NO 2097 直
近 情 報 2017年 7/
13(木)
▲天気
◎鹿島槍ヶ岳周辺は、6/21の北陸地方梅雨入り宣言以降、しばらくは雨も少ない傾向でしたが、6/30から7/5にかけては連日大雨に見舞われました。さいわい周辺では登山道や登山口までの車道への被害等はありませんでした。
◎東日本では梅雨前線の活動が一時的に弱まった7/6から7/10にかけては、鹿島槍ヶ岳周辺もなかなかの好天に恵まれましたが、7/11以降は雷雨的な雨の時間帯がある天候になっています。本日13日も未明にまとまった雨がありましたが、朝には上がり
日中は青空も広がるまあまあのお天気になりました。ただ午後遅くには空も暗くなり、夕方には再び軽い夕立に見舞われました。
◎梅雨前線の活動が弱まってきた九州南部は本日梅雨明け宣言が発表されましたが、基本的には梅雨前線は東日本に停滞していますので、このあと3連休をはさみ、今しばらく雷雨等を含め注意が必要なのは申し上げるまでもありません。
気象情報をしっかりとご覧下さい。
◎北アルプス北部の梅雨明けは、北陸地方や新潟県が梅雨明けしなければ、基本的には安定しません。北陸地方の梅雨明け平年値は7/24です。
長野県は関東甲信という、非常に雑ぱくな分け方で、梅雨入り梅雨明けが発表されますが、長野県が東京などと同時に、梅雨明け宣言したからと言って、北アルプス山麓の大町、白馬なども、梅雨明けとは一概に言えません。やっぱり北陸、新潟県が明けなければ
いまひとつ安定はしません。
◎朝の温度はすずしい日で、5度ぐらいの日もまだまだあります。また日中の温度は晴れて20度ぐらいです。
◎NHKテレビの全国天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気ではなく『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。
さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。
『長野』と言うのは、要は長野市の街中のことであり、北アルプスの天気とはかなりかけ離れています。同様に関東甲信越の天気予報に登場する『松本』も、北アルプスの天気とはまったくかけ離れています。天気に詳しくない方やわからない方は、とにかく『新潟』(新潟市のことです)のお天気を参考にしてください。それが鹿島槍ヶ岳周辺の天気とはいちばん似かよっています。
◎小屋のテレビで天気情報が映る際も、みなさん雨の確率(パーセント)ばかり気にしていますが、大事なのは気象予報士が冒頭で言う概況の解説と、天気図です。お聴き逃し、お見逃しなきように! また降雨予想のメッシュ図が出れば、今ではかなりの確率でお天気もわかろうかと思います。
▲花
◎主稜線ではハクサンイチゲ、チングルマ、コマクサ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、タカネスミレ
、ミツバオウレン、シラネアオイ、キヌガサソウ、サンカヨウ等の夏をいろどるお花たちが少しずつ咲き出しています。
◎夏に大きなお花畑になるような場所には、まだ残雪がありますが、周りの雪の早く消えた場所から、徐々に
夏の花が咲きだしています。一番の見頃は7月末ごろから8月中旬でしょう。お花畑の見頃には、まだまったく慌てる必要はありません。今年は雪消えが遅かったのでお花畑の咲き出しは平年より一週間以上は遅れるものと思われます。
◎柏原新道では足元の林床にはツマトリソウ、ミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、ヒメイチゲ、ショウジョウバカマ、コイワカガミ等が咲いています。
▲登山ルート等の状況
◎鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障はありません。また種池山荘前や冷池テント場北方に残雪もありますが、アイゼン等は基本的にもうなくても大丈夫です。
◎柏原新道では、例年遅くまで残るアザミ沢とガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので問題ありません。ガラバ付近では落石にも注意してサッと通過してください。7月上旬の雨で柏原新道の雪消えは平年並みになっています。
◎赤岩尾根は最上部のトラバースに少し残雪がありますが、ここ数日中には夏道も現れそうです。
◎冷池テント場の先には延長300m近くに渡って雪庇の名残の残雪が残っています。雪庇の残がい上を歩
いたり、雪が消えて現れた夏道に下りて歩いたりします。雪庇から夏道へ下りるときや、逆に雪庇上へ上がるとき、凍っているところがあるので、ストック等を用いてバランスを崩さぬようにして通行してください。小屋で雪庇への上り下りは随時カットしていますが、各自がしっかりと注意して通行してください。
◎種池山荘〜新越山荘間は所々に残雪が残っていますので、谷側に寄らずに山側を注意して歩いて下さい。こちらも雪庇の残がい上への上り下りに注意は当然です。
◎針の木大雪渓の雪はまだたっぷりあります。7/12現在針ノ木小屋直下の夏道もあまり姿を見せていないようです。(もう少しすれば針ノ木雪渓最上部の夏道も、雪融けが進んで、現れてくることでしょう)
大沢小屋から夏道を15分ほど登ったあたりから針ノ木小屋まで約1.5キロ間ずっと雪の上を歩きますので、不安な方は 軽アイゼン、
ピッケル等お持ちになってください。
針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時には、慣れない方は軽アイゼン等を使って下りたほうが安心です。とくに針ノ木大雪渓の最上部が勾配が急ですので要注意です。
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主稜線のいちばん左の鞍部に針ノ木小屋が見える。その下には針ノ木大雪渓がずうっと延びる。また右上の針ノ木岳頂上へはいくつも残る雪渓上を、カットした斜面を注意しながら斜上して登る。滑落には要注意です。(7/13) |
◎針ノ木小屋から針ノ木岳頂上のあいだにも雪渓が残っており、雪渓上をトラバース気味に斜上します。針ノ木小屋スタッフがカットしてくれていますので、注意して通行すれば問題はないと思いますが、雪が消えるとカットした部分がダレて斜めになってしまいますので注意
が必要です。 心配な方には軽アイゼン、ピッケル等持参をおすすめいたします。こちらも頂上から針ノ木小屋への下り時に転滑落に注意です。
◎針ノ木岳方面への入山では、いましばらくは軽アイゼン、ピッケル等をお持ちになるのをおすすめいたします。
◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間はお客さま情報では、主稜線については特に支障ないようです。
