▲▲ 2012 / 4月 ▲▲

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NO  1132   みごとなアルプス晴れの、ゴールデンウィーク入りです。

2012  4 / 28(土) 

   2012年ゴールデンウィークは、熱いくらいの日差しが北アルプス主稜線にも差し込む、快晴ポカポカのスタートです。朝までに小屋の周りに注意書きの看板を立てたり、ベンチを出したり、山荘内の最終準備も整え、昼過ぎには、今季初のお客様もお迎えできました。初泊りのお客様がたには、ウェルカムビールを差し上げ、シーズン開幕の祝杯を上げていただきました。昨年は大震災や、週末のたびに見舞われた悪天候等、なかなかきびしいシーズンになりましたが、今年はなんとか穏やかな、そして事故のないシーズンになってほしいものです。今季もよろしくお願い申し上げます。

黄色い各種立て札も立てて、お客様を待つのみ。無風快晴のゴールデンウィーク初日です。 玄関の冷池山荘看板は、定位置がまだ雪の中で、G.W中は玄関を出たポーチ下に納まりました。

NO  1131   最近の周辺状況。

2012  4 / 27(金) 

   いよいよ大型連休もスタートですが、最近の爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳周辺の光景です。雪は多めのところや少なめのところもと、まちまちですが、総じてやや多めといったところでしょうか。ここ10日ほどの鹿島槍ヶ岳周辺は、やや温度は高めの感じでしたが、天気の移り変わりはやたら早かったのが印象です。連休前半はお天気も安定傾向の予報で、ちょっと期待 ですが、崩れたら一気に真冬の世界に、まだまだ逆戻りする季節ですので、最新天気をご確認の上で、完全冬山装備にて入山なさってください。

   なおマイカーで来られる方は、扇沢登山口周辺はまだ残雪も多く、駐車台数もかぎられます。できるだけ乗り合わせや公共交通でお出かけください。周辺がいっぱいの時は扇沢駅市営駐車場へ入れてください。また毎年お願いしていますが、路上駐車や、はみ出し駐車は絶対におやめください。周辺は見通しもわるく、大型観光バスの通行に支障がでることが、毎シーズンたびたびあり、大変困っています。駐車マナーの徹底を重ねてお願いいたします。扇沢周辺は黒部立山アルペンルートへ入る年間100万人を超えるみなさんの大観光地でもあります。

扇沢の登山口から残雪有り。例年八ッ見ベンチ辺りまでは結構、夏道も出ているんですが、今年はほぼ残雪の下で、爺ヶ岳南尾根も残雪は多め。

八ッ見ベンチから先は、南尾根も雪に完全に覆われており、爺ヶ岳南峰をめざして、尾根をはずすことなく、南尾根を直登。

爺ヶ岳南峰から南尾根を俯瞰。正面に蓮華岳。

爺ヶ岳南峰から種池山荘と立山連峰。

爺ヶ岳中央峰と北峰。 爺ヶ岳北峰稜線。ほぼ夏道伝いに歩く。

鹿島槍ヶ岳東尾根の上部。

爺ヶ岳南峰からの鹿島槍ヶ岳方面。

冷池山荘からの爺ヶ岳方面。 鹿島槍ヶ岳東面、北股本谷方面。

ようやく冷池山荘の除雪も終了へ。

赤岩尾根の上部。転滑落に注意。

NO  1130   赤岩尾根状況。

2012  4 / 26(木) 

