NO 1918 好天で再スタートも・・・
2016 4/ 30(土) PM 1:00
今朝の温度はマイナス10度近くまで下がり、本来のゴールデンウィークの冷え込みとなりました。風はまだまだやや強い状況ですが、お天気は見事に復活です。鹿島槍ヶ岳も爺ヶ岳も剱岳立山も、つい先日までの黒々とした様相からは一変!
の登場です。みなさんこんな岳を間近に仰ぎたくて、雪の中重い荷物を背負ってお越しになられるのが、よ〜くわかる360度の峰々です。さて一昨日の未明からから昨夜までの降雪の累計は約25センチぐらいで、当初の予想よりは少なめの範疇でしたが、主稜線ではガチガチに凍結しているところも多いことと思いますので、要注意です。
そして願わくばこの天気もこのまま安定していってほしいところですが、どうも寒気が再び近づいているようで、朝も時間がたつに連れて寒気に伴なう雲がたなびき始め、昼にはすっかり青空もなくなり、なんとなくあやしい雲行きになってきたなという感じです。日中の温度もイマイチ上がりません。天気予報では連休中各所で30度近くまで温度も急上昇といった話題が先行していますが、お天気は短い周期で変わりそうですので、直前までしっかりと情報収集なさって各山域へお出かけください。
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朝焼けの爺ヶ岳、現れていた夏山登山道もすっかり雪に埋もれました。(4/30) |
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雪煙舞い立つ鹿島槍ヶ岳(4/30) |
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入山以降初めての“冬景色”です。(4/30) |
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剱岳立山方面も真っ白に。(4/30) |
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NO 1917 大荒れのゴールデンウィーク初日。
2016 4/ 29(金) PM 1:30
直前までの少雪情報や、絶好のお天気続きを吹っ飛ばす猛吹雪での2016ゴールデンウィークスタートです。北アルプスはまだまだ冬山の領域であることを忘れてしまうような今年の小屋開け以降でしたので、あらためて気を引き締めて参りたいものですね。雪は昨夕から昼までに、新たに10センチほどの新雪となりました。
吹き溜まりはかなりになっていることでしょう。このあとも冬型気圧配置がゆるむ明朝までには、もう少しかさを増しそうです。
さて今日は20数名様ほどのご予約をいただいておりましたが、全員昨日までにキャンセルされてますので、安堵しております。この時期冷池山荘に泊まられる方の多くは、最初こそ柏原新道から入りますが、700mも進むと柏原新道からは外れて、爺ヶ岳南尾根をまっすぐに登って、爺ヶ岳南峰へ直接登頂いたします。そしてそこからは爺ヶ岳の裏側斜面の、ところどころで姿を見せる夏山登山道伝いに冷池山荘に到着されるのが定番です。このコースは雪崩や滑落の危険が比較的低いので、皆さん難易度が低いように思われているきらいがありますが、たいへん距離が長く、時間のかかる人は10時間以上もかかってしまう
場合も珍しくありません。また尾根を上がりきった頂上が最終地点、今宵の宿泊地点ではないということです。バテバテの方にはさらに1時間半以上、人によっては2時間もの
おまけの縦走が待っているのです。北アルプスでいうと、八方尾根を登りきった地点に唐松山荘、合戦尾根を登りきった地点に燕山荘があるのとはかなり様相が違うといったことがわかっていただけるでしょうか。疲労困ぱいで爺ヶ岳南峰についてから、冷池山荘までの縦走する間での遭難が過去にもいくつも発生しています。そしてそれが猛吹雪の中でのアクシデントでしたら完全にアウトです。
夏道なんかまったく見えなくなっています。
また爺ヶ岳南尾根はジャンクションピークと呼ばれる地点から、頂上へ向かって400mも進
んで最後の大きなダケカンバの木(その木は種池山荘から見るとなんとなくライチョウの形に似ているので私どもは“ライチョウの木”と呼んでいます)を越えるとそこから先は風をさえぎるものがまったくなく、西風北風がもろに叩きつけ、息すらできないこともまれではありません。ゴールデンウィーク中、2年に1度ぐらいは必ず、超強風が吹き荒れ、その地点で幾つものパーティが撤退下山を余儀なくされることがあります。全然珍しいことではありません。
最近の日本国内での大きな遭難事例のほとんどは、気象遭難に属するものです。いかなる山域においても最大限の注意をはらっていただきたいものです。また目印の赤布がついているかとか、トレースは付いているかといった問い合わせもありますが、冬山のバリエーションルートでありますし、
1〜2m置きに赤布や赤旗が立っているわけでありません。猛吹雪になったり暗くなったらそんなものも目に入りません。この季節の岳はいかなる山でも自己責任でルートの判断等はお願いしたいと思います。今春は少雪でどこの山域もいつものこの季節とはかなり様相が違っていますので、より的確な判断が求められます。また爺ヶ岳周辺もスノーボードや山スキーヤーも上がってきますが、今春はとにかく雪が少ないので、
より慎重な判断が必要と思います。また赤岩尾根は最上部で大量の新雪が降った際には表層雪崩の心配がありますので慎重にお願いします。過去にも残念な雪崩遭難がG.W中に発生しています。いずれにしましても遭難や事故のない楽しいゴールデンウィークになるよう、皆さんのご協力をお願いいたします。
