ 11(水)

   柏原新道の開通状況についてのお問い合わせがたびたびありますが、すでに柏原新道に沿って残雪上をスコップでカットする作業を開始しています。ただし残雪も多く、滑落の危険も常にありますので、ザイルを張ってスタッフの安全を確保しながら慎重に作業にあたっています。時間もかかりますし大変な重労働です。スタッフは気をつけながら早朝から夕方まで、頑張ってカット作業にあたっていますが、今現在何日に開通できるかどうかはまだはっきりしませんので軽率には申し上げられません。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。開通の案内があるまでは危険ですし作業の支障になりますので入山はやめてください。冷池山荘、種池山荘ともに柏原新道の開通を待っての営業オープンになりますのでこちらも今しばらくお待ちください。なお今までも何回も何回も書いていますが、開通といっても上部は延々と残雪の斜面を歩きます。雨が降ったり日差しが強かったりすれば、すぐにカットした斜面もダレてしまいますし、私どもも毎日毎日カット作業にあたるわけにも参りません。そんなわけでこの時期は常に滑落等の危険がつきまといますので、装備はもちろんのこと的確な判断ができる方のみの入山をお願いしたいと思います。ここへきて空梅雨気味もあって、全体的に雪融けのスピードはペースダウンしています。残雪が心配な方は7月に入ってからの入山をご計画ください。ようやく昨日は九州北部、そして本日は中国地方が梅雨入りしましたが、そういえば北アルプスの西側半分の北陸地方、富山県はまだ梅雨入り宣言がでていないんですよね。

NO398   ようやく九州北部も梅雨入りへ。

  2008/  6/ 10(火)

   今年はやや変則的な梅雨入りのパターンになり、本日ようやく梅雨入りの九州北部より、関東や甲信のほうが一週間も早い梅雨入りになってしまいました。 そんなわけで先週参加して参りました北九州市小倉 の『北アルプスの魅力を語る集い』、翌日の博多での『北アルプスの夕べ』 の両日とも梅雨入り前の晴天続きでした。集いはいずれも夕方から行われましたので、2日目の日中は時間が取れ、これまた恒例になった日帰りの九州登山へ私は出かけて参りました。今回は修験道の山として有名な英彦山(ひこさん)へ登ってきました。時間の関係でメインの入山口の英彦山神宮 下宮側からは入らず、北側の高住神社からの入山になりました。登山道もよく整備されており頂上付近はブナの大木が茂り、短い距離ですが北岳、中岳、南岳と快適な縦走が堪能できました。頂上の大木は落雷を受けたものが多く、自然の厳しさを感じました。 また山伏の修行場にふさわしいような岩場もあり身もひきしまる思いになります。ニホンジカの食害の被害があるようで頂上付近の幼木には網が巻かれたり、ネットが巻かれたりしており心配されます。下山後はやはり 初めて訪れた耶馬溪をめぐり、最後に子供のころ小学校の国語の教科書に載っていてずうっと脳裏に焼きついていた“青の洞門”を訪れることもでき てよかったです。洞門は現在では当時のものは少し残るだけですっかり観光地化して、ほとんどが拡幅されて自動車道路になってしまっているようでした。しかし私には子供のころに受けた 禅海上人が安全の為に30年もの歳月をかけて、のみと鎚だけの手作業という難行苦行の末に洞門を開通させた精神が200年以上を経た今でも 何ら色あせぬことなく感じられました。私たちもそんな気持ちで今後の登山道整備にあたっていきたいものです。

英彦山山頂(中岳)の英彦山神宮上宮。

200年近い風雨風雪雷難に耐える。

天井や壁には当時の手掘りの苦闘跡がのこる“青の洞門”

NO397   6月に入ってから、雪融けのスピードはややペースダウンです。

  2008/  6/ 8(日)

   長野県北部は6月2日に梅雨入り宣言が出てから梅雨らしい空模様が続いています。ただ雨はパラパラするのですが、あまりまとまった雨量にはなっていません。おまけに先週は温度もやや低めで鹿島槍ヶ岳周辺の雪融けのスピードは鈍り気味です。5月後半は高めの温度と、適度なまとまった雨が度々あり雪融けのスピードもいい感じになったのですが・・・・  柏原新道の中間部から稜線にかけての残雪をカットする作業もこのあとタイミングを見計らって着手いたしますが、カット終了してもしばらくは残雪も多く危険な状況は隣り合わせです。残雪の上の歩行、特に下山の際は更なる注意、技術、判断等が必要ですので慣れていない方には開通後も今しばらくはおすすめできません。赤岩尾根のほうも同様です。今後の柏原新道の開通状況についてはこの情報をご覧いただきたいと思いますが、少々遅めに推移するかもしれません。おすすめできるようになるのはやはり6月下旬以降でしょう。

NO396   九州の皆さんお待ちしております。

  2008/  6/ 8(日)

   先週は北九州市小倉で『北アルプスの魅力を語る集い』、翌日は博多でも『北アルプスの夕べ』が催され参加させていただきました。ここ数年毎年参加させていただいていますが、九州の皆さんの遠く北アルプスに馳せる熱意には頭がさがります。両日とも時間にも限りがあり皆さん全員のご相談に応じることができなかったのは残念でしたが、ぜひまたご計画いただき北アルプスに挑戦していただきたいと思います。団塊の世代の最近登山を始められたご夫婦と、お若い方も目立った今回でした。

両日とも250人を超える方々で熱気がみなぎっていました。皆さん有難うございました。

ご存知 燕山荘の赤沼社長、おなじみのアルプホルンで北アルプスの風を届けてくれました。

NO395   “慎太郎祭” の好天は天からの贈りもの。

  2008/  6/ 2(月)

   昨日はみごとなまでの好天の下で、北アルプスの夏山シーズン到来間近を告げる第51回針ノ木岳 慎太郎祭が開催されました。梅雨入り前の残雪たっぷりの大雪渓には、強い日差しの中200人近い参加者が集い、開山を告げる神事や山の歌の合唱が谷間にこだましました。慎太郎祭も半世紀を過ぎ新しい半世紀のスタートです。式典終了後には多くの参加者がガイドと針ノ木小屋まで往復して、裏銀座の山々や槍ヶ岳、鹿島槍ヶ岳などの展望を満喫してきました。昨日は長野県内ではほかにも上高地のウェストン祭や苗場山の開山祭など各所で開山祭が開かれたようです。いよいよ 登山シーズンもスタートのようですが、2500mを超える北アルプスのように残雪たっぷりの山域は、本格的な夏山シーズン到来は残雪が少なくなる7月に入ってからです。まだまだアイゼン、ピッケル等をお忘れないように願います。

   針ノ木岳、針ノ木雪渓周辺も5月の数回のまとまった雨と好天の繰り返しで、雪融けもほぼ平年並みの感じです。またいつもの年と同じように大沢小屋周辺ではブナの新緑の中、ムラサキヤシオツツジやオオカメノキ、ミネザクラなどが咲き出し色を添えてくれていました。そして今日は慎太郎祭の終了を待っていたかのようなタイミングでの梅雨入り宣言、ますます雪融けは加速し緑は増していってくれることでしょう。ただし各所の開山祭も梅雨入り宣言で今しばらくは一服のようですね。

蓮華岳に奥社がある若一王子神社の宮司さんによる神事で安全登山を祈願。

参加者で記念登山へ。雪もたっぷりで快適な雪渓歩きです。

大沢小屋周辺は今がお花見の真っ盛り。ミネザクラと岩小屋沢岳。

近代登山草創期の面影を残す大沢小屋は百瀬慎太郎翁が開設した。右後方に爺ヶ岳南峰。