   今日は予想通りに、一日中雨降りの鹿島槍ヶ岳周辺でした。 ちなみに入山後も降れば雨で、雪にはなっていません。つい先日までの寒波続き、降雪続きがうそのようです。さて冷池山荘の除雪作業もなんとか、玄関まで掘り出すことが終了して、私は所用のために、夕方までに赤岩尾根を下山、大谷原へ下りてきました。赤岩尾根下山 で一番チェック したかったのは、西俣出合の赤岩尾根取り付き点への、大冷沢の渡渉箇所でした。当情報のNO.1127でもご紹介したように、例年なら雪崩の大量のデブリの上を橋替わりにして通って、大冷沢を渡って、赤岩尾根に取り付くのが通常ですが、今春は雪崩がまったく出ておらず、沢を覆った残雪がたいへん薄く踏み抜きそうで、心配していました。今日も思案しながら下山してきましたが、なんとこの3日 、4日ほどの間に、西沢から相当に大きな雪崩が出て、対岸の工事道路に着かんばかりに沢を覆い尽くしているじゃないですか。これで、連休中は問題なくデブリの上を注意して渡って、赤岩尾根に取り付けます。渡渉についてはこれでひと安心です。ただ4月下旬になってもこれだけ大きな雪崩がまだまだ出るわけですので、西沢を登下山される方や、スキーをされる方々はまだまだ要注意ということです。もちろん赤岩尾根に取り付く際も、短い区間ですが、注意して素早くデブリを渡るのは言うまでもないことでしょう。

   さて赤岩尾根の積雪状態ですが、取り付きから始まって終点の主稜線直下まで、全線において、近年においてはかなり多いように思えました。それもズボズボサクサクの歩きにくい雪質です。昨日鹿島槍東尾根を登ってこられた方に冷池山荘にて伺っても、同様のズボズボの雪のラッセルに難渋したとのことでした。好天に恵まれそうな連休前半戦は、どのコースでもズボズボ雪に悩まされそうですね。 足を取られての転倒、滑落等にはくれぐれもご注意ください。

西沢からの大量の雪崩のデブリの上を注意して通って、右上に延びる赤岩尾根に取り付きます。(4/26)

4/18には、沢を覆った雪もとても薄く、G.Wまで渡れるかどうか、心配されましたが・・・(4/18) 右の写真が一転の雪崩の跡です。今春は雪崩発生が少なめという情報ですが、まだまだ・・・(4/26)
赤岩尾根最上部。新雪が降った後は雪崩に要注意です。もちろん滑落にも注意。(4/26) 大量のデブリが西俣出合の大冷沢を覆う。赤岩尾根の末端から望む。(4/26)

NO  1129  

2012  4 / 25(水)  AM

   下界では、昨日は相当に温度が上がったみたいですが、岳の上は強風吹き荒れる寒い一日でした。そして一夜明けた今朝は、冷え込みも弱く、昨日の黄砂も去り、見事なまでの無風快晴の好天です。今日は絶好の登山日和ならぬ絶好の除雪日和になりそうです。

冷池山荘の大屋根の除雪作業。玄関まではまだまだ遠い。後方に爺ヶ岳。(4/24)
21日の入山以来の快晴の鹿島槍ヶ岳と冷池山荘。(4/25)

NO  1128  冷池山荘予定通り4月28日(土)から営業いたします。

2012  4 /  22(日) 

  昨日21日に冷池山荘に無事入山しました。予定通り4月28日(土)から営業いたします。

(現在、電波状況が悪いので、現地電話は通信できません。事務所へお願いいたします。)

NO  1127   G.Wの鹿島槍登山は、実力のある方がお越しください。

2012  4 /  19(木) 

   4月に入っても、雨にはならず全部雪降りの今春の鹿島槍ヶ岳周辺です。来週にかけては、温度も上昇傾向ということですが、大根がちょっとでも油断すれば、大雪や暴風雪に見舞われるゴールデンウィークの鹿島槍ヶ岳です。ここ10年ほどを見ても、鹿島槍、爺ヶ岳、針ノ木岳周辺では3月下旬から5月中旬の残雪期に、槍穂高以上に多くの事故が発生しています。数年前のG.Wの時も、直前まで寒い日が続き、爺ヶ岳稜線などもガチガチに凍り付いて、滑落をとても心配しましたが、最直前になって、とても暖かいまとまった雨が降って、一気に凍った雪の斜面はザクザクズボズボの斜面に大変身して、山小屋スタッフから見れば、事なきを得たという感じでした。とにかく信じられないぐらいに、無防備な装備、計画で来られる方がいますので、十二分に気をつけていただきたいと思います。

