▲▲ 2011 / 6月 ▲▲

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NO 922  明日は梅雨の中休みへ

2011  6/ 29(水) 

  日中はあいにくのガス模様でしたが、夕方になってそのガスもとれて、ぐるっと360度、全山姿を見せてくれました。遠く東の空、浅間山の上には見事な入道雲も沸き立ちました。明日はすっきりした朝を迎えられそうです。夜になって少し冷え込んでもきました。真夏日の下界の皆さんからは想像できない世界でしょうね。今夏はぜひ北アルプスへ涼みにお越しくださいね。

NO 921  7月入りを前に雪解けも大前進!

2011  6/ 28(火) 

   このところのまとまった雨と、温度上昇で雪解けも目に見えてスピードを上げています。柏原新道は2週間前の通行再開の時からは信じられないくらいに、雪の量も減り、途中の大きな雪渓は通常7月まで残る“アザミ沢”と“ガラバ”の2箇所の横断と、種池山荘直下の“枕木坂”の3箇所になりました。いずれも種池山荘で適宜 雪切り作業をしていますので、もう通行再開時の頃のような心配はほぼなくなりました。また赤岩尾根のほうも例年7月になっても残る、最上部の“馬の背”からのトラバース部分と高千穂平上部の雪渓のみになりました。最上部のトラバースはカットしてありますので、滑落に注意しながら通行してください。また高千穂平上部の雪渓の部分は白樺林の中の冬道をもうしばらくは通ってください。

   また主稜線に出てからは、種池山荘前や冷池山荘テント場北方に雪田が残っていますが、大きな心配はありません。雪の上から登山道に移るときにバランスを崩さぬよう注意なさってください。これらのコースはほぼ冬山装備も必要はなくなりました。一方で種池山荘〜新越山荘間にはとろどころに登山道上に残雪がありますので注意して下さい。また針ノ木岳〜針ノ木小屋の間には大きな雪渓がありますし、針ノ木大雪渓の最上部も雪の斜面が急になっていますので、まだしばらくはアイゼン、ピッケル等は必携です。新越山荘も7/1(金)にはオープンになりますが、残雪への備えと転滑落への注意はしっかりとお願いします。

   雪解けが進むにつれて、お客さまも毎日ちらほらとお見えになるようになってきました。また先日はなんとか無事に荷揚げも完了して、スタッフも少しずつ夏山入り間近を実感するようになってきました。今日は先日上がった生ビールもセッティングして、スタッフも初物におこぼれ頂戴です。鹿児島県には早々の梅雨明け宣言が出て、こちらもそろそろ期待できるかな? なんて超 淡い期待を持ってしまいましたが、来週はまたまた本州上に梅雨前線も停滞するみたい・・・  まだまだのようですね。それでも今年は海の日3連休が早めにやってきますので、なんとか7/15ごろまでには明けてほしいものですね。

種池山荘前庭の雪も消え、柏原新道への下り坂“枕木坂”も現れてきました。(6/28) 早く生ビールの季節がやってきてほしいですね〜

NO 920  今夏は下山後のコーヒーブレイクにいかが。

2011  6/ 28(火) 

   当ホームページの 『柏原新道を登ろう』 を手直しして、入山前の拠点でもある大町温泉郷周辺の情報も少しだけ追加しましたのでご覧になってください。先日もお客様から、他のコースの案内も 『柏原新道を登ろう』 にならって作ってください、といったご要望がありましたが、前々より自分でもそうしたいとは思ってはいます。ただなかなか一朝一夕には参らないといったところが実情です。今後はまたしっかり写真を撮りためたりしながら、冬のあいだに少しずつ 作成していきたいものです。

