▲▲ 今までの情報  : 2025 / 8月分まとめ ▲▲

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NO. 2817   クマに厳重注意!

2025 8/ 15(金) 

   今夏一番の朝といってもいいような、絶好の好天に恵まれたお盆の15日です。そんな中で今朝は鹿島槍ヶ岳頂上にて、親子グマが現れて、食事中だったお客さまがビックリして逃げたすきに、弁当を食べられてしまうという、重大な事案がありました。頂上には複数人の登山者もおられたようですが、幸いに人的な被害はなく、また驚いて逃げてガケから転落と言った最悪の事態に至ることもなかったことは救いでした。

  当最新情報でも7月27日のNO.281以降、再三に渡ってクマへの注意喚起を申し上げておる次第でありますが、同一個体と思われるクマ親子が、種池山荘〜爺ヶ岳〜鹿島槍主稜線の登山道近辺で、度々目撃されております。今まではうろつく姿や座り込む姿が、目撃されていたわけですが、今回の一件は少し度を越した内容になっていますので、さらなる注意をお願いするものであります。

  クマは一日に10キロ以上の距離を徘徊するとも言われていますので、頂上ではもちろんのこと、道中で休む際や食事をとる際も周辺には、十分に目配り気配りをお願いする次第です。また万一に備えて各山小屋の電話番号は控えて行ってください。鳴沢岳〜爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳ではこの親子グマ以外の個体と思われるものも見受けらていますのでご注意下さい。

  折りしも知床半島の羅臼山では、登山者がヒグマに襲われて死亡という大変痛ましいショッキングな遭難も発生しています。とにかく北海道の山でなくとも、ツキノワグマの棲息する北アルプス山域に、人間が足を踏み入れていることだけは間違いありませんし、昔に比べてクマの個体数が増加しているのも間違いありません。関係官庁にも内容は伝えてありますが、特効薬は見つからないというのが偽らざるところです。

一昨日昨日とガスの時間帯が多く展望はイマイチでしたが、今朝はひんやりとした大気と共に、今夏サイコーの青空が鹿島槍上空に広がってくれました。(8/15:冷池山荘)
雨に見舞われた山の日連休は静かな新越街道でしたが、お盆休みに入ってからはお客さまも戻ってきてくださいました。(8/14)
種池山荘の前庭は今夏一番の賑わいだった昨日。ガスが多いもののまあまあのお天気。(8/14)

NO. 2816   風雨に見舞われた山の日連休。

2025 8/ 11(月) 

   初日こそ好天に恵まれた山の日連休でしたが、2日目そして3日目は秋雨前線が本州上に停滞する形になってしまい、雨の時間帯が多くなりました。主稜線は風も強く冷たく、皆さんなかなか厳しかったようです。

  先週6日の大雨の際にも、白馬岳山頂付近において、低体温症でお亡くなりになる残念な遭難の一報が伝えられましたが、昨日も五竜岳山頂にて同様の遭難があったようです。こちらは無事に五竜山荘に救助され事なきを得ましたが、皆さんお気をつけいただきたいと思います。

  誰もがご承知のことで、今さらかと思いますが、大雨、強風、低温のなかでの長い縦走や長時間歩行は穏やかな天候の下でのものとは、まったく違う別物です。またグループの中にあっても、個々で体力等も全く違います。明日も続くであろう雨模様のあと、明後日以降は天候も回復傾向のようですが、3000m級の北アルプスにおいては、今夏の下界の猛暑酷暑は当てはまりません。最高気温でも昨日そして今日と16℃ほどです。風雨に打たれればさらに体感温度が下がるのも当然のことです。長野県内山岳は北アルプスを中心に連日いろんな形での遭難が続発しております。ご注意いただきながら、“山盆ウィーク”の後半戦をお楽しみいただきたいと思います。

  なお今までにもお伝えしましたが、鳴沢岳〜爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳にかけてクマの目撃が多めの本年です。そちらもご注意いただくとともに、決して刺激を与えるようなことはないように願います。

3連休最終日はお昼頃からは雨も小やみになってくれました。チングルマの綿毛が夏から秋への移ろいを教えてくれます。お盆が過ぎればすぐに9月がやってきそうですね。
2日目3日目と雨の時間帯に支配された3連休。草木にとってはうれしい雨模様。
3連休初日は絶好の朝焼け。妙高山や火打山まで見えるとなんか得した気分・・・
鹿島槍の前衛峰:布引岳から爺ヶ岳を振り返る。槍穂高はもちろん遠く南アルプスも全山遠望の3連休初日。上空には秋の雲達が遊びにやってきてくれました。
布引岳山頂から鹿島槍ヶ岳。ここまで来ると鹿島槍の大きさを再確認!
先週末には柏原新道の“ガラバ”の雪も全部消えました。周辺ではまだまだ針ノ木大雪渓には中間帯に雪渓歩きがありますので、雪の表面がツルツルしている場所など、下り時には特に注意!