   電話での問い合わせにも、コースに赤布や赤旗は付いているかとか、道標はあるかとか、果てはトレースはあるか、登山道はあるか・・・・  はっきりいって、付いていないといったほうがいいと思いますし、そういう方は登るのは中止にするか、ガイドさんと一緒に登るべき だと思います。爺ヶ岳南尾根や赤岩尾根といった、比較的一般的なルートでも、とても全コースに、そんな対応はできません。お客様の中には、柏原新道を種池山荘へ登るなどとおっしゃる方もいますが、この時期 のような雪のある季節にそんなコース取りをするようなことは、絶対にありえません。雪は何メートルあるのかなどという答えに窮するようなことを聞かれる方も度々です。主稜線であっても風の強い斜面には、まったく雪はありませんし・・・  ピッケルでなくても、ストックで大丈夫かとか? 聞かれても、用途がまったく違いますよねとしか、お答えできません。お話ししていても、尾根の概念でさえ、しっかりと理解されてないような方もいらっしゃるように思われてなりません。

   今年は尾根筋に積雪が多い割りに、谷筋は少ないようで、大きな雪崩の発生が少ないといった情報もあります。ひるがえってそれが、今後も雪崩が出ないということには、まったくあてはまらないの も当然のことです。また赤岩尾根登山口の西俣出合などは、いつもは沢の上を覆った 大量のデブリの上を渡って、赤岩尾根の末端に取り付いて、赤岩尾根を登りますが、昨日の時点では、西沢から大きな雪崩が出てないので、現在、沢の上にかかっているスノーブリッジ状の残雪も、ゴールデンウィーク中まで持つかどうか、微妙です。もし渡れない時には、夏山のときと同じ上流に200mぐらい上がった砂防ダム近辺の 沢を覆う残雪を注意して渡って、夏道のある斜面を注意して、斜上して赤岩尾根に取り付きます。こういえば知っている方なら、夏に使う沢を横断する地下道は使えないのか? と言われるかもしれませんが、両サイドの入口ともに、厚い雪に覆われていて、通れるものではありません。昨日も若い衆が2回目の確認作業に行ってきてくれました。夏なら私どもは車で入ることができますが、残雪期のこの時期は大谷原から雪道を歩いて、往復 4時間近い確認作業です。少しでもみなさんに直近の情報をお伝えしたいと思いますが、とても完璧なものをお伝えすることは、不可能です。当然のことながら、それぞれの皆さん各自に、しっかりとした判断が求められます。厳冬期の登山となんら変わりはありません。 山は自己責任の世界です。

   小屋開け入山できたら、ゴールデンウィーク前には、赤岩尾根と南尾根は、もう一回下山偵察して最低限の情報をお伝えしたいと思いますが、いずれにしましても、各人がしっかりと計画して、コース間違い等のないようにお願いしたいと思います。この時期の登山は冬山登山であって、あらゆる点で夏山登山ではありません。

例年なら正面爺ヶ岳北峰から流れ出る、西沢から押し出す雪崩のデブリが大量にある、西俣出合ですが、今年は4/18現在ほとんどない。右側の赤岩尾根に取り付く際も注意して残雪の上を渡る。(4/18)

NO  1126   大町でも、本格的な春を感じる一日。

2012  4 /  19(木) 

   このところ、平年より温度が高い傾向になってきた大町でしたが、温度の割りには暖かさが感じられず、相変わらず寒いね寒いねといった会話が多かったように思われます。しかし今日の日中はようやく春本番を体感できる一日になりました。大町の最高気温も18.9度まで上がって、もちろん今春いちばんの暖かさになりました。そんな暖かさの中で、我が家のウメもようやくほころびました。過去には4/20以降に開花した年もありましたが、かなり遅めの部類といっていいでしょう。また田んぼへ写真を撮りに行ったら、オレンジ色のチョウが飛んでいました。また家の周りにはツバメが飛んでいました。いずれも今年の初見になります。これまたやや遅めの感じですね。

