NO132 小屋の周りでもようやく初霜が降りました。またひとつ季節が進みました。
2004/09/21
毎年小屋に居る者にとっては暖かな朝が続く今秋ですが、先週の9月15日にはようやく初霜を観測しました。
小屋の標高(2400m台)よりもはるかに高い鹿島槍ヶ岳頂上では結氷する温度だったものと思います。今年はまだ富士山も大雪山も初雪が降ったというニュースを聞いていませんが、これからはもういつ氷が張っても初雪がいつ舞っても不思議でない季節を迎えました。
敬老の日3連休は日本海から寒冷前線が南下して天気の悪化が心配されましたが、天気の崩れは9/18(土)の夕方から翌日の早朝までという最小範囲だけで済み“超”ラッキーという感じでした。要領のいい方?はまったく雨ガッパにお世話になることもなく、ピークを迎えつつある主稜線の紅葉を思う存分楽しんでいただけたことと思います。今年は冷え込みが今ひとつ弱いせいか、天候ももうひとつパッとしなかったせいか色付きは少し物足りない感じですが、それも毎年小屋に居る者のぜいたくな悩みのひとつのようです。どのお客さまもまあまあのお天気と紅葉に大満足された3日間でした。これからは日に40〜50mぐらいの速さで紅葉も降下していくわけですが、9月いっぱいは主稜線近くでもまだまだ楽しむことができます。
真っ赤なナナカマドを目にやき付ける頃は、北アルプスも徐々に小屋閉めを迎える季節でもあります。当方でも新越山荘が9/26(日)をもって今シーズンの営業を終了いたします。
▲天気
◎9/21(火)は前線の南下に伴い夕方から雨が降りだしました。22日朝も引き続き雨模様です。
◎このあと週末はいいような予報がでていますが、秋雨前線の動きや新たな台風の発生等によってすぐに予報も変わってしまいます。各自でしっかりと
天気予報を把握して計画を立てて下さい。最近は天気の変化が早いです。
▲紅葉
◎周辺では例年より
1週間ほど早めに紅葉が進行しています。すでに主稜線の紅葉は一番の見頃を迎えています。また紅葉の先端は標高2000m付近にまで達しています。
◎柏原新道の上部の爺ヶ岳南西斜面(2200m付近)はすごくいい色合いになってきています。
▲登山ルートの状況
◎鹿島槍ヶ岳及び爺ヶ岳周辺の登山道は特に問題ありません。
◎針の木大雪渓は今季は雪消え早く、もうほとんど残っていません。秋道を歩いています。
◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は特に問題ないようです。
▲アドバイスや注意
◎9/15には山荘の周囲でも初霜を観測しました。
◎朝は冷え込むと0度ぐらいに下がるようになってきました。日中もこれからは上がっても12度ぐらいまででしょう。半そでだけでは寒いです。
秋山用の服装で防寒対策が必要です。
◎初雪についても9/20以降はいつ降っても不思議ではありませんが本格的な積雪にはなりません。天気回復すればすぐに融ける程度の降雪です。本格的な降雪は10/中以降
、注意必要。
◎まだ雷雨、夕立に要注意です。どんなに好天が予想されていてもカッパはお忘れなく。また遅くとも午後3時ごろまでには小屋へ到着しましょう。
北アルプスを中心に落雷事故の多い今夏です。
◎ここ数年増加の登山靴の靴底のはがれ。事故の原因にもなりかねません。少しでもはがれ始めていないかしっかりと確認してから家を出発してください。
▲混雑状況
◎敬老の日3連休も終わり、紅葉トップシーズンといっても当山域はあまり混みあいません。
◎このあとは体育の日3連休が今シーズンの最後の入り込みになるものと思われます。
◎申しわけございませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。
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柏原新道の上部は日に日に色合いを増しています。この付近は新緑も紅葉も本当に素敵です。(9/20) |
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朝の雨が嘘だったかのようなご覧の晴天。冷池山荘周辺も爺ヶ岳も今が紅葉の見頃です。(9/19) |
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同じく柏原新道ガラ場付近の紅葉。毎年あまりハズレのない紅葉のポイントです。 |
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遅れ気味だった寒気もようやく来はじめました。小屋の周りでも初霜を観測しました。(9/15) |
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9月20日のご来光はもう5時38分。随分遅くなりました。最近は携帯電話で撮影する人が多いですね。 |
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9月16日の朝は鹿島槍ヶ岳南峰の影がちょうど剱岳に向かって伸びびていました。 |
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鹿島槍頂上へ行ってきました。二日続けて霜が降りていました。水たまりでもあれば氷っていたことでしょう。(9/16) |
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頂上からは槍穂高、剱立山、五竜白馬、噴煙たなびく浅間山、富士山と飽きる事はありません。 |
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