   ところで、後立山連峰南部の拠点でもある大町温泉郷ですが、今年の5月に手づくりケーキとコーヒーの店 『コンディトライ・アン・マレリ』 がオープンいたしましたので、地元のみなさんはもとより登山のみなさんにもご紹介申し上げたく思います。場所は扇沢駅行きバスの大町温泉郷バス停の真ん前になります。ちなみに皆さんご存知の薬師の湯からは100mほど東側です。大町の両隣の安曇野や白馬には都会から I ターンされた方がいろんなお店を開かれていますが、大町はどうもスルーされてしまっている感が強かっただけに、都会生まれのお若い女性がご両親のお力も借りながら、大好きな大町におしゃれなケーキのお店を開かれたということが、大町市民のひとりとしてとてもうれしい思いなんです。アンさんが大町周辺の素材をもちいて作った新鮮なケーキとともに、美味しいコーヒーも店内で召し上がれます。山ガールもとっても似合いそうなお店です。もちろん “永遠のお登女(乙女)” の皆さんもぜひお立ち寄りくださいませ。温泉郷で一汗流したあとにどうぞ。登山のあとには、体が甘〜いものを絶対に欲していますよ。 もちろんお味のほうも折り紙つきですよ。

 

 

 

 

 

NO 919  一念天に通ず。

2011  6/ 26(日)   

  天候に恵まれず、3日間順延を余儀なくされたへり荷揚げ作業でしたが、ようやく本日は30便余りの荷物を3つの山荘へ上げることができました。今朝も雨が降ったり止んだりで、スタートが遅れたり、その後もヘリポートと小屋の間の中間帯にどっぷりとガスが停滞したりで、一進一退といった状態で苦労しましたが、午後1時ごろからはようやくガスもきれて天気も安定。山岳ヘリNO.1の名機『ラマ』を操るK機長の操縦も冴えわたり、いっときは全部上げられるか心配された荷物も滞ることなく無事に上山完了いたしました。

  いつものことながら荷物をつくる人、運ぶ人、そして受け取る人のスムーズな連携で、今季最初の本格的な荷揚げ作業を完了することができました。小屋のスタッフは不足していた物や、新鮮な野菜や、私物も上がってきてひと安心です。粘り強く待っていただいたヘリスタッフの皆さん、お手伝いいただいた食品会社のF さんには厚く御礼申し上げる次第であります。あとは7月の夏山シーズン突入、順調な梅雨明け、そしてお客様の来荘をお待ち申し上げるばかりです。新越山荘も7/1(金)からの営業再開になります。

荷揚げが歩荷(ボッカ)からヘリになってすでに45年以上。そのたいへんさに変わりはありません。今季も何回かの荷揚げがありますが、がんばってやっていきます。

雨も上がり、ヘリの飛来を待ちます。(種池山荘)

頑張ってくれた除雪機もお役御免で帰還です。

 

NO 918  長野県内恒例の学校登山の日程。

2011  6 / 25(土) 

  東日本大震災の影響等で今夏の観光地等への入り込み予想については、まだまだ不透明な部分があるようです。登山に関しては、一般的な観光よりもコアな部分がありますので、今シーズンも例年並みにお客様がきていただけるものと期待しています。そして来週にはいよいよ7月入り! 皆さんも今年の北アルプス登山はどんなコースにするか、計画立案には余念がないことと思います。お天気に恵まれた良い山行になることをご祈念申し上げます。

  さて長野県内恒例の中学校登山が今夏も各山域で実施されます。当方にも毎年10校ほどの学校が登ってきてくれます が、下記の日程で実施予定ですので、ご参考にしていただきたいと思われます。一般の登山者の皆さんの中には大きな団体登山を敬遠される方もいらっしゃいますが、生徒さんはみな素直ないい子ばかりです。ただ元気な盛りですので少々小屋の中でもにぎやかなときもあるかもしれませんが、みなルールを守って山小屋生活や登山を毎シーズン楽しんでくれています。

                  種池山荘と冷池山荘の学校登山日程表

  7/19(火) 7/20(水) 7/21(木) 7/25(月) 7/26(火) 7/27(水) 7/28(木) 8/24(水) 8/25(木) 8/31(水)
種池

 30人

 

 100人

 30人

190人

 

120人

 70人

 20人

140人

冷池  

60人

     

 150人

 

     

 

 

 

   学校登山の予定日では種池山荘の7/26(火)が小屋の定員に近い人数ですので、この日のご宿泊は避けていただきたくお願い申し上げます。また冷池山荘の7/27(水)も学校登山の150人以外にも一般団体が入っており混み合いそうです。なお学校登山は雨天の際には8月後半へ順延になります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。