   サクラのほうはというと、松本市では16日、長野市では昨日の18日にソメイヨシノが5日遅れぐらいで開花しましたが、大町はまだまだ・・・・  例年は両市より、一週間近く遅れて開花しますので、気象協会の最終予想の24日よりさらに遅れて、来週の後半あたりになりそうでしょうか。大型連休中はずうっとサクラを楽しめそうですよ。ぜひサクラと残雪たっぷりの大町へ、大型連休にはお出かけ下さい。

   さて、今日はそんな春をそこかしこに感じながら、このあとに予定されている、小屋開け入山の準備に追われる一日になりました。除雪機やら荷揚げ品のトラックへの積み込みやら、忘れていた物の買い出しや、入山前に済ませておかなければならない事務系の作業やらを大慌てで済ませたりと、てんてこ舞いです。若い衆が段取りよくやってくれるので、大助かりです。このあともこの好天が続いてほしいものです。

整備の終った除雪機も3台、トラックへ積み込み終了です。遠く鹿島槍も待ってくれているようです。

我が家のウメも昨日、そして今日の暖かさで一気に開花です。(4/19)

NO  1125   長野マラソンで、元気をもらって。

2012  4 /  17(火) 

    今朝の信濃毎日新聞には、穂高岳の涸沢ヒュッテの小屋開けの記事が写真とともに掲載されていました。昨日ヘリにてスタッフ入山、荷揚げが行なわれたそうです。 涸沢の雪の量は平年並みとか・・・ この時期 の風物詩とも云える、恒例の北アルプスで最初の小屋開けのニュースを聞くと、ああ今年もまたやってきたんだなあという気持ちを持つとともに、冷池山荘の小屋開け入山も、日に日に近くなってきて いる今、何かとプレッシャーもかかるのが偽らざる心境といったところです。夏山シーズンだって、その後すぐにやって来るし・・・  田んぼの準備もあるし・・・  いろんな会議やイベントも、このあとも結構あるし・・・  毎年のことながら、ため息が・・・  なんて言ってはいられないですね。春山営業山小屋にとっては、2度目の新年年明けのような4月、みんなの元気をもらって、 前向きに頑張っていきましょう。

   とは言うものの、空元気だけではダメですので、私の元気の源? である、マラソン大会に出場して元気を注入してきました。前日の冷たい雨も上がった、4/15の『オリンピック記念 長野マラソン』です。昨年は大震災直後で、開催は中止になり、今回は2年ぶりの開催ということで、待ちに待った大会です。実は3月初旬に出場した別の大会で、人生初の40キロ地点での、関門閉鎖、それも10秒遅れでのバス収容という憂き目にあったので、今回はそれなりに、走り込みもして気合を入れて 臨戦態勢にてのぞみました。当日はお天気は上々、新雪で白さを増した鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳をはじめとした、北アルプスも遠くに見えます。 ちなみに長野方面から見る鹿島槍ヶ岳は、えも言われぬ格好良さなんですよね。そして戸隠山や黒姫山などの北信濃のまだ雪深い山々も実に素晴らしい。なんか元気が出てきます。またそれ以上に素晴らしいのが、切れることなく続く、沿道の皆さんの、分け隔てのない全選手への応援、声援です。また 25キロくらいのホワイトリングのそばでは長野市内在住の旧知のさんが、いつものように、栄養ドリンク持参で待っていてくださる。ありがたく頂戴して、短い言葉のやりとりの後には、“ファイト一発!” とばかりに、後半戦へむけて激走?です。そして給水所や沿道整理をはじめとする担当ボランティアの皆さんが、またまた素晴らしい。全員の皆さんに感謝感謝大感謝です。そしておおぜいの皆さんからの強烈な後押し、声援を受けて、最後はあの金メダリスト高橋尚子さんの待つゴールへ。Qちゃんとハイタッチして、無事に完走。 さらに女子高校生に完走タオルを肩にかけてもらって、ご満悦です。タイムなんて、到底 人様にお知らせできるようなものではございませんが、今年もたくさんの 皆さんから元気をいっぱいいただいた最高の長野マラソン大会です。

