▲▲ 2006 /11月 ▲▲

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NO256   鷹狩山からの展望 其の三。

 2006/11/29(水)

     11月もあと一日となりましたが、今ひとつ冷え込みは弱い感じの北アルプス山麓です。今冬の長期予報でも暖冬傾向か? などといった予想が先日為されておりましたがどうなることでしょうか。でも明日以降は一気に寒くなるらしく週間予報でも札幌は連日の雪だるまマークへと変わりました。まだまだ黒い斜面が目立つ北アルプスもこのあとは冬色を深めていきそうです。

    ちょっとしつこすぎるでしょうか、『鷹狩山からの展望 其の三』 をお送りいたします。今回は来春4月の小屋開けまで標高3000m近い厳冬の主稜線で “シベリアおろし” に立ち向かう鷹狩山から見える北アルプスの山小屋コレクションです。比較的おだやかだった11月も終わりを告げ厳しい真冬の到来を知らしめる12月、師走の入りになりそうです。どの小屋も元気に冬を乗りきってほしいものです。鷹狩山そのものもまもなく積雪で車道は通行止めになります。来春はみなさんも大町にお越しの際には山岳博物館見学後、ぜひ登っていただき大パノラマをご堪能くださいませ。展望台と無料の望遠鏡もあって楽しみもいっぱいです。トップページの写真3枚ともあわせてご覧下さい。


大天井岳と大天荘。

ご存知、燕山荘。

我が方で見えるは新越山荘だけ

五竜山荘、右に白岳。

中央に唐松山荘、左奥に頂上

白馬岳と直下に白馬山荘。

NO255   秀作ぞろいの日本山岳写真協会の恒例 『山の便り』。

 2006/11/28(火)

     松本市美術館で開催された日本山岳写真協会松本支部主催の山岳写真展 『2006  山の便り』 を拝見しに先日行ってまいりました。ここ数年はお伺いできませんでしたが、今年は同協会の全国各地の各支部からの選抜された写真も展示されて、以前お伺いした時以上に日本各地の山岳が網羅されており、よりバリェーションに富んだものでした。全国各地の朝に夕なの山々の表情、四季の移り変わりを居ながらにして堪能しての稜線漫歩です。変幻自在の瞬間を逃さない作者の眼力、それぞれの作者の主眼がどこにあるのかが手に取るようにわかる力作ぞろいでみなさんの実力に感服するとともに、底知れない魅力を持つ山々に敬服するのみでした。

    本日28日から12月4日までは会場を松本市梓川のアカデミア館に移して開催されますのでお近くの方、時間のゆるす方はぜひとも足を運んでいただきたいと思います。今回は松本支部の会員の皆さんの約60点が展示されております。入館料は無料、あわただしい師走入りを前に心安らぐ瞬間です。


NO254  鷹狩山からの展望 其の二。

 2006/11/19(日)

     13日の降雪後もたびたび降雪に見舞われる北アルプスです。今日も朝方は重い空の合間から姿を見せていた北アルプスですが、昼頃からは雪に変わったようです。これからは日に日に簡単には人も寄せつけない冬山へ、そして厳冬の山へとさらに雪の衣を増していくことでしょう。

    先日13日の鷹狩山からの眺望があまりに素晴らしかったので今日は第二弾をご紹介いたします。私自身も1年に一度ぐらいしか行かないんですが、新雪の北の安曇野と高度感をさらに増した北アルプスの大パノラマが最高のひと時でした。当日は写真撮影後、富山市で長野岐阜富山三県遭難対策連絡会議が開催され私も参加しに行って参りました。三県の県警と遭対関係のみなさんから活動報告がなされ、山小屋としてはたいへん心強く思った次第でした。一方で毎年増加の一途をたどる遭難発生報告には当事者として今後どのように対応して遭難発生に歯止めをかければいいものか考えさせられる大会でした。今年の北アルプスの長野県側での遭難発生はここ20年ほどの間では最悪の数字になっています。

    当日の富山行きの写真とあわせてご覧ください。


鹿島槍ヶ岳、五竜岳。(13日)

まん中に蓮華岳。(13日)

餓鬼岳と唐沢岳。(13日)

青空に映える後立山の峰峰。

扇状地大町。雪線は730m。

木崎湖界わい。(13日)

青木湖に姿宿す白馬連峰13日

五竜岳と八方尾根(白馬村にて)

朝日岳と右上には朝日小屋。

救助用具の開発にも鋭意研鑽。

今日19日の大町は重い空。

精かんな鹿島槍と五竜岳(19日)

NO253  今年の山仕事の無事を“山の神”にご報告。

 2006/11/18(土)