明日は仕切りなおしの好天がぜひ復活してほしいものですね。合わせて今一度冬山装備の点検もお願いいたします。
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20m以上の強風吹き荒れる、終日氷点下ガチガチの真冬日です。(4/29) |
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NO 1916 冬に逆戻りも本来の姿。
2016 4/ 28(木) AM 11:30
昨夕からの雨は未明には雪に変わり、朝までに冷池山荘周りで5センチの積雪です。その後は再び雨模様になっていますが、夕刻からは再び本格的な降雪になるのは、申し上げるまでもないことでしょうか。昨日までは爺ヶ岳南峰から冷池山荘にかけての主稜線は2ヶ所の樹林帯の中を除き、ほとんど夏山登山道が夏山同様に現れていましたが、現時点でもかなりの吹き溜まりになっているものと思われます。
明日の大荒れは必至と思っていますが、明後日にしましても朝からすんなりと回復といくかどうかは微妙なところでしょうか。どちらにしましても的確なルート判断、慎重な行動、充分な冬山装備にて、決してご無理はなさらぬよう願います。
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爺ヶ岳も久しぶりの本格的な積雪になりそうです。(4/28) |
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今朝の冷池山荘周辺。 |
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NO 1915 ゴールデンウィークのスタートは荒れそう。
2016 4/ 27(水) PM 4:30
4月28日から29日、30日の朝にかけては、しばらくなかった冬型の気圧配置になりそうな気配になってきました。どの程度の降雪になるか、どの程度の強風が吹き荒れるかはわかりませんが、
素人目で見ても荒れそうな感じです。予想気圧配置を見ると29日の北アルプス稜線は終日に渡って、吹雪いてもまったく不思議でない感じです。
山麓の白馬村の予想最高気温が29日が12℃、30日が11℃と、平年よりも5度以上低めですので、後立山連峰主稜線は雨でなく雪の可能性が高いでしょう。またそれが雨であっても相当な強風を伴なう氷雨であることは間違いないでしょう。
来週にかけて長い連休ですので、しっかりと天気は見極められて、連休初っ端の入山は自重されたほうが無難かと思います。
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NO 1913 赤岩尾根。
2016 4/ 26(火)
入山前にも書きましたが、赤岩尾根は例年の最末端からの取り付きでなく、夏山登山口から入山してください。超早い雪消えに伴ない、赤岩尾根の夏山登山道も高千穂平より下部を中心に、かなり姿を見せております。なお夏道が残雪に覆われて見えない箇所等しっかりとルート確認をご自身でなさってください。
また最上部に行くとしっかりとした雪山状態ですので、滑落には充分にご注意ください。また最上部はブロックの崩壊にもご留意ください。
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赤岩尾根最上部、国境稜線直下。滑落注意! 雪の斜面に横割れがかなりできているので、トラバース時には落雪に注意! |
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高千穂平もほとんど雪がありません。 |
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西沢を降りてきた際には沢の渡渉に注意。 |
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NO 1912 好天続く。
2016 4/ 25(月)
多少黄砂の舞う時間帯もあったりしますが、日中は好天が続いています。おまけに朝も昼も夜も寒さがほとんど感じられないというおまけも付きます。さらには梅雨前線もどきも南岸に停滞しているような有り様ですし・・・ もう本格的な寒気の到来もどうなんでしょうかね。昔はゴールデンウィーク中でも、一日で70センチぐらいの雪が降るのも全然珍しくなかったのですが・・・
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種池平からの剣立山連峰。 |
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爺ヶ岳稜線と鹿島槍ヶ岳。 |
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剱岳や黒部の谷も黒々です。 |
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NO 1911 順調すぎる冷池山荘除雪作業。
2016 4/ 25(月)
21日の入山以降、天気の崩れは幸い夜間にかぎられたり、さらにはやたらと高い温度続き、さらにさらにはやったらと柔らかい小屋周りの残雪。そして当然のことながら、超少雪という大前提もあり、小屋周りの除雪作業は過去に類を見なきゃ、過去に例もない最速の時間で終了しました。冷池山荘は小屋中の準備や片付けも順調に進んでおり、29日の正式オープンを待たず、26日からはご宿泊もOKです。本年もご利用の程なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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小屋前の除雪もとうに終わり、小屋裏の除雪作業で雪が舞います。 |