  また一般のお客様に関しては、7/16(土)からの海の日3連休 を含め、7/23(土)、7/30(土)、8/6(土)、8/20(土)、8/27(土)の各週末ともに平均的にご予約をいただいており、現在のところ突出して混雑が予想される日は見当たりません。 どちらにしましてもご予約数が伸びてくるのも7月に入ってからですので、まだまだ今シーズンの入り込み傾向もわかりかねます。当方ではできるだけゆっくりとお休みいただけますように、定員を超えると予約をお断りして日程の変更や宿泊小屋の変更等をお願い する場合もございますが、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。ただ定員と申しましても下界の宿泊施設の定員とはと違ってかなりきつめであります のでご了承くださいませ。少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入 り込みができるだけ平準化しますようご協力とご予約をよろしくお願いいたします。 

NO 917  明日こそ・・・

2011  6/ 25(土) 

   早朝までの土砂降りは去ったものの、その後も終日にわたっての雨模様。当然のことながら今日もヘリ荷揚げ作業はできずじまい。ストレスやプレッシャーも高まる一方ですが、明日こそおだやかな晴れ間を期待したいものです。

  今日はそんなあいにくのお天気でしたが、種池山荘には今季初の10人超えのお客さまもお越しくださいました。明日はお客さまも我々も歓声を上げるような、最高のアルプス晴れ、絶好のヘリ日和になってほしいものです。今回の大雨で柏原新道の雪解けは超加速! 次週末までには、新道上の残雪も数箇所ぐらいになりそうです。

濃いガスの中種池山荘前の雪渓を最後の頑張り

埼玉県の川井様パーティ。雨の中お元気に到着。

NO 916  残念・・・

2011  6/ 24(金) 

   昨日降り続いた大雨も明け方には上がり、昼過ぎまではまあまあ視界もきいたお天気が続きました。ただし風が一向におさまらない、常時20mを超えるような強風が吹き荒れた強烈な一日。そして午後2時過ぎにはふたたびの雨降りへ・・・   

  昨日の大雨、そして強風吹き荒れた今日とヘリコプター荷揚げができません。今日も視界は良いのに、常時20mそして時には30m近い突風が吹き荒れるのですから、なすすべもありません。胃が痛くなる待機の日々が続きますが、なんとか一日も早く穏やかな梅雨の中休みがやってきてほしいものです。昨日のまとまった雨は160ミリを超え、さらに雪解けを加速してくれました。種池山荘前の雪も目に見えて減ってきています。来週はいよいよ7月入り! 夏山シーズン入りも目の前に迫ってきた感じです。

ヘリ荷揚げの荷物を下ろす場所に赤く印をつけて、ヘリの到来を待つものの、猛烈な風はついに止むことはありませんでした。(種池山荘 6/24)

NO 915  絶好の外仕事日和。

2011  6/ 22(水) 

   昨日の移動日とはうって変わっての晴天。新越山荘の庭先に広がる残雪の蓮華岳や針ノ木岳の山並みが最高です。新緑も主稜線の直下まで近づいてきています。いつまでもゆっくりと眺めていたいところですが、そういうわけにも参りません。小屋の内外での小屋開け作業が山のように待っています。今日の午前中はまだまだ2.5m以上の残雪に埋まっている半地下の玄関の掘り起こし作業です。雨が降り出す前に完了! 気持ちのいい汗がかけました。このあとの空模様とヘリの荷揚げがいちばん心配なところですが、7/1(金)の山荘オープンへ向かってがんばります。

  針ノ木岳方面はまだまだすごい残雪量です。アイゼンやピッケル等は7月中旬までは必携です!