   ちなみに、これが2レース続けて、途中収容にでもなっていたら、がっくり、意気消沈? いえいえきっと今頃は、『秋は大阪マラソンでリベンジだ!いやいや福知山だ、奈良だ、いびがわだ、神戸マラソンだ!』 と、余計に気合入ってテンション上がってたかもしれませんね。とにもかくにも、これで気分も一新して小屋開けに向かえます。私どもも長野マラソン同様に、いつでも気持ちよく、お客様をお迎えして、お見送りしたいものですが、どのスポーツ以上に、いろんな危険が付いてまわる登山です。ときにはきつい物言いも、どうしてもあろうかと思いますが、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げたく思います。今シーズンも事故 だけはないシーズンになりますよう、ご協力お願いいたします。

左奥から蓮華岳、爺ヶ岳、鹿島槍を見ながら終盤の千曲川堤防を延々と進むランナー。4/15

前半は長野市街地の繁華街、善光寺の門前を進む。

清水選手のスピードスケート500m金メダルで沸いたエムウェーブを周回する。
 

やった〜。ピンクのウェアーの高橋尚子さんがゴールのオリンピックスタジアムで迎えてくれる。4/15

NO  1124   あの名画 『黒部の太陽』 がスクリーンに甦る。

2012  4 /  16(月) 

   世紀の難工事といわれた、黒部ダム工事を描いた、不朽の名作、三船敏郎、石原裕次郎主演、石原プロ・三船プロ製作の『黒部の太陽』 の完全版が5月13日より全国各地で上映されます。そして撮影現場でもあり、物語の舞台でもあった大町市から、全国縦断チャリティ上映会のスタートがきられます。この3月には、NHK−BS放送で2時間の特別版が放映されましたが、今回は3時間15分に渡る完全版の上映です。黒部ダム完成への生命線でもある、『大町トンネル』(現在の関電トンネル)工事の際の“破砕帯” 突破の苦難を描いた昭和を代表する作品です。未だDVDにもビデオにもなっておらず、滅多に見ることができない不朽の名作です。この際 大スクリーンにて、ぜひ皆さんも御覧になっていただきたいと思います。5/13大町文化会館上映分のチケットは4/13より、発売開始になっており、なかなかの人気のようです。そのあとも全国各地で上映されるようですので、お近くの会場へ足を運んでいただければ、地元の人間としてもうれしいかぎりです。 なお本上映会の収益の一部は、「裕次郎の夢」プロジェクトを通じ東日本大震災で被害に遭われた方々へ義援金として送られるそうです。

NO  1123   いつまでも寒い今春。岳の積雪も多めです。

2012  4 /  14(土) 

    昨日の好天も一転、今日は冷たい雨が一日中降り続くあいにくの一日になりました。長野県内は、大町の最高気温7.5度をはじめ、ほぼ全域で最高気温が10度以下の肌寒い一日でした。北陸方面でもサクラが満開を迎えたとか、サクラ前線は福島県を北上中といったニュースが流れてきますが、長野県内は南部の飯田市で開花しているだけで、一向にサクラ前線は北上の速度を早めてはくれません。今日は用事で長野市に行ってきましたが、いつもならサクラからモモ、アンズ、菜の花等々百花繚乱状態の千曲川河畔も未だに、早春の気配で黒々としていました。ようやくウメが見頃?といった程度でしょうか。本当に今年はいつまでも寒い信州です。そんな状況ですので、里の今日の雨も、岳の上ではおそらく、雪ではなかったでしょうか。明朝はまたまた真っ白になった北アルプスが垣間見られることでしょう。