    昨日17日は高瀬入りと篭川入りの入口にあたる大出地区(大町温泉郷の南方向) の山の神様のお祭りがあり、私もお招きにあずかり出席させていただきました。周辺は古くから北アルプスをまたにかけた名猟師を輩出した土地柄、山の神への信仰もたいへん熱心なところです。現在は専業の猟師さんこそいなくなりましたが、山や林業、建築等に関係した仕事の人たちの信仰をあつめています。私も今年の無事を御礼申し上げ、冬のあいだの山の安全を祈願してまいりました。神事のあとには“山の講”の席をもうけて頂き宮司さんや地元の皆さんと山の神の話や昔話に花が咲きました。“山の講”が終わればまた一歩冬が近づく北アルプス山麓です。


宮司さんが棟札を書き上げる。

北アルプスの入口、大出の里。

大山積の大神さまをお祀りする

当地では毎年二本の剣を供える

今年の棟札を供える。

全員で山の安全を祈願。

NO252  今季ベストワンの銀嶺の北アルプス。

 2006/11/13(月)

    予想どおりの快晴にめぐまれた今朝の大町は最低気温マイナス4.2度、さすような冷気が実に気持ちいい朝をむかえました。目の前には今冬最高の積雪になった北アルプスの全山がそそり立っています。さっそく山岳博物館、そして博物館の東側の鷹狩山へ行ってきました。北アルプスの麓に暮らしている幸せを再実感です。今朝の大町そして北アルプスをどうぞご覧になってください。


名残のサクラの紅葉と、後立山連山。

雄々しさをさらに増す鹿島槍ヶ岳。

博物館前庭より。市街地と鹿島槍、爺ヶ岳。

鷹狩山頂上からの烏帽子をはじめ裏銀座。

大町から南は雪のない安曇野と常念岳方面。

白馬三山も真っ白(鷹狩山山頂より)

NO251  大町市街地でも11月7日の初雪に続いて今日は初積雪。

 2006/11/12(日)

    昨日からの雨は早朝には大町市街地でも雪に変わり、今季初の積雪になりました。市街地で2センチ、郊外で5センチ大町北部から白馬にかけては10センチ以上の積雪になっているようです。いよいよ里にも冬の使者が到来です。明日の朝はかなり冷え込みそうな気配なので大慌てで水道の電熱ヒーターを入れたり外の水道は不凍栓の水を抜いたりして凍結の防止です。来週も雪マークもでたりしているので、車も一台はスタッドレスタイヤに交換です。 夕方には雪も上がりかなり冷え込み一部青空も見えたので、明朝はうまく晴れれば全山真っ白の北アルプスが望めそうです。雪がやってくると師走へ向けてのスピードはさらに加速しそうです。


NO250  足音だけでなくいよいよ冬そのものがやってきそうです。

 2006/11/10(金)

    今週末から来週にかけては週間予報でも雨マークが多くなり寒気の南下も予想されるとのことで、大雪になる前にと昨日は小屋の見廻りに行ってきました。先日の雪で主稜線の夏道は30〜40cmぐらいの吹き溜まりになっているところが多かったです。木々はすべて葉っぱを落とし、ライチョウもすっかり白くなり、雪の上にはそこかしこに動物の足跡が点在し本格的な冬の到来間近を予感させる光景でした。昨日はおだやかな天気の一日で、終日にわたって異常なくらいに富士山が近くに見え、能登半島の町並みもくっきりとはっきりわかる恵まれた一日でした。これから半年間の厳冬期に立ち向かう三つの山小屋ものんびりと日向ぼっこをして小春日和を満喫しているかのようで安心しました。

   一方、下山後には悲しい知らせが届きました。平成に入ってからの三つの山荘の増改築工事で現場の大工仕事を中心になって切り盛りしてくださったMさんが亡くなったという知らせでした。まだまだやっていただきたかった仕事もたくさんあったし、お孫さんを連れて遊びにもきてほしかったのに残念でなりません。平成16年新しい冷池山荘が竣工した際の喜んでくださった笑顔は今でも忘れられません。慎んでご冥福をお祈り申し上げます。


安曇野の向こうに八ヶ岳と南アルプスを従えた富士山

富山県入善町と遠くに能登半島の山々や家並みも見える。

冷池山荘の向こうに新潟県境冠雪の焼山と火打山。

これからは降雪のたびにより勇ましさを増す剱岳。

種池山荘と立山連峰。ラッキーなおだやかな一日。

爺ヶ岳より槍穂高連峰。手前に蓮華岳東尾根。

爺ヶ岳稜線より鹿島槍ヶ岳。冬の魅力が日に日に増す。

爺ヶ岳と針の木岳方面。夏の優しい爺もまもなく一変。

Mさんにはまだまだ来て頂きたかった冷池山荘。

爺ヶ岳全景。中央上に種池山荘。

冬を前に今年生まれのヒナもこんなにたくましく。がんばって。

厳冬に向かう新越山荘も束の間の休日といった感じの一日。

NO249  一ヶ月ぶりに北アルプス全山、白の装いです。

 2006/11/08(水)