ここ数日も北アルプス北部では滑落事故や、道迷いによる遭難が連日のように発生しています。写真のような残雪があるわけです。当然のことながらいたるところで夏山登山道は隠れているわけで、しっかりとしたルートの判断が要求されますし、滑れば大きな事故につながるのもあまりに当然のことであります。まだまだ夏山にはなりきれてない季節ですので、残雪にはくれぐれもご注意ください。

残雪期は雪庇の頭から新越山荘越しに剱岳立山を望めます。(6/22)

7月中旬までは針ノ木雪渓はもとより、頂上〜針ノ木小屋間の残雪に要注意です。(6/22)

新越山荘の前後は雪庇の跡の雪上を歩くので、山側を注意して通行。(6/22)

NO 914  まさに梅雨の中晴れ!

2011  6/ 22(水) 

   今日の午前中は、みごとなまでの梅雨の中晴れになりました。入山後初めての快晴に逢ったスタッフは大感激です。こんなお天気がもうしばらく続いてくれたら、どんなにかうれしいのに・・・・  午後遅くからはふたたびの梅雨空です。

冷池テント場の北方主稜線と鹿島槍ヶ岳。雪庇の跡の上を注意しながら頂上を目指します。(6/22)

布引平からの蓮華岳、針ノ木岳方面および左に立山。(6/22)

種池山荘からの蓮華岳、針ノ木岳。気持ちの良い朝です。(6/22)

種池山荘の西方から剱岳、立山を独り占め。まさに梅雨の中休みの一日。(6/22)

NO 913  新越山荘に入山。

2011  6/ 21(火) 

  昨日午後からの雨模様も、今日は小康状態で時々日も射したり、逆に強風が吹き荒れたりするお天気。そんなめまぐるしく変わるお天気の間隙をねらって、今日は新越山荘へ小屋開けスタッフが種池山荘より移動しました。さいわい雨も少しパラパラするくらいで、大したことなく新越山荘へ到着できました。途中 の登山道上にはまだかなりの残雪がありますが、いちばん危険な箇所は事前に種池山荘スタッフが雪切りを済ませていたので、問題なく通過。その後の岩小屋沢岳の北方稜線の雪庇上を歩くところも、谷側へさえ出なければ大丈夫。順調に昼までに全員新越山荘へ到着。こちらも6月上旬に事前に、小屋周りの最低限の除雪作業を施しておいたので、ほどなく小屋へ入ることができました。 主稜線の残雪状況はいつもより若干多めというところのようです。このあとは7/1(金)からの営業開始を目指して準備を進めてまいります。

種池山荘より新越山荘を目指して出発。皆元気に新越山荘に着任しました。(6/21)

昨日上山した第2陣スタッフの一部は冷池山荘へ移動。(6/21)

種池山荘前庭より、蓮華岳、針ノ木岳を望む。梅雨の中休みの一日。(6/20)

鹿島槍ヶ岳の残雪も、ここへきてほぼ平年並みか。(6/20:冷池山荘)

NO 912  冷池山荘と種池山荘は営業開始しました。

2011  6/ 19(日) 

  予定通りに17日から冷池山荘と種池山荘の今 夏山シーズンの営業スタートしました。土曜日には小雨がぱらつく時間帯もありましたが、総じてまあまあのお天気で、柏原新道も開通したこともあり、早速冷池山荘は初日から今日まで3日間連続でお客様をお迎えすることができました。といっても全員で5名様ですが・・・  とはいえやっぱりスタートからお客様をお迎えできることはうれしいことです。種池山荘も昨日は今季最初のお客様にお泊りいただくことができました。今年は大震災の影響もあり、夏山登山の動向もなかなかつかみきれないシーズン入りとなりましたが、これから10月中旬までの4ヶ月間遭難や事故のない良いシーズンになってほしいものです。今シーズンもよろしくお願いを申し上げます。

   なお雪解けは日に日にスピードを上げてきています。小屋周りや柏原新道も人が歩くのでさらに雪解けが進んでいます。冬でも吹きっさらしの強風で雪が飛ばされてしまう主稜線西側の登山道はほぼ夏道が現れてきています。ただ主稜線の東側(風下側)を通っている箇所では登山道はまだ雪の下ですので注意が必要です。常識として覚えておいて下さい。今日は五竜岳からキレット、鹿島槍を越えて来られたお客様がおられましたが、五竜岳から鹿島槍ヶ岳間はほぼ登山道は現れているとの情報をくださいました。ただし7月初めまではまだまだ不安定な要素が多いですので、慣れた方でないとお奨めはいたしません。