    さて、そんななかで好天に恵まれた昨日は、当山荘支配人のM君とH君が、偵察と自身の足慣らしも兼ねて、爺ヶ岳南尾根を登って頂上まで様子を見に行ってきてくれました。 案の定、3月、そして4月に入ってからも度々続く降雪で、登山口から主稜線にかけて、ずうっと例年以上の積雪で、冷池、種池 両山荘周辺の積雪にしても、最近の4月下旬としては、かなり積雪の多い部類の年になっていることを報告してくれました。ゴールデンウィークまでも、2週間をきりましたが、本当にいつまでたっても、里にも寒気が残る今春だけに、岳の上ではさらに積雪を増す恐れも十分にあると思われます。願わくば、この後は、温度も急上昇して、一気に積雪を減らしていってくれれば除雪作業も助かるんですが・・・・  どちらにしましても、たとえ5月の声を聞いても、雪崩、猛吹雪、強烈な寒波等で大きな遭難が、過去にも多発している北アルプスです。装備、日程、体調等はいつもどおりに、しっかりと整えていただいてゴールデンウィークの北アルプスを目指していただきたいものです。

爺ヶ岳南峰頂上からの鹿島槍ヶ岳方面。(4/13)

爺ヶ岳南峰頂上からの種池稜線と剱岳・立山方面。(4/13)

NO  1122   暖かくなりそう。

2012  4 /  12(木)  A.M

   昨日の冷たい雨は上がり、北アルプス全山見渡せる絶好のお天気になりました。なにもかもきれいに雨で、洗い流され、実にさわやかな朝です。岳は昨日の新雪で、一昨日の黄砂模様の斜面が真っ白なキャンパスに戻ったようです。  今日の大町は午後にかけて、温度も急上昇、一昨日並みの17度近くまで上がりそうな気配です。長野県内では最南部の愛知、静岡県境地域で足踏みしている、サクラ前線も今日は大きく前進しそうですね。

田んぼの畦のオオイヌノフグリもようやく元気づいてきました。(4/12)

鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳。田んぼにはもう10日もすれば水が入り始めます。(4/12)

昨日の新雪でダケカンバ帯も真っ白な赤沢岳。(4/12)

NO  1121   祝 黒部ダムオープン!

2012  4 /  11(水) 

    好天に恵まれた、昨日の4/10は予定通り、黒部立山アルペンルートの大町〜黒部ダム〜室堂間が開通しました。なお室堂から先を含めた全線開通は4/17の予定になります。

   昨日は、オープニングイベントも催され、私も大町市観光協会の役員として参加してまいりましたが、半年ぶりの勇壮な黒部立山に大感激です。そして積雪は、3月以降、4月になっても雪の日が多かったりで、扇沢周辺も黒部方面も ここ数年のオープン初日よりは、多めの感じでした。そして今日も大町は、やや冷たい雨が一日中降り続きましたが、岳の上ではまたまた雪であったろうかと思われます。

   また本日は日本気象協会から第9回目のサクラの開花予想も出されましたが、大町はさらに2日延びて、4/24の開花予想になりました。今週後半はようやく温度も上昇局面に入って行きそうな予報ですが、なかなか春モードになりきれない今春のお天気では、今後もどうなっていくことか。 早く本格的な春がやってきてほしいものです。来週以降は北アルプス主稜線でも、私どもも含め、春山営業する山小屋では入山の季節が始まります。

江戸時代に冬の立山越えを果たした、“佐々成政軍団” が黒部ダムのオープンを告げる。(4/10)

黒部平から望む鹿島槍ヶ岳と左側には五竜岳。(4/10)

まだ1.6m近い積雪の扇沢駅駐車場と、奥には爺ヶ岳南峰および南尾根。(4/10)

NO  1120   寒さ続く。

2012  4 /  7(土) 