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小屋前の雪山にも例年の高さは感じられません。また毎年除雪作業をやってきた者には、除雪機で削り落とした雪の断面からも例年の堅くつまった雪の固さや密度といったものが全く感じられません |
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NO 1910 冷池山荘入山。
2016 4/ 22(金)
昨日21日の午前中、絶好の天候のなか、ヘリ入山をはたしました。午後から今朝にかけては本格的な雨降りになっただけに大助かりの入山そして小屋開けとなりました。冷池山荘の小屋周りも予想通りの少雪で、ここ40年余りの知っている範囲で、もっとも少ない印象です。このあとはどんどんと小屋周りの除雪と小屋の中の準備を進めて、4/29から
のゴールデンウィーク営業に備えたいと思います。
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少ないといってもこれぐらいはあるんですが・・・ 雪もやわらかいですね。(4/21) |
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爺ヶ岳。(4/21) |
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NO 1909 大町市街地のサクラもまもなくお仕舞い。
2016 4/ 20(水)
大町市街地の北はずれの我が地区も、サクラは早や満開。明日の後半からの雨は花散らしの雨になってしまいそうです。とにかくやたらと早い春の進み具合ですが、このあと梅雨は・・・ 夏の訪れはと心配ばかりが先立ちます。いったいどうなっていくのでしょうかね。
ただそうはいっても入山の各種段取りに追われる毎日のなかで、サクラとの出会いは気持ちにゆとりと張り合いを生んでくれます。入山前に今年はしっかりと堪能させていただきました。
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サクラも菜の花も盛りを過ぎようとしています。とにかく毎日暖かすぎ・・・ お地蔵さんの毛糸の帽子も、もうお取りしてもいいようですね。(4/20) |
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NO 1908 赤岩尾根取り付き。
2016 4/ 20(水)
昨日は先週に続いて赤岩尾根登山口の西俣出合へ行ってきました。どう見てもこの1週間の間にもさらに雪消えは加速気味です。普段の年ならほとんど見えないような砂防ダムも丸見え・・・・
西俣出合までの工事用道路もかなり奥まで路面が現れていました。
今回は夏山登山口と同じ地点から赤岩尾根に取り付いていただくように、誘導するように作業をしてきました。ただ残雪期に間違えて北股本谷方面に入って行ってしまう方が
ときどきおられますので、くれぐれもご注意下さい。地図とかもしっかりとご確認ください。
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いつもの3分の一以下の積雪でしょうか。とにかく冬のあいだの降雪が少ないから、ナダレもほとんど出なかったようです。(4/21) |
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赤岩尾根に取り付く斜面には、すでに夏道がところどころで見え隠れしてきました。(4/21) |
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連休に備えて赤岩尾根への誘導してきましたが、各自でしっかりとご判断願います。(4/21) |
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NO 1907 爺ヶ岳南尾根。
2016 4/ 20(水)
4/16にはスタッフが爺ヶ岳南尾根を登って種池山荘まで、偵察に行ってきました。とにかく普段の年をしっている者ならビックリするくらいの雪の少なさです。ただそれがイコール安全でも“夏山”でもないことは、ご理解いただきたく思います。『アイゼンは持って行かなくてもいいですよね』みたいな質問はご勘弁ください。まだまだ完全な冬山です。
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雪の多い年なら壁の“種池山荘”の文字もまったく見えません。小屋にとって少雪は傷みの原因にもならず助かるのですが・・・ (4/16) |
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爺ヶ岳南峰から冷池山荘、鹿島槍ヶ岳方面。4/16) |
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数日前に降った雪などで、夏道も白くなっていますが、爺ヶ岳裏側にある登山道は基本ほとんど現れています。(4/16) |
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爺ヶ岳南尾根ジャンクションピーク先。雪庇の幅も小さいですね。(4/16) |
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NO 1905 少雪も・・・
2016 4/ 15(金)
