NO 1426 直
近 情 報 8/1 (木)
▲天気
◎北アルプス北部の梅雨明けも、まもなくのようです。来週は太平洋高気圧もようやく強まってきそうな気配です。
◎この1週間は、晴れ間が出る時間帯もありましたが、総じて雨の時間帯が多かったです。本日も午前中は土砂降り、午後は止み間もでました。
◎北アルプス北部の梅雨明けは、北陸地方や新潟県が梅雨明けしなければやってきません。北陸地方の梅雨明け平年値は7/24です。今年はかなり遅めの梅雨明けになりそうです。
◎朝の温度はすずしい日で、8度ぐらいです。梅雨明けして夏型強まると日中は最高気温23度近くまで上がり、暑くなります。
◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気ではなく『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。
さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。今年の7月中の雨続きの天候にしても、後立山連峰の天候と『新潟』の天気は、ほぼ一致していました。天気図や天気概況の意味合いがよくわからない方でも、一番よくわかる予報だと思うんですが・・・・
◎小屋のテレビで天気情報が映る際も、みなさん雨の確率ばかり気にしていますが、大事なのは気象予報士が冒頭で言う概況の解説と、天気図です。お聴き逃し、お見逃しなきように! また降雨予想のメッシュ図が出れば、今ではかなりの確率でお天気もわかろうかと思います。
▲花
◎主稜線ではチングルマ、アオノツガザクラ、コマクサ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、タカネスミレ
、ニッコウキスゲ、キヌガサソウ等の夏をいろどるお花たちが咲きほこります。
◎夏に大きなお花畑になるような場所の残雪もほぼ消えました。周りの雪の早く消えた場所から、どんどんと夏の花が咲きだしています。場所によっては、雪消えがかなり遅かったので、例年より遅くまでお花も楽しめそうです。今夏はお盆過ぎもけっこう夏のお花を楽しめそうです。
◎盛夏の代表の、ハクサンフウロやウサギギク、ミヤマアキノキリンソウなども咲きだしています。また初秋のお花のトウヤクリンドウなどもつぼみをふくらませてきています。夏のお花がやや遅めの感じですので、この後は夏の花と秋の花が混在して咲き、さらに楽しめそうです。
▲登山ルート等の状況
◎鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障はありません。アイゼン等ももう必要はありません
◎柏原新道では、上部の“ガラバ”に雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので気をつけて通行すれば問題ありません。ガラバ付近では落石にも注意してサッと通過してください
◎赤岩尾根も支障箇所はありません。
◎新越山荘から針ノ木岳にかけても、支障はありません。赤沢岳の南側下りはガケっぽいところを下るので、転落滑落に注意してください。また落石を落とさないようにも注意ですし、ルートを見失わないようにも気をつけてください。
◎針の木大雪渓の雪は、中間帯を中心にまだたっぷりあります。延長1.5キロメートル近い雪渓歩きになります。小屋の直下の最上部の急斜面では、夏山登山道が出現していますので、雪の上を歩かなくて大丈夫です。通称
“ノ ド” の辺りは、少し急ですので、不安な方はアイゼン、 ピッケル等お持ちになれば安心でしょう。
針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時には、慣れない方は軽アイゼンを使って下りたほうが安心です。
◎梅雨時の雨や地震等による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。
また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。大雨の後で、道は大丈夫かとすぐに聞かれても、わかる術はありません。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は
猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
▲混雑状況(8/ 1現在)
◎今週末の8/3(土)は、冷池山荘のみ、定員を超えそうで、相当に混みあいそうです。 また8/2(金)と8/4(月)も、冷池山荘と種池山荘がやや混みあいそうです。8/3(日)は前後の日と比べれば、ご予約少なめです。
◎週末以降は、夏型のお天気が続きそうな、気配になってきましたので、来週は平日でも、かなりお客様が動きそうな感じになってきました。
◎長野県内恒例の学校登山の予定日では種池山荘の8/23(金)と8/27(火)が小屋の定員に近い人数ですので、この日のご宿泊は避けていただきたくお願い申し上げます。誠に申し訳ございませんが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
2013年8月種池山荘と冷池山荘の学校登山日程表
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8/23(金) |
8/26(月) |
8/27(火) |
8/28(水) |
8/29(木) |
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種池 |