4/4が1.4度、5日が5.1度、6日が3.3度、そして今日は1.7度。皆さんなんだと思いますか?  ちなみに4日間を合わせてもたったの11.5度です。 そうこの4日間の大町の最高気温です。最低気温じゃないですので、お間違いなく・・・  ちなみに札幌の最高気温が4日以降3.3度、4.6度、2.9度、そして今日が2.4度の合計で、13.2度なりですので、今年の大町の異常な寒さがわかろうかというものです。通常のこの時期の大町の最高気温はだいたい12度ぐらいのようですので、4日間の合計でも平均気温に達しないという寒さです。全国的に低温傾向が続いていますが、ちょっと半端じゃない感じです。今朝も2センチの新雪、その後もパラパラする肌寒い一日。これで雪も 4日続きのパラパラです。パラパラとはいえ、4日間も市街地で続くとなると、結構珍しいパターンです。当然北アルプス主稜線も連日の降雪模様です。明日以降は温度も上昇傾向のようですが、この後も、まだまだ寒気が流れ込みやすい傾向は続くみたいですので、まだまだ注意が必要です。

   我が家の周辺でも、イネのモミ蒔きがおこなわれて、育苗ハウスにて育てられていますが、発芽やら生育も心配される状況です。早いお宅では4月の末には田植えも始まりますが、今年の陽気では、5月末までどころか6月初めごろまで、遅霜が心配されそうな気配です。自身の肌でも、春の到来が、まったく実感できない今春の大町界隈です。

夕方、表銀座は現れましたが・・・ (4/7)

後立山連峰はまだまだ雪雲の中です。(4/7)

あまりにも春が体感できない今春ですが、それでもそこかしこに、小さな春の訪れが。

NO  1119   人の記憶。

2012  4 /  4(水) 

   各地に被害をもたらした、今回の低気圧通過でしたが、皆さんお住まいの地方はだいじょうぶだったでしょうか。長野県内でも伊那谷のほうや松本周辺では、被害がでたようですが、大町は大きな被害が出た地方と比べれば風雨ともに、 小さかったようです。そして昨夜からは予想どおりに雪降りになり、今日はほぼ一日中吹雪いているような、肌寒い天気になりました。日中の最高気温は1度 台で、市街地の北側にある我が家で、降雪は8センチほどでしょうか。今年は確かにいつまでも寒さが続いています。

   ところで、今朝は医者通いで、待合室で待っていると、みなさん口々に、こんな時期にこんなに雪が降ったことはないとか、異常気象だとか・・・ かまびすしいこと、かまびすしいこと。夕方床屋さんに行った際も、マスターがおっしゃるには、どのお客さんも今年の大町は雪が多かった、多かったとかまけるそうだ。(※かまけるとは・・・嘆くとかぶつぶつと言うといった意味の方言)

   はたしてそうでしょうか。答えはいずれもノーといった方が正解だと思います。25年ぐらい前には、5/1ごろに白くしたことがありますし、4/20ごろまでなら、度々白くしています。最近なら一昨年の4/17には なんと17センチも降っていますし、平成18年の4/21にも5センチの積雪を記録しています。今日の積雪なんて、まったく珍しいものでもなんでもありません。また今冬の累計降雪でも、今日までで、我が家で290センチであり、これも少なめの部類です。(累計で400センチ近くなると、大雪の冬といった感覚です。)  おそらく今冬が大雪に思われる人は、低温が続いたおかげで、1月から3月上旬まで、市街地の北部では少雪にもかかわらず、常に20センチ程度の積雪があったということ。それに直近の3月が割りに降雪量があったことから、そのように感じられるのではないでしょうか。またテレビの影響も大きいかもしれませんね。連日のように県内でも超大雪だった飯山地方などの映像が県内ニュースに流れるものですから、自らもそんな気持ちになってしまうのでは・・・・

