NO 1172 直 近 情 報 7/
10(火)
▲天気
◎梅雨入り後、6月後半は割りにお天気が続きましたが、7月に入ってからは、北アルプスも梅雨空の日と中晴れの日が、交互にやってきている感じです。
◎9日、10日と、朝方は晴天も、その後はガス模様という、ある意味では夏型のお天気が続いています。
◎いったん梅雨前線が南下したおかげで、梅雨の中休みとなりましたが、明日の夕方以降梅雨前線はまたまた北上してきて、金曜日まではまとまった雨になりそうです。そして、その後の、3連休中のお天気予報を見ると、中日には北陸でも晴れマークが出ていたりで、意外と悪くないような予想ですが、基本的には梅雨前線は本州近辺に停滞予想のようですので、パラパラきてもまったくおかしくないでしょう。
◎北アルプス北部の梅雨明けは、北陸地方が梅雨明けしなければ、基本的には安定しません。北陸地方の梅雨明け平年値は7/24です。
◎朝の温度はすずしい日で、8度ぐらいです。、また日中の温度は、いい天気の日には、20度近くまで上がるようになってきました。
曇った日で15度ぐらいでしょうか。
◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気ではなく『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。
さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。
◎小屋のテレビで天気情報が映る際も、みなさん雨の確率ばかり気にしていますが、大事なのは気象予報士が冒頭で言う概況の解説と、天気図です。お聴き逃し、お見逃しなきように! また降雨予想のメッシュ図が出れば、今ではかなりの確率でお天気もわかろうかと思います。
▲花
◎主稜線ではハクサンイチゲ、チングルマ、コマクサ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、タカネスミレ等の夏をいろどるお花たちが咲きだしています。
◎ただ全体的には、やや遅れ気味といった感じですが、ここにきて少しずつ平年に追いついてきている感じです。
◎小屋の周りでは、ミネザクラがまだ残っており、ナナカマドの白い花やベニバナイチゴなどが咲き出したところです。
◎夏に大きなお花畑になるような場所には、まだ残雪がありますが、周りの雪の早く消えた場所から
夏の花が咲きだしています。見頃は7月下旬から8月上中旬でしょう。
◎柏原新道では足元の林床にはツマトリソウ、ミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、ヒメイチゲ、ショウジョウバカマ、コイワカガミ等が咲きほこります。
▲登山ルート等の状況
◎鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障はありません。一部に残雪もありますが、アイゼン等ももう必要はありません
◎柏原新道は
種池山荘直下と例年遅くまで残るアザミ沢とガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので気をつけて通行すれば問題ありません。ガラバ付近では落石に注意してサッと通過してください。
◎赤岩尾根は最上部のトラバースと高千穂平の上部に少し残雪がありますが、まもなく夏道も現れそうです。
◎冷池テント場の先には延長300m近くに渡って残る数箇所の雪庇の名残の上を歩
いたり、雪が消えて現れた夏道に下りて歩いたりします。雪庇から夏道へ下りるときや、逆に雪庇上へ上がるとき、凍っているので、ストック等を用いてバランスを崩さぬよう
にして通行してください。小屋で雪庇への上り下りは随時カットしています。
◎種池山荘〜新越山荘間は所々に残雪が残っていますので、谷側に寄らずに山側を歩いて下さい。こちらも雪庇上への上り下りに注意は当然です。
◎針の木大雪渓の雪はまだたっぷりあります。7/9現在針ノ木小屋直下の夏道
もまだ姿を見せていないようです。大沢小屋から夏道を15分ほど登ったあたりから針ノ木小屋まで約1.5キロ間ずっと雪の上を歩きますので、不安な方はアイゼン、
ピッケル等お持ち
になってください。
針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時には、慣れない方は軽アイゼンを使って下りたほうが安心です。
◎針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだにも雪渓が残っており、雪渓上をトラバース気味に斜上します。針ノ木小屋スタッフがカットしてくれていますので、注意して通行すれば問題はないと思いますが、雪が消えるとカットした部分がダレて斜めになってしまいますので注意
が必要です。
心配な方にはアイゼンピッケル等持参をおすすめいたします。こちらも頂上から針ノ木小屋への下り時に注意です。
◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間はお客さま情報では特に支障はないようです。
ただ遠見尾根や、八方尾根の登山道にはところどころに残雪があるようですので、気をつけてください。
また鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
◎梅雨時の雨や地震等による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。
また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は
猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
▲混雑状況(7/ 9現在)