    昨日から今朝にかけてはあちこちでいつもより遅めの初霜や初氷を観測したようです。阿蘇山や伯耆大山でも初冠雪を観測したようですね。我が家のまわりでも昨夕は小雪が少しだけパラパラ舞って気象庁の見解で言うなら、一応は初雪ということでしょうか。もう少し下の大町温泉郷の辺りまでは白くするものと思いましたが、積雪になったのは場所によって1200m〜1600mぐらいの標高まででした。降雪量も主稜線でも体育の日連休の初雪のときと同じぐらいか場所によってやや多いぐらいというところでしょうか。このあとも今週末にかけてまた寒気がやってくるようですので、完全にこれで根雪になりそうです。ようやく朝晩も冷え込むようになってきましたので、信州名物野沢菜の収穫、漬け込みもこれからは本格化しそうです。 さいごに今日の北アルプスをお届けいたします。


今朝は穏やかな表情、鹿島槍ヶ岳。

初氷を期待して昨夜ニシキギを添えてみました

Tさんお薦めの観音橋から爺〜五竜をパチリ。

秋がてんこ盛りの一枚。

たわわに実った柿の実が新雪に映える。

美味しいフジの収穫も11月半ばから本番へ。

昨日の30メートル近い強風が嘘の様な朝です。

氷や雪が創る造形がたのしみ。初霜も到来。

安曇野の名峰、常念岳。

燕山荘から南の稜線。(穂高より)

冬の使者ハクチョウと蝶ヶ岳、大滝山。

左から北葛岳、針の木、蓮華岳、鍬ノ峰。

NO248  大荒れの日本列島は、暦どおりの立冬。

 2006/11/07(火)

    体育の日連休の初雪以来本格的な降雪がなかった北アルプスですが、寒気の南下とともにほぼ一ヶ月ぶりにまとまった積雪になりそうです。今日は大慌てで登山口にまだ置いてあった看板等を片付けに行ってきましたが、午後には扇沢バスターミナルでも今季初めての積雪になっていました。また夕方には大町郊外でも雪がパラパラ舞ってきており、明日はかなり下の方まで白くしそうです。なかなか寒気の南下が進まない今年は大町でも未だ初霜も初氷も記録していませんが、明日は晴れれば両方どころか三つ一緒にやってきそうです。今季の営業が終わって一服も、冬の足音とともに一気に慌しい年の瀬に向っていきそうです。季節の変わり目にあたり風邪も流行っているようですが、みなさんご自愛くださいませ。   


雪雲におおわれる鹿島槍ヶ岳方面。

大町市内はまだまだ紅葉も盛りですが。

初雪の扇沢バスターミナル。

吹雪の中バスも足早に下山へ。

柏原新道も半年間の冬眠に入りそうです。

名残の黄葉にも容赦なく吹雪く。

NO247  登山文化をもっと高めたい日にしたいですね。

 2006/11/03(金)

   11月3日 文化の日、晴れの特異日にふさわしい一日になりました。みなさんは3連休の初日いかが過ごされたでしょうか。私は小屋閉めを間近にした穂高岳の涸沢へ行ってきました。実は山小屋の設備の関係でお教えを乞いたいことがあり、小屋閉め作業でお忙しいであろうことも省みず押しかけてしまいました。おかげ様でいろいろとたいへん有意義なことをご教示いただくことができました。横尾山荘、涸沢小屋、涸沢ヒュッテのオーナーのみなさんには厚く御礼を申し上げます。

   鹿島槍ヶ岳周辺でも白くした昨日の雪は涸沢では1センチほどの積雪。夏のあいだは連日カラフルなテントの華が咲いたであろう涸沢のテントのお花畑も今日は数えるほどの華が咲くだけで、見納めの時を迎えているようでした。どの小屋の皆さんも小屋閉め作業に追われて忙しく立ち回られ、今年の北アルプスのほとんどの山小屋の夏山秋山シーズンがまさに終わろうとしている感じで一抹の寂しさも覚えました。今年の北アルプスは岳沢ヒュッテの雪崩倒壊というたいへん残念なニュースでシーズンインしたわけですが、すべての山小屋が今冬は何ごとも無く来春を無事に迎えんことを願うばかりです。

   梓川河畔の紅葉のとりをつとめるカラマツの黄金黄葉、山腹の冬枯れの草原、新雪をまとった穂高岳等々晩秋そして初冬の北アルプスを満喫した山行になりました。やっぱり山っていいですね。


朝霧につつまれる河童橋。

晩秋の色濃い梓川河畔。

横尾山荘前も静かな3連休の入り。

うっすらと雪におおわれる涸沢登山道。

涸沢のナナカマドは今秋も最高の色づきだったそう

ヒュッテのテラスの片付け。お疲れさまでした。

ヒュッテの中には数百本の補強材が立てられる。

新雪と冬枯れが拮抗する涸沢と穂高連峰。

鋭さ増し冬待つ槍ヶ岳。パノラマコースから。

梓川と奥には大天井岳方面。