NO. 2815   久しぶりのまとまった雨。

2025 8/ 7(木) 

   前線の南下に伴ない昨日午後から今日にかけて100ミリ近い大雨になった鹿島槍ヶ岳周辺です。7/18の梅雨明け以降、7/27に少し夕立があっただけで、本当に日照り模様の好天続きでしたので、雨の中をお越し下さったお客さま方には誠に申し訳ございませんが、飲料水確保や登山道の安定の上からも、またお花たちや秋の紅葉の色付きに向けても潤いを与えてくれるありがたい雨でした。

  夕方前には前線も通過して、ひんやりとした大気の到来とともに青空が広がってくれました。明日明後日は前線も南下してお天気も復活してくれるものと期待しておりますが、山の日3連休をはさんで来週にかけては、この秋雨前線の走りといっても言いような前線が、本州付近に停滞するようですので、その動きには要注意です。少しの上がり下がりでも、天気は大きく違いますので、しっかりと前線の位置を確認いただきたいと思います。また今週前半までの暑さ対策だけでなく、雨や寒さ対策にもご注意下さい。

今週初めには、無事に8月分の物資を上げていただくことができました。不足気味だったビールやコーラもしっかりと荷上げしたので、また安定したお天気が続いてほしいものです。3つの山荘ともに冷蔵庫で冷やしてお待ちしております。(8/4:新越山荘)
立秋の到来とともにトンボの数も増える頃です。
すべてを潤してくれるような雨になりました。(8/6:冷池山荘)
前線が去って午前中の土砂降りが嘘のように青空が広がる夕方前です。(8/7:冷池山荘)

NO. 2814   8月も好スタート。

2025 8/ 2(土) 

   台風からの湿った大気の影響か、朝からガスに包まれる時間帯が多い一日でしたが、雨の心配はまったくありませんでした。連日安定したお客さまの入り込みが7月から続いています。

  なお長野県内は北アルプスを中心に、ほぼ毎日いろんな形態の遭難や事故が 多発しております。皆さんにおかれても、私に限っては・・・ でなく、誰もが当事者になる可能性があることを、肝に銘じて山行に向き合っていただきたいと思います。 私どもの柏原新道の上部“ガラバ”においても、ここ数日間に2件の数メートルの転落そしてさらに雪渓上を20mほど滑落するという事故が発生しております。 いずれも下山時の事故で、幸いに軽い打ち身やすり傷程度で済み、体をしっかりと休められてから、いずれも自力で下山されることができました。一歩間違えたらもっともっと大きな事故になっても全く不思議でない場所だけに 、本当に本当に幸いなことでした。

  どなたも体調を整えていただき、決して油断することなく 、安全登山を肝に銘じて山行を楽しんでいただきたいと思います。暑さに伴なうバテバテ気味の方も目立ちます。水分や塩分の適切な補給、適切なペース配分等も切にお願いいたします。また爺ヶ岳周辺ではクマの目撃が目立ちますので、足元ばかりを見ての歩行でなく、登山道の先、遠め遠めの確認もお願いいたします。万一の場合に備えて小屋の電話番号は確実に控えておいて下さい。

  7月は安定傾向のお天気が続きましたが、ここへ来て台風が連続発生したりしていますし、8月も中ぐらいになってくると秋雨前線の走りのようなお天気も現れてきます。そちらのほうも常に敏感であっていただきたいと思います。

ガスの時間帯が多い8月入り最初の週末でしたが、雨の心配もなく、種池山荘前庭ベンチは終日満席御礼の一日でした。
種池山荘“夏のピザ祭り”引き続き開催中です。ここ2〜3年は休んでいる最中に日傘をさす方が結構目立ちます。下界では男性で日傘をさす方も増えているようですね
事故の一件は登山道上のスコップの置いてある場所でバランスを崩して雪渓上に転落。道幅は結構あっても疲労度も増している下山時は、いかなる場所でも慎重に願います。柏原新道の登山口まで無事に下りてお宅に戻るまでが登山の行程です。
もう一件は雪渓部分の最後の下り部から夏道へ移る際に滑って転落したものと思われます。夏道へ移る雪渓の端っこは登山靴で踏まれて真夏でも凍っていてツルツルしているときがあるので要注意です。なお7月の初めには下の写真のように急傾斜かつ大量に残っていた“ガラバ”の雪渓も残りわずか。来週明けには夏道を覆っていた残雪はすべて消え去ることでしょう。ただ今しばらくその下部の雪渓は残りますので気をつけて下さい。なお針ノ木雪渓下りでは、まだまだ注意が必要です。
1カ月前の“ガラバ”はまだまだたっぷりの残雪。“ガラバ”は、残雪時の雪渓の横断やガケからの転落、沢の上部からの落石等に最大限の注意を払わなければなりません。