◎今週末の海の日3連休は7/14(土)、7/15(日)の冷池山荘が定員の半分近いご予約をいただいています。このあとも直前予約が若干増えると思われますが
、定員に達するような混雑はないと思われます。
種池山荘も現在のところ両日ともに、60人ぐらいのご予約ですので、大きな混雑はありません。両山荘ともに、例年の海の日連休の混雑のイメージは感じられません。なお新越山荘は
初日はほとんど、ご予約ありませんが、15日はまあまあ込み合いそうな感じです。
◎一般のお客様に関しては、夏山シーズンの出足が鈍い感じで、
次週7/21(土)の週末も、現在のところ3つの山荘とも、たいへんご予約が少ないです。いっぽう7月最終週末7/28(土)と8月第一週末8/4(土)は順調にご予約をいただいており、かなり混み合いそうな感じです。7/21(土)の週末は穴場かもしれません。
◎長野県内恒例の学校登山の予定日では種池山荘の7/19(木)が小屋の定員に近い人数ですので、この日のご宿泊は避けていただきたくお願い申し上げます。なお学校登山は雨天の際には8月後半へ順延になります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
2012年種池山荘と冷池山荘の学校登山日程表
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7/17(火) |
7/18(水) |
7/19(木) |
7/24(火) |
7/25(水) |
7/26(木) |
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8/23(木) |
8/29(水) |
種池 |
30人 |
100人 |
170人 |
30人 |
110人 |
120人 |
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30人 |
150人 |
冷池 |
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70人 |
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◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、また私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えると
まれにお断りすることもありますが
、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
ただ定員と申しましても基本は相部屋で、下界の宿泊施設の定員とはと違ってかなりきつめであります
のでご了承くださいませ。少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入
り込みができるだけ平準化しますようご協力とご予約の程よろしくお願いいたします。 また予約はキャンセルされても、キャンセル料等は一切頂戴いたしません。雨の日や体調の悪いときには、絶対無理はなさらないで下さい。
▲アドバイスや注意
◎週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障がでて、たいへん迷惑です。大渋滞の原因や、過去には交通事故の原因にもなっています。また駐車するときもできるだけ詰めて1台でも多くの車が停められるようにしてください。登山口の先には年間100万人以上の来場者がある黒部ダムがあります。通常の行き止まりの登山口行きの林道ではありません。
◎大谷原に駐車される方は、防災工事の大型車が通行しますので、大型車両の通行に絶対に支障にならないようお願いします。
◎現在、扇沢橋の先の車道で、ガケ崩れ防止の工事をしています。扇沢駅方面から柏原新道登山口までの
、歩いての往来の際は、道が狭くなっていますので注意してください。
またその場所は林間駐車場の入口にもあたりますので、車が出るときは、現場係員の指示にしたがってください。
係員がいないときには必ず工事信号が青色になったことを確認して出てください。
◎海の日連休イコール梅雨明けみたいに、思っている方が多く見受けられますが、長野の梅雨明け平年値は7/21、北陸地方の梅雨明け平年値は7/24です。
◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、
一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネット等に発表される個人の山行記録には、早歩きや、日帰りを自慢したり誇張したものもままあります。あくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
◎昨今、種池山荘から午後4時ごろに小さな子供を連れて下山するグループが見受けられます。子供は疲れきっていて、途中からは
ぐずりだすでしょうし、どんどん暗くなります。下へ行くほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。
これは子供連れパーティに限ったことでありません。一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶なコースの日帰りの人が多いことです。
◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。
またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
◎夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。
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