   また赤岩尾根の最上部の残雪帯のトラバースも雪切り作業はすみましたが、雪解けに伴い上部斜面の山肌が引きずられて、落石がおきやすい状態ですので、しばらくは滑落への注意はもちろんのこと、落石等にも注意が必要です。同様のことは柏原新道上部のガラバの前後でも言えますのでご注意くださいませ。今週は 梅雨前線も北上して、北アルプスのお天気もいよいよ梅雨らしくなるとか・・・  雪解けもどんどん進んでいきそうです。しっかりとした防水対策、あわせてまだ防寒対策もまだまだ必要です。もちろんピッケル、アイゼン等もまだまだ必携の時季です。

玄関に種池名物“千の鐘”を今年も取り付けました

まだ地面が出ないので雪の上に道標も仮置きです

売店やロビーも女性軍が整えてくれました。

ベンチも出してなんとか、さまになりましたね。

爺ヶ岳の主稜線登山道はほぼ夏道が出ています。(6/17)

主稜線で最初に咲きだすウラシマツツジ。

同じくコメバツガザクラ。

NO 911  今朝は薄氷が張るも、順調に雪解けはすすんでいます。

2011  6/ 15(水) 

  ここへ来て雪解けのスピードも加速モードに入った感じです。そして昨日通行可能になった柏原新道も早速登山者の往来もあり、人が歩けばその踏み跡によってさらに雪解けはすすんでいきます。本日はまた当山荘の夏山スタッフの第1陣の5人も柏原新道を通って順調に種池山荘へ到着しました。17日からの種池山荘と冷池山荘の営業開始、そして来週には第2陣の入山、新越山荘の小屋開け、ヘリ荷揚げと夏山シーズンへ向けて準備のほうも加速モードに突入です。

  一方で今朝はこの時期としては冷え込んで、1度まで温度も下がり、超薄氷も張りましたが、日中は温度も上がり、雪解けのほうはいたって順調に進んでいます。この分で行くと次週の週末6/25(土)には、かなり安心して柏原新道も通行できるようになりそうです。小屋の周りはまだまだ残雪多く、小屋の中にしまっておいた物も、思うように出せないでいますが、このあとはどんどんとやって行かなければなりませんね。なお入山する方にお願いですが、まだまだアイゼン、ピッケル等は必ず持ってきてください。今年は雪が例年になく腐っていますが、いつどんな場面に遭遇するかわかりません。

富士見坂下部(6/15

富士見坂上部(6/15)

ガラバ(6/15)

先遣隊の道先案内でスタッフ第1陣到着(6/15)

NO 910  柏原新道開通、そして山荘も再開へ。

2011  6/ 13(月) 

  梅雨空の下、残った箇所のカット作業を進め、本日柏原新道の中間帯から上の雪切り作業の目処をつけました。一応明日から柏原新道も通行可能になります。そしてそれに合わせて種池山荘と冷池山荘も今夏の営業を6/17(金)より再開いたします。ただ6/12のNO.909でも書きましたし、毎年この時期にしつこいくらいに申し上げていますが、通行可能といっても夏の登山道とはまったく違う、登山道とは名ばかりの似て非なるものであります。中間帯から上部は種池山荘まで約1.5キロメートルぐらいにわたって延々と雪の斜面をトラバース気味に上がっていきます。上りはともかくも下りの際の、富士見坂あたりの高度感は、慣れない方にはかなりの恐怖感を与えるようで、過去にも下りるに下りられずひと騒動になった女性もいるくらいです。慣れない方は6/25(土)の週末辺りまでお待ちいただいたほうが無難と思われます。そのころになるとかなり雪も消えて登山道も現れてくるし、斜面の雪も消えて、木々も背伸びを始めて、かなり安心して通行できるようになると思います。そのころでも今と大差ない残雪の山々と新緑を楽しむことができます。