ただ遠見尾根は最上部の白岳からの直下の登山道上に残雪があるようですので、下り時にはとくに注意が必要です。また八方尾根も上部に残雪多く、夏道登山道でなく残雪上の冬道コースを通る箇所があり、下り時を中心にアイゼンピッケル等を持参したほうがいいようです。残雪のある場所では充分に気をつけて、状況に応じてアイゼン等の着用をなさってください。
◎また鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。鹿島槍ヶ岳南峰から吊り尾根への下りとキレットの最核心部からキレット小屋の間の2箇所はガケの上を歩く最危険場所ですので、より慎重な通行をお願いいたします。
◎梅雨時の雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。
また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。大雨の後で、道は大丈夫かとすぐに聞かれても、わかる術はありません。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は
猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
▲混雑状況(7/ 13現在)
◎今週末の海の日3連休は7/15(土)の冷池山荘が140人ほどの、ご予約をいただいており、やや込み合うかと思いますが、他の日については冷池山荘・種池山荘・新越山荘のいずれも定員の半分以下のご予約状況です。まだ梅雨明け宣言にいたっておりませんし、通常の海の日パターンより一週間早いイメージでの今年の海の日連休ですので、どの小屋も
大きな混雑はなさそうです。
◎夏山シーズン前半の入り込み最大ピークは7月最終週末の7/29(土)になるものと思われます。他にも7/22(土)と8/5(土)の週末が込み合うものと思われます。どちらにしましても梅雨明け宣言や週間天気予報によって変動しそうです。なお平日になれば大変すいておりますので、入り込みの分散化等に、ご協力いただければ幸いです。
◎長野県内恒例の中学校登山の予定日では種池山荘の7/26(水)が混みあいますので、この日のご宿泊は冷池山荘や新越山荘をご利用いただければ幸いです。なお7月中の学校登山が雨天の際には8月後半へ順延になります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。冷池山荘では中学校登山の実施はございません。
2017年種池山荘の学校登山日程表
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7/18(火) |
7/19(水) |
7/20(木) |
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7/25(火) |
7/26(水) |
7/27(木) |
種池 |
30人 |
100人 |
110人 |
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100人 |
150人 |
40人 |
◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、また私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えると
お断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
ただ定員と申しましても基本は相部屋で、下界の宿泊施設の定員とはと違ってかなりきつめでありますのでご承知置きくださいませ。少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入り込みができるだけ平準化しますようご協力とご予約の程よろしくお願いいたします。 また予約はキャンセルされても、キャンセル料等は一切頂戴いたしません。雨の日や体調の悪いときには、
当日キャンセルでも構わないので、絶対無理はなさらないで下さい。
▲アドバイスや注意
◎種池山荘テント場はまだ半分以上が雪に覆われています。雪の上に設営する場合もありますので、ご注意ください。
◎週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障がでて、たいへん迷惑です。大渋滞の原因や、過去には交通事故の原因にもなっています。また駐車するときは白線内に駐車して、1台でも多くの車が停められるようにしてください。柏原新道登山口のある扇沢周辺は
700m先に、年間100万人以上の来場者がある黒部ダムへの玄関口の扇沢駅があります。通常の行き止まりの登山口行きの林道ではありません。
◎砂防工事の資材置き場のため、利用できない駐車スペースもありますので、扇沢登山口周辺駐車案内図にてご確認下さい。
◎大谷原に駐車される方は、防災工事の大型車が通行しますので、大型車両の通行に絶対に支障にならないようお願いします。
◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、
一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
◎インターネット等に発表される個人の山行記録には、早歩きや、早走り、日帰りを自慢したり誇張したものが多々あります。
またそういったものに悪い意味で触発されて、強引なコース設定の方が目立つ昨今です。あくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
朝な夕なに山の変化を楽しむ、ゆっくり登山で足元の見落としそうな、小さな花に感動を覚える、そんな登山を楽しみましょう!
◎近年、種池山荘から午後4時過ぎに小さな子供を連れて下山する日帰りグループが見受けられます。子供は疲れきっていて、途中からは
ぐずりだすでしょうし、どんどん暗くなります。下へ行くほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。
これは子供連れパーティに限ったことでありません。一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶な日程、コースの日帰りの人が多いことです。
◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。
またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
◎夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。
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