昨夜の熊本地震では熊本県内を中心に大きな被害が出てしまい、被災された皆さんには心よりお見舞いを申し上げます。2014年11月の長野県北西部の地震でも白馬村、小谷村を中心に大町市や長野市などで大きな被害が出て日本全国の皆さんからお力添えを頂戴しましたが、今回の大地震でも熊本へ向けて、全国各地の皆さんが力を合わせて、応援していきたいものです。全国の皆さんなにとぞよろしくお願いいたします。
ところで不通の九州新幹線もゴールデンウィークまでには、なんとか復旧したいというコメントが今夜のニュースで報じられていましたが、もう2週間後にはゴールデンウィークなんですね・・・・ きっとゴールデンウィークどころではないと思われますが、ぜひお力を合わせてこの苦難を乗り切っていただきたく思います。
さてそのゴールデンウィークを前に、本日は上高地までの道路の冬期閉鎖が解除され通行が再開されたというニュースが、夕方の長野県内ニュースで流れていました。そこで放映されていた河童橋付近からの穂高連峰の積雪のボリュームのなさ、アップにされた岳沢も際立って雪が少ない感じ・・・・ ああやっぱり穂高の方も少ないんだぁ・・・・ 明日には扇沢までのアルペンラインも、さらにその先の黒部ダム、室堂への黒部立山アルペンルートも全通いたしますが、おそらくこちらも同様の状況かと想像しております。
そんな状況下、ウチの若い衆も今週は、大谷原から赤岩尾根登山口の西俣出合まで足慣らしかたがた偵察に出かけてきましたが、こちらも例年にない雪の少なさでした。そもそも冬期間の降雪そのものの絶対量が少なかったですので当然ですが、さらに爺ヶ岳西沢からの雪崩も出ておらず、さらには4月7日の主稜線まで雨降りだった超まとまった降水量と融雪水で、北股本谷方面から土石流も出たようで、西俣出合付近の沢を覆う残雪は一気に押し流されてしまい、残雪期に赤岩尾根
や西沢に取り付く地点のデブリは消えてしまい、対岸へは渡れない状況になってしまっていました。そこで昨日は夏山登山道で用いる砂防ダム直下の地下道の出入り口を掘り出しに行ってきました。
要は例年なら夏山登山口とは違う赤岩尾根の末端から、残雪期は取り付きますが、今春は夏道同様のコースで赤岩尾根の尾根筋に取り付いていただきたいということです。さらにはゴールデンウィーク開始まで2週間あり、連日のこの高温状況ですので、今は積雪が50センチほどある最初の斜面の雪も、これからの2週間の間にはかなり消えて、夏道そのものもかなり現れそうな気配です。
何を書いているのか、わからない方もおいでかと思いますが、この時期私どもも簡単に現地まで、毎日毎日状況確認に行くこともできませんし、状況も日日刻々と変わっていくはずです。登山者の皆さん各自が的確に判断して的確なルートを取ってコースを判断なさってくださるようお願いいたします。ゴールデンウィークの最中も同様です。春山は夏山とはまったく違います。案内板や道標とか赤旗だとか赤布だとか、さらには人のトレースを頼りにしなければならない方は、この季節の登山は自重していただくのがベターかと思います。少雪の言葉だけが“一人歩き”して、いろんな遭難が起きませんように願うばかりです。
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いつもなら厚さ5mにも達さんとするデブリの上を渡って正面の西沢や赤岩尾根の末端に取り付きますが、今年はご覧の有り様です。 |
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例年のこの時期なら深い雪に埋もれている地下道も掘り出すことができました。 |
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まだゴールデンウィークまで2週間もありますが、一応地下道を渡った先から赤岩尾根の尾根筋まで夏道沿いにところどころカットしてきました。滑落に注意してください。 |
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4/7の大雨は土石流になって一気に駆け下ったようです。例年の今頃なら沢も砂防ダムもほとんど現れていないはずなんですが・・・ |
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NO 1904 温度高めの傾向続く。
2016 4/ 04(月)
この程度で終わりっ?っていう感じの、寒の戻りが少しだけあった3月後半も、あっという間に過ぎ去って、待望の四月入りですね。ただこんなに暖かな日が、大町辺りでも連日続いていいものか・・・・ 大自然のなかで仕事をさせていただく身としては、自問自答の毎日です。
さてゴールデンウィーク営業に向けては、各種準備、段取りに何かと心忙しい毎日ですが、あと20日ほどに迫った入山日に向けてがんばっていきたいと思います。ゴールデンウィークは4月29日の宿泊から5月7日の宿泊までの予定でいます。必ず冷池山荘の小屋開けを確認して、ご予約の上でご入山くださるようお願いいたします。
例年にない少雪傾向と高温傾向の今春ですが、それがイコール
ゴールデンウィークの天候の安定という訳ではありませんので、直前までしっかりと気象情報はご確認ください。なお扇沢までのアルペンラインを含め、黒部立山アルペンルートは4月16日に全線で開通する予定です。春山シーズン入りもまもなくですね!
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田んぼにも青いものが目立つようになってきました。(4/3) |
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