  一方、赤岩尾根のほうも上部にはまだかなりの残雪があります。最上部の国境稜線へのトラバースはまだカットしてありませんので、慎重に通過してください。 また柏原新道の登山口周辺では雪による倒木や先日の台風によるものと思われる倒木もまだ片付いていません。他にもところどころで倒木があり、歩きにくい箇所がありますので気をつけて通過してください。下部では満開だったシャクナゲは終わりに近づき、ムラサキヤシオ、タムシバ、オオカメノキなどが咲きだしています。小屋の周りや主稜線でもウラシマツツジやミツバオウレン等の小さな春の花が咲きだしています。いよいよ今年も夏山シーズンがまもなく始まろうとしているようです。

富士見坂上部

富士見坂下部

ガラバ

大廻り

NO 909  新道の通行再開へ向けて。

2011  6/ 12(日) 

  数日前から若い衆が、種池山荘から下へ向かって柏原新道のカット作業(雪切り)を開始、連日頑張ってくれています。たいへん危険な作業になりますので、慎重に進めておりますが、数日中には通行も可能になると思われます。なお通行可能になっても、しばらくは中間帯より上は残雪とても多く滑落したら大事故は必至ですので、最大限の注意が必要ですし、冬山装備も持参するのが当然でしょう。とくに下山時はご注意ください。

  また通行可能になっても、その後はカット作業も数日置きになりますから、カットしたところも雨や強い日差しでダレてしまいますので、的確な歩行技術と判断がより必要です。一方では雨や強い日差しによって、全体の残雪量が少なくなり夏山登山道の現れる箇所が増えてくるのも言うまでもありません。どちらにしましてもかなり安心して通行できるようになるのは6月末近くになってからです。

NO 908  滑落にはまだまだ要注意です。

2011  6/ 7(火) 

  6/5(日)には、恒例の 『針ノ木岳 慎太郎祭』 が開催され盛会裡に終わりました。梅雨の中休みの好天に恵まれたことや近年の山ガールブーム等の影響もあって、ここ数年ではいちばんの参加者数という感じでした。会場の針ノ木大雪渓は近年にはないくらいの残雪が残っており、新緑のなか残雪歩きをするにはもってこいです。頂上を目指す人、お祭り広場周辺を散策して咲きだした花々を愛でる人等々、みなさん新緑と残雪を十分に満喫できた一日になったことでしょう。

  4月後半の大量の降雪とそれにともなう大きな雪崩がいくつもの沢から発生したようで、デブリがいつになくすごかったのが第一印象の針ノ木大雪渓でした。大沢小屋の支配人にうかがえば、いずれの雪崩もゴールデンウィーク中の夕方に発生したらしいとのことで、すでに登山者やスキーヤーが下山してからの時間帯だったようで事故等がなかったのはさいわいだったとのことでした。これが日中の発生だったらと考えたらゾッとしたくらいでした。おりしも先週末は滑落事故が餓鬼岳で発生したり、白馬大池でも重傷者が発見されたり、他地区でも遭難があったりと残雪に伴う事故がまだまだたくさん起こっている北アルプスです。

  6/5(日)には 『針ノ木岳 慎太郎祭』 だけでなく、上高地のウェストン祭や八ヶ岳でも開山祭が開催され、いかにも夏山シーズン突入! といった感じで思われがちですが、まだまだ一般に言われる“夏山” とはかなり違う残雪たっぷりの、下界で言えば仲春の山といった感じです。この時季は各所で開山祭と銘打って催しが開かれますが、殊に北アルプスにおいては夏山開きと言うよりは夏山到来近しを告げるイベントと思っていただいたほうが間違いないでしょう。7月初旬までの北アルプス入山には、ピッケル、アイゼン等を持参するのは当然のことです。昨日には私どものスタッフも赤岩尾根を登って冷池山荘と種池山荘へ入山しましたが、赤岩尾根の上部はまだ大量の残雪に覆われて夏山登山道は現れていません。このあとは状況を見ながら、登山道最上部の雪切り作業にはいりますが、作業もたいへん危険が伴いますし、通行OKを出しても危険さは同じですので、様子を見ながらあわてずに進めていきたいと思います。柏原新道の通行が可能になるのを待って、山荘の営業は開始になりますので、今しばらくお待ちくださいませ。

例年になく残雪多い針ノ木大雪渓。(6/5)

今シーズンのあらゆる安全を祈願。(6/5)

今夏は遅くまで雪渓歩きが楽しめるかな。(6/5)

山ガール、山ボーイも目立ちました。(6/5)

大雪渓と後方には爺ヶ岳南峰。

どこかで見た覚えがあるファミリー発見!