   かように、人の感覚とか記憶とか印象なんてあいまいなものなんだと思います。自分も日記に降雪量とかを、記録しているので、こんなことを言えるのですが、記録をとっていなければ、きっと皆さんと同じだと思います。でも “人の噂も七十五日” じゃないですが、人間さっさと忘れてしまうからいいのかもしれませんね。 ただし七十五日どころか、七百五十日たっても決して忘れてはならないことも、たくさんありますよね。今なら東日本大震災のこととか・・・ 

   3月の終わりに、もうなかなか機会もとれないだろうと思って、思い切って子供たちも連れて、大震災の被災地に家族で行って来ました。今問題になっている震災がれきにしても、それはこまかに分別作業をされていました。 全国各地への、受け入れ要請も、分別うんぬんでないことはわかっているんですが・・・ なんとか英知をしぼっていただきたいものです。また市街地からまったく離れた場所に、ぽつんと仮設住宅があったりして、それも心配になってきます。まだまだ復興へ向かって、なにも進んでないといったのが、偽らざる状況でしょうか。いっぽうそんな中でも、 湾にはワカメやカキの養殖イカダが復活してたり、仮設の商店街や店舗もできてきており、その周囲だけでも活気が見られたのが、妙にうれしかったです。銘菓『かもめの玉子』 をおみやげに買い求めるにも、躊躇することなく、仮設店舗に入れて、なんか自分達も元気がでてきます。

   この岩手行きで、うちの子供たちもきっとなにかを感じ取ってくれたはずです。まだまだ、とても忘れ去られるものではありません。これからもなんらかの形で絆を結んでいかなければ、ならないことを実感した旅になりました。

市内は雪化粧。市街地の“大黒町のシダレザクラ”もまだまだつぼみも付けていません。今回の寒波もあって、気象協会の大町公園のサクラ開花予想も、1日延びて4/22に変更されました。(4/4)

陸前高田市では、歌手の千昌男さんが生まれた内陸の竹駒方面に仮設店舗がだいぶ営業を始めていました。

震災がれきは今でも、あちこちで分別作業が続いています。どこへ行ってもうず高く積まれたままです。

釜石湾も、信じられないくらいの静けさ。泊まったホテルのお客さんは復興の職人さんが中心。

壊滅した大槌湾にも、少しだけ漁船が復活してました。何と言っても漁業が基盤の三陸です。

釜石で見つけた震災前からある、銘菓 “かもめの玉子” の看板。

壊滅状態の陸前高田市にも、“かもめの玉子”の仮設店舗が元気に復活。春の新商品も登場。

NO  1118   台風並みの大荒れへ。

2012  4 /  3(火) 

   午前中は北アルプスもうっすらと見えていた大町ですが、昼前からは小雨が降り出しました。また昼現在は風も少しだけ吹き始めたかなってぐらいです。ただ昨日は気象庁がわざわざ、緊急の記者会見まで開いて、日本海を進む低気圧の急激な発達、大荒れの天気と急変を、告知するくらいですので、このあとはどんどんと悪化して行くことでしょう。大町の明日の予想は雪降り、その後もしばらく不安定な空模様みたいです。

   こんな “爆弾低気圧” が通過するときに、登山や山スキーへ出かけている人もいないとは思いますが、この時季 “爆弾低気圧” が通過後は冬型になって大雪、そしてはるかオホーツクまで去ってしまってからも、ものすごい暴風が2〜3日は吹き荒れるのが相場です。過去にも4月下旬の小屋開け入山後にも、一晩で1mを超えるような降雪、その後雪は止んで、上空に青空が広がっているにもかかわらず、とても目も開けていられないほどの地吹雪、30m近い暴風が吹き荒れ、天候の回復にはかなり時間を要するといったパターンは度々です。今年はほんとうにいつまでも寒気が残っていますので、まもなく始まる春山シーズンもまだまだ注意が必要ですね。

10時ぐらいまでは、北アルプスも見えていましたが・・・(4/3)

烏帽子岳。

赤沢岳〜鳴沢岳。