NO183 今冬最後?の冬将軍去って、明日から4月。いよいよ入山モードへ。
2006/03/31
ここ3日ほど最高気温が2度ほどの冬のような陽気でした。大町も連日雪がパラつき降雪も10センチほどありましたが、日が少しでもあたれば消えてしまうような淡雪でした。小谷村や飯山市など長野県内最北部は30センチ近い降雪になったようですので、北アルプスの稜線もかなりの降雪があったものと思われます。ゴールデンウィークまでも1ヵ月を切り、桜前線も日に日に北上を続けるのを見るにつけても気分は春真っ盛り、山も春爛漫の春山をみなさん思い描いておられるかもしれませんが、北アルプスなどの3000メートル級の山岳地帯は時おり優しい表情を見せこそすれ、まだまだ完全なる真冬の山の領域です。
3月には天候の急変による山岳遭難が唐松岳や八ヶ岳、そして谷川連山の仙の倉山等で相次ぎました。4月あるいは5月だって基本的には変わりません。誰しも月日が経てばすぐに忘れてしまいますが浅間山で60代の男女4人パーティが疲労凍死した遭難があったのは1999年の4月18日のことです。私共もゴールデンウィークの営業期間中、過去に数回やはり疲労凍死につながってもおかしくないような事例も見てきました。ゴールデンウィークの山行計画立案中のみなさんもおられると思いますが、慎重な計画、行動をお願いしたいと思います。
ところでテレビを見ていると東京では本当にサクラが満開ですね。ワシントンでも例年より1週間ぐらい早くサクラが満開だと言っていました。1月の冷え込みの影響でサクラの開花が各地で一週間以上も早いようですが、大町はどうなるでしょうか。気象庁の予想は4月21日ということですが。残雪の北アルプスをバックにした大町のサクラのお花見にもみなさんお越しになりませんか。そのころには高瀬渓谷のコブシも咲き始めて全山が真っ白くなっていきます(ただしコブシには当たり年とはずれ年があります。コバイケイソウと同じですね)。最近お隣の安曇野市の光城山のサクラが有名になり都会の山好きの方々も北アルプス展望のハイキングがてら来られているようですがぜひ大町の方へも足をのばして下さい。
一方テレビではプロ野球セリーグも始まり、先に開幕したパリーグ、高校野球とあわせてまさに球春ですね。草野球ファンの人たちにとっても楽しい季節でしょう。わたしも野球はしませんが、この“球春”ということばが昔から好きです。なんかわくわくしてきます。スポーツを代表する季節の言葉ですよね。同じように“夏山登山”という言葉も自分の家業に関係なく好きです。夏山を頭に付けなくても“登山”とか“キャンプ”だけでも俳句では夏の季語なんですが。まだ春山入山もしてないのに夏の話になってしまいました。とにかく野球選手だけでなく私共山小屋のシーズンもまもなく始まります。
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安曇野市から見た北アルプスの北部、後立山連峰。 |
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信濃富士と呼ばれる有明山と燕岳。(安曇野市より) |
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今冬ほとんど降雪がなかった安曇野は春の装い。 |
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大町郊外の美麻では福寿草が咲き出しています。 |
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3月下旬の穏かな朝。中央に赤岩尾根が下りる。 |
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鹿島集落はまだまだ70センチ余りの深い雪の中。 |
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田んぼの雪どけ水に、鹿島槍ヶ岳の勇姿。 |
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木の根元にも春の訪れ。まもなくコブシの白い花も。 |
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最後の寒波到来。ザゼンソウもふたたび雪の中へ。 |
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お地蔵さまにもふたたび白い綿帽子とマフラーがプレゼント。 |
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