190人 |
130人 |
190人 |
80人 |
60人 |
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冷池 |
冷池山荘は学校登山ありません。 |
◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、また私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えると
まれにお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
ただ定員と申しましても基本は相部屋で、下界の宿泊施設の定員とはと違ってかなりきつめであります
のでご了承くださいませ。少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入
り込みができるだけ平準化しますようご協力とご予約の程よろしくお願いいたします。 また予約はキャンセルされても、キャンセル料等は一切頂戴いたしません。雨の日や体調の悪いときには、絶対無理はなさらないで下さい。
▲アドバイスや注意
◎週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障がでて、たいへん迷惑です。大渋滞の原因や、過去には交通事故の原因にもなっています。また駐車するときもできるだけ詰めて1台でも多くの車が停められるようにしてください。登山口の
700m先には年間100万人以上の来場者がある黒部ダムがあります。通常の行き止まりの登山口行きの林道ではありません。またできるだけ乗り合って来ていただきたいです。
◎大谷原に駐車される方は、防災工事の大型車が通行しますので、大型車両の通行に絶対に支障にならないようお願いします。
◎一昨年あたりから、ヘルメットを着用されて登山される方が増えてきています。事故防止の点からもたいへん良い傾向かと思います。また今年はモンベル社から長野県にヘルメットの寄贈があり、県内の岩場が多い場所の山小屋で、一回1000円にて貸し出しも行なっています。当方では冷池山荘とキレット小屋の間で貸し出していますので、ご利用下さい。
◎7月中は当山域では、大きな事故がなくて幸いでした。ただいわゆる“高山病”に由来する、肺水腫や肺炎等で重症になる事例が相次ぎました。各自の自己管理をしっかりとお願いしたいと思います。また遭難とはいえないような、安易な“遭難”も相次いでいますので、こちらもしっかりとした計画、体調管理、ゆとりある行動での登山をお願いいたします。
◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、
一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネット等に発表される個人の山行記録には、早歩きや、早走り、日帰りを自慢したり誇張したものが多々あります。あくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
朝な夕なに山の変化を楽しむ、ゆっくり登山で足元の見落としそうな、小さな花に感動を覚える、そんな登山を楽しみましょう!
◎登山道でのすれ違いは、基本的には“上り”の方が優先です。当たり前のことですが、場所や状況によっては逆に“上り”の方が譲る場合もあります。昨今スピードをゆるめずに、強引にすれ違おうとする、“下り”の人が多く、たいへん困惑しております。今後皆さんが考えられる以上に、大きな接触事故につながる可能性があります。
上から下ってくる人の圧力を、下にいる人が受け留められるものではありません。 また登山道の拡幅にもつながってしまい、ひいては登山道の管理が2倍以上にたいへんになったり、道幅が広がることによって、雪に押される面積も広がって、雪圧によって、春先の登山道の崩壊にもつながってしまいます。現実問題として起こっている一例です。すれ違うときには、必ずどちらかが立ち止まって譲るというようにしていただき、登山道に優しい、負荷のかからないような歩き方を心がけていただきたいと思います。
皆さんが考えている以上に、登山道はデリケートです。
◎昨今、種池山荘から午後4時ごろに小さな子供を連れて下山する日帰りグループが見受けられます。子供は疲れきっていて、途中からは
ぐずりだすでしょうし、どんどん暗くなります。下へ行くほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。
これは子供連れパーティに限ったことでありません。 また一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶な日程、コースの日帰りの人が多いことです。早く歩く、走るといったことはなんの自慢にもなりません。昨今のとても悪い風潮です。
◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。
またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
◎梅雨が明けたら、夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。また日焼けや、日射病対策もしっかりと! また水分補給や塩分補給、腹ごしらえ等もきちんとお願いいたします。
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