NO 1805 直
近 情 報 8/ 1(土)
▲天気
◎7月下旬は台風くずれの通過等で若干不安定な傾向もありましたが、昨日そして8月入りの本日と安定した夏空が広がってます。これからは日焼けや熱中症等に注意するとともに
、
どんな好天時でも天気の急変に対応すべく、空模様や遠くの雷の音等に注意して、夕立や雷雨に備えて下さい。
◎NHKテレビの全国天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気ではなく『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。
さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。
『長野』と言うのは、要は長野市の街中のことであり、善光寺の天気だと思っていただいて構いません。北アルプスの天気とはかなりかけ離れています。同様に関東甲信越の天気予報に登場する『松本』も、
松本城の天気だと思ってください。こちらも北アルプスの天気とはかなりかけ離れています。とにかく天気のことがあまりわからない方は、とにかく『新潟』(新潟市のことです)のお天気を参考にしてください。
それが鹿島槍ヶ岳周辺の天気と一番類似しています。
気象庁 2015年8月1日 発表週間予報
◎小屋のテレビで天気情報が映る際も、みなさん雨の確率(パーセント)ばかり気にしていますが、大事なのは気象予報士が冒頭で言う概況の解説と、天気図です。お聴き逃し、お見逃しなきように! また降雨予想のメッシュ図が出れば、今ではかなりの確率でお天気もわかろうかと思います。
◎山に登る人なら、普段からNHKの気象情報は見るように心がけましょう。朝の6時前、7時前、昼の12時前、夜の7時前、さらには夜のニュースの中で7時26分ごろ、9時45分ごろ・・・ 必ず見るようにしましょう。スマホやパソコンで見るより、はるかに簡単で明瞭だと思うんですが。
▲花
◎昨年はまったく咲かなかったコバイケイソウはたくさん咲いてくれましたが、盛りは過ぎようとしています。
◎主稜線ではチングルマ、コマクサ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ
等の夏をいろどるお花たちが、盛りをむかえようとしています。また盛夏を彩るハクサンフウロやウサギギク、クルマユリなども咲きだしています。ほかにも息の長い初秋の花ミヤマアキノキリンソウ
やミヤマトリカブト、トウヤクリンドウなどもどんどん咲きだしています。
▲登山ルート等の状況
◎鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障はありません。残雪の心配もありません。
◎柏原新道では、例年遅くまで残る
ガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので気をつけて通行すれば問題ありません。ガラバ付近では落石に
も注意して慎重かつサッと通過してください。
◎針の木大雪渓の雪はまだたっぷりあります。針ノ木小屋直下の急登は雪融けすすみ、すでに夏道
を通行できるようになっています。大沢小屋から夏道を30分ほど登ったあたりから針ノ木小屋方面の約1キロ間は、まだほとんど雪の上を歩きますので、不安な方は
軽アイゼン、
ピッケル等お持ちになってください。
針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時には、慣れない方は軽アイゼンを使って下りたほうが安心安全です。中間帯の“ノ
ド”付近は、やや勾配がありますので気をつけてください。8月中は、徐々に距離が短くなっていきますが、雪渓が残ります。
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針ノ木岳と針ノ木大雪渓。まだ1キロほどの雪渓歩きを楽しめます。“ノ ド”
を過ぎると針ノ木峠を目指して左方向へ。(写真は8/3) |
針ノ木大雪渓核心部。まだまだ雪量たっぷり。一番くびれている“ノ ド”
の部分も、まだまだ安定しています。(写真は8/3) |
◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間はお客さま情報では特に支障はないようです。また鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
◎梅雨時の雨や地震等による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。
また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。大雨の後で、道は大丈夫かとすぐに聞かれても、わかる術はありません。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は
猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
▲混雑状況(8/1現在)
◎お盆の期間中(8/10から8/16まで)は三つの山荘とも、それほど混みあいません。現在の予約状況でも冷池山荘の10日と種池山荘の13日の60人様が最高です。30年以上前には猛烈に混みあったお盆シリーズも、近年はまったく混みあいません。ただ来年からの“山の日”実施のあかつきには、昔のように、お盆がまた混み合うようになるかもしれません。
お盆に関しては今年が最後の穴場かもしれません。
◎冷池山荘は8/2からお盆前の9日ごろまでは、やや込み合うぐらいで、ゆるやかな入り込みが続きます。その中では、唯一混み合うであろう8/8(土)は定員
