NO 765 秋のお花もちらほら。
2010 7/ 26(月) P.M
7月もいよいよ今週一週間を残すのみになってしまいました。本日は午前中の晴天が一転、午後2時ごろから1時間以上にわたって待望?
の夕立がありました。7/18の梅雨明け後は連日の晴天で、カラカラ気味でしたのでそろそろ一雨が欲しかったというのが本音です。高山植物たちにとっても、小屋の水場にとってもうれしい雨です。気温もさあっと下がりまさに一服の清涼剤です。雷はこわいけどこれからは時々夕立がほしいのも偽らざる心境です。お客様には最新情報の欄にも常に書いておりますが、早出早着を心がけていただき山小屋にはできるだけ早くに、何とか2時ごろまでには到着するようにしていただきたいものです。
さて主稜線のいわゆる “お花畑”
は、残雪が20日から一週間ぐらい前までには消えて、どんどんと夏のお花たちが咲きだしています。先陣をきるのはいつもミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、ミヤマキンバイなどですが、それに続いてハクサンボウフウやヨツバシオガマなども咲きだしています。もう少しすればそこに盛夏の代表でもあるハクサンフウロやクルマユリなども加わってくれます。ひとくちに“お花畑”といってもいろんな地形、いろんな地質、気象条件等によっていろいろな種類の“お花畑”があります。コマクサのように単独でつくる“お花畑”もあれば、いろいろなお花がそれこそ百花繚乱状態の“お花畑”まで千差万別です。何度も岳へ足を運んでいただき、いろんな時期のいろんな“お花畑”を知っていただき、満喫していただきたいものです。また岳の上は7月、8月になっても残雪があったり、また秋の訪れも下界には比較にならないくらい早いので、真夏の最盛期でもいわゆる“春の花”から“秋の花”まで一堂に会することもまったくふしぎでありません。今日現在でも雪が消えてしばらくたったところでは、5月の中旬には咲きだすショウジョウバカマがようやく開花しているものもあります。また一方の場所では“秋のお花”の代表でもある、オヤマトリカブトも咲きだしています。種池山荘前のチングルマ畑だって、もう満開の場所もあれば、芽吹きの真最中のもの、これから芽吹きを迎えるもの等いろいろです。場所によってはそれこそもう花を落とし綿毛状態になっているチングルマもあります。お花の名前ももっともっと覚えたいし、そのお花の個性というものももっと知りたいものですね。またどう探してもその山では見つからない、生えてないお花も何種類もあるものです。いつの日にか、高山植物図鑑でしか見たことのないお花たちにも逢いにあちこちの山へ出かける時間をつくりたいものです。なかなかむずかしいかなあ・・・
▲天気
◎7/18の北アルプス北部の梅雨明け以降は7/26のお昼過ぎまで、びっくりするほどの好天が続いています。朝夕は青空が広がり、日中はガスがかかる時間帯もある夏山の典型的なお天気です。
◎朝の最低気温は13度ぐらい、最高気温も2
2度ぐらいまで上がっています。
やや肌寒い日などは朝の最低気温10度ぐらいの日もあり、Tシャツ一枚では寒い日もあります。薄手のジャンパーをお持ちになるか、雨がっぱでの代用でもOKでしょう。
◎7/18の梅雨明け後、7/25まで雷雨はありませんでしたが、
本日7/26は午後2時ごろから1時間ほど梅雨明け後初の夕立になり、結構強く降る時間帯もありました。今後も夏山シーズン中は常に雷や夕立に注意しなければなりません。夕立の通過は早くその後は夕方にかけてお天気
は回復です。
◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。
さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。
▲花
◎主稜線のお花畑の雪もほぼ消えて、消えた周囲からはあらゆる夏のお花がどんどんと咲きだしています。お花畑のいちばんの見頃は例年7月最終週から8月第一週にかけてです
が、今年はやや遅れ気味の感じがいたします。
お盆頃までしっかりと楽しめそうです。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラ、コケモモ
、チングルマ、ハクサンボウフウ、エゾシオガマ、ヨツバシオガマ、ニガナ、モミジカラマツ、ハクサンチドリ、ハクサンフウロ、etcどんどん咲きだしています。
◎一方では早咲きのミヤマコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマコゴメグサ、ヤマハハコ、ミヤマトリカブトといった秋系の花もちらほら咲きだしています。
◎種池山荘前の残雪もなくなり、早く雪の消えたところからチングルマやアオノツガザクラが咲きだしています。またみなさんお楽しみのコバイケイソウ
は一部で開花しましたが、今年はどうやらちょっとだけ花をつけておしまいのようです。
▲登山ルート等の状況(7/26現在)
◎鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も海の日3連休中も皆さん支障なく縦走されています。
◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
◎柏原新道は上部のアザミ沢とガラバに残雪がありますが、問題はありません。落石や滑落に注意してガラバはサッと通過しましょう。
◎赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転滑落に注意してください。また落石にもご注意ください。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りてください。
◎新越山荘方面はところどころに残雪がありますが、問題はありません。残雪から夏山登山道に移るところが凍っているので気をつけましょう。
◎針の木大雪渓は最上部針ノ木小屋直下の夏山登山道が約400m現れて、安心して通行できるようになりました。それより下部は残雪がまだ
1キロぐらいに渡ってたっぷりあり、夏山の大雪渓歩きを堪能できます。心配な方は軽アイゼン、ストック等お持ち
になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時は転ばぬようご注意ください。
◎針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだの残雪はなくなりました。
◎雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。
また大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
▲アドバイスや注意
◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、
一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
◎梅雨が明けて本格的な夏山到来! 今度は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。日中の暑さ等に対する備えもしっかりとお願いします。
日焼け止め、サングラス、帽子、水分補給等にご注意ください。
◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。
またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
▲混雑状況(7/26現在)
◎今週末7/31(土)は冷池山荘と種池山荘で定員に達しそうな感じです。このあとも週末にかけて、お天気続けば混みあいそうです。
新越山荘はご予約少ないです。
◎
そのあとは8/7(土)の週末がかなり混みあいそうな感じです。3つの山荘とも定員を超える入りこみになるものと思われます。
◎また例年お盆シリーズはあまり込み合いません。お盆がシーズン中に一番混雑したのは25年以上前のことです。今年も今のところ
一番ご予約をいただいている日でも冷池山荘の8/14の60名様ほどです。大きな混雑にはならないと思われます。ぜひご計画くださいませ。
◎長野県下恒例の中学校の集団登山の日程ですが、
100人以上の中学校の宿泊日は種池山荘が7/27(火)、8/31(火)、冷池山荘が7/27(火)です。いずれもやや混みあいますので他の日をおすすめいたします。
◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが
、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
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