お馴染のクマさんも参加です。ブログへどうぞ

NO 907  雪解けは着実に進んでいます。

2011  6/ 3(金) 

  今日は5/26以来、9日ぶりに20度を超え、雪解けもちょっとだけ加速してくれたようです。お天気も回復して、扇沢と西俣出合に状況の確認に行ってきました。5/26の超早い梅雨入り以降は、まとまった雨もあって、柏原新道の雪消えも大いに期待していましたが、温度の低い状況が続いたこともあって、期待していたほどの雪消えのスピードではないことが確認できました。

  来週にはスタッフも再入山して小屋開きへ向けて準備を進めてまいりますが、山荘の営業再開は柏原新道の通行ができるようになってからです。柏原新道はケルンの先までは行けますが、それより先は残雪に埋もれて大変危険です。滑落でもしたら重大事故は必至です。今しばらくお待ちいただきたいと思います。また冬山ルートである爺ヶ岳南尾根も雪解けがすすみ、登山者が歩くことによって、貴重な植生を傷つけてしまいますので、この時期の入山は自粛してほしいと願っております。

順調に雪解けは進んでいますが、まだまだ柏原新道の中間帯から上はご覧の状況です。(6/3)

赤岩尾根の最上部。雪解けは順調です。(6/3)

赤岩尾根登山口の西俣出合。(6/3)

登山口ではムラサキヤシオが美しい。

新緑も真っ盛り。

NO 906  九州新幹線に思いを馳せて。

2011  6/ 3(金) 

  今週はこの時期恒例の、『北アルプスの魅力を語る集い』に北九州へ行ってきました。毎回おおぜいの皆様にお集まりいただき、熱心にお聴きいただき、また夏には北アルプスへと足を延ばしていただきありがたいかぎりです。厚く御礼を申し上げます。

  今回は前後に、仕事やら行事やらまた不幸もあったりで、一晩泊まりのとんぼ返りになり、私にとっての恒例の九州の山歩きはボツになってしまいました。それでも偶然博多駅で九州新幹線の鹿児島行きのさくら号に逢うことができて、またいつの日にか九州南部の山々へ足を延ばすことを夢見て帰途に着くことができました。そういえば大震災の翌日だったんですよね。九州新幹線の全線でのオープン! 大震災の報道のかげに隠れて、まったく報道もされることもなく、ある意味きびしいスタートになったと思いますが、このあとは九州新幹線から、そして九州から全国に向けて元気を発信していってほしいものです。

  それともうひとつ、福岡空港から松本空港行きのFDA(フジドリームエアラインズ)の旅客機が運行開始してから、ちょうど1周年にも当たる日でした。まだ知名度が低く、搭乗率がなかなか目標に達していない状況のようですが、信州行きにはたいへん便利で1時間半で機上から北アルプスや安曇野の美しい光景を手に入れることができるのは、なかなか魅力的ですよ。九州北部の皆さんにはぜひともご利用いただければ幸いです。今日はJR九州やFDA(フジドリームエアラインズ)の宣伝マンになってしまいましたが、こんな時代だからこそお互いに支えあっていくのが大事ですね。今夏も遠く九州をはじめ全国から信州に、北アルプスへとお越しくださることを切に願っております。

活動のおかげもあって、年々九州からの北アルプス登山のお客さまは増えています。 緑色のFDA機。今度は“アルプちゃん”の描かれた機体も近々登場!とか。 ところで “アルプちゃん” って? 誰? みなさんご存知ですか。

鉄道おたくになってしまいそうなスマートなフォルム

またエンブレムがカッコいい。