近くまでいくかもしれません。
◎種池山荘は8/2(日)が前半戦のピークになりそうです。その後は平均的な入り込みでさほど混まないものと思われます。その中では8/8(土)がやや混み合いそうな感じです。
◎新越山荘は、8/8(土)の週末を含めて、現状ではご予約は少ないです。ごゆっくりできますので、ぜひお出かけ下さい。
◎夏休み後の、種池山荘中学校登山は8/25(火)と8/26(水)に110名様ほどの宿泊があります。
◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、また私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えると
お断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
ただ定員と申しましても基本は相部屋で、下界の宿泊施設の定員とはと違ってかなりきつめでありますのでご承知置きくださいませ。少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入り込みができるだけ平準化しますようご協力とご予約の程よろしくお願いいたします。 また予約はキャンセルされても、キャンセル料等は一切頂戴いたしません。雨の日や体調の悪いときには、
当日キャンセルでも構わないので、絶対無理はなさらないで下さい。
▲駐車案内
◎本年、柏原新道登山口の扇沢出合にある駐車スペース(約
70台分)が3箇所、周辺の治山工事等のため使用できません。皆さんには例年以上に公共交通機関でのお越しをお願い申し上げます。 【扇沢駐車案内】
◎週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障がでて、たいへん迷惑です。大渋滞の原因や、過去には交通事故の原因にもなっています。登山口の
700m先には年間100万人以上の来場者がある黒部ダム入口の扇沢駅があります。通常の行き止まりの登山口行きの林道ではありません。
本年は駐車は柏原新道登山口から200mほど扇沢駅方面の大町市第2駐車場(無料)および扇沢駅の各種駐車場をご利用ください。
◎扇沢駅の駐車場は、有料(12時間で1000円と24時間で2000円の2種類)と無料がありますが、無料はすぐに満車になります。
◎大谷原に駐車される方は、防災工事の大型車が通行しますので、大型車両の通行に絶対に支障にならないようお願いします。
◎大谷原への大型バスの乗り入れは不可能です。マイクロバスでも、混雑時には回転ができない恐れがあります。週末の混雑時には大谷原より600mほど手前の鹿島槍スキー場への三叉路にあるスキー場の駐車場にて乗り降りしてください。
▲アドバイスや注意
◎登山道では、基本的に上りの方が優先です。苦しい上りの方は、目線も足元に下がりっぱなしで、上方を見る余裕なんてありません。皆さんも上りの際に一度や二度、上から下りてきた人が待っていてくれて、いきなり足先が見えてビックリしたなんてことがありませんでしょうか。最近は悪い風潮で、下山の人がまったく道を譲ることもなく、強引に上りの人とすれ違う場面がよく見受けられます。ぶつかった際にも、上から下りてくる人の圧力を、下から上って行く人間が受け留められるものではなく、たいへん危険です。また強引なすれ違いは、登山道の拡幅にもつながってしまい、登山道の管理の点からも、また冬季の数メートルにも及ぶ雪の押圧の点からも感心できません。登山道ですれ違うときは、基本下山の方が、先に発見できるのですから、広い場所を見つけて譲るようにしましょう。ただ場所や上りの人の具合によっては、上りの方が譲る場面が出てくるのも至極当たり前のことです。
◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、
一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
◎インターネット等に発表される個人の山行記録には、早走りや、早歩き、強引な日帰りを自慢したり誇張したものが多々あります。
またそういったものに悪い意味で触発されて、強引なコース設定の方が目立つ昨今です。あくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
早く走る歩くなんてことは、まったくすごいことでも何でもありません。朝な夕なに山の変化を楽しみ、ゆっくり登山で足元の見落としそうな小さな花に感動を覚える、そんな登山を楽しみましょう!
◎近年、種池山荘から午後4時過ぎに小さな子供を連れて下山する日帰りグループが見受けられます。子供は疲れきっていて、途中からは
ぐずりだすでしょうし、どんどん暗くなります。下へ行くほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。
これは子供連れパーティに限ったことでありません。一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶な日程、コースの日帰りの人が多いことです。
◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。
